回帰直線
更新日:
この記事で扱う統計知識
回帰直線の基礎 ― 点のならびから、これからを見通す
1. この記事で学べること
いちこ
まとめ
・散布図に直線を引く意味がわかる ・回帰直線が「予測」の道具であることがわかる ・相関と回帰直線の違いがわかる
2. エピローグ
学生時代のバイト先の時給表を、ふと思い出した。
- 勤続1年目は950円。
- 2年目は1000円。
- 3年目は1080円。
- 4年目は1150円。
先輩に「5年目はいくらになりますか」と聞かれて、なんとなく答えた。 「たぶん1200円くらいじゃないですか」
なぜそう思ったのか、後で考えてみた。
勤続年数と時給の関係をグラフにしてみると、点がほぼ一直線に並んでいた。
この点の並びに沿って、直線を1本引いてみたくなった。
その直線を伸ばしていけば、5年目の時給がどのあたりに来るか、目分量でも見当がつく。
シュン
フリマアプリで、同じ型のカメラの出品を何件か見比べたことがあった。
- 使用年数が1年のものは4万円。
- 2年のものは3万5千円。
- 3年のものは3万円。
- 5年のものは2万円。
「使用年数が長いほど安くなる」という傾向は、なんとなく分かる。
でも、自分が持っている「使用年数4年」のカメラは、いくらで売れそうか。
点を並べて直線を引いてみると、4年目のあたりの高さが見えてくる。 勘ではなく、データの並びから見当をつけられる。
・バイトの時給 ・カメラの相場
2つに共通しているのは、 「点の並びから直線を引いて、まだ知らない値を見通したい」ということだ。
この「点の並びに沿って直線を引き、予測に使う」考え方が、回帰直線だ。
3. 回帰直線の基礎とは何か
回帰直線とは、散布図上のデータの並びに最もよく当てはまるように引いた直線のことだ。
- :予測したい値(時給、売値など)
- :予測に使う値(勤続年数、使用年数など)
- :傾き(xが1増えたときのyの変化量)
- :切片(xが0のときのyの値)
ポイント
回帰直線は「点にできるだけ近い直線」を引くこと。 データにない値(まだ知らない年数の時給など)を予測するための道具。
相関係数との違い
| トピック | ポイント |
|---|---|
| 相関係数 | 2つの変数がどれくらい強く関係しているか |
| 回帰直線 | その関係を使って「具体的な値を予測する」ための式を作る |
注意
点のばらつきが大きい(相関が弱い)データに回帰直線を引いても、予測の精度は低くなる。
ポイント
まず散布図と相関係数で関係の強さを確認してから、回帰直線を引こう。
4. 図で見る
バイトの時給データに、回帰直線を引いてみる。
直線を5年目まで伸ばすと、予測値は1240円あたりになる。 「たぶん1200円くらい」という感覚は、そう大きく外れていなかったことがわかる。
シュン
ここで2つのことを覚えておいてほしい。
① 回帰直線は「まだ知らない値」を予測する道具
手元にあるデータの範囲を超えて、まだ観測していない値(5年目の時給など)を見積もるために使う。
② 直線から離れているほど、予測は不確か
点が直線にぴったり沿っているほど予測は信頼でき、ばらついているほど予測の誤差は大きくなる。
5. まとめ
まとめ
・回帰直線は、散布図の点の並びに沿って引いた直線で、y=ax+bの式で表される ・回帰直線を使うと、まだ観測していない値を予測できる ・点のばらつきが大きいデータほど、予測の精度は落ちる
いちこ