標準化
更新日:
この記事で扱う統計知識
標準化(標準得点)とは ― 違う物差しの成績を、同じ土俵で比べる
1. この記事で学べること
いちこ
まとめ
・素点だけでは比較できない理由がわかる ・標準化(標準得点)が何をしているかがわかる ・偏差値の考え方の正体がわかる
2. エピローグ
模試の結果が返ってきた。
- 英語は65点。平均点は60点だった。
- 数学も65点。でも、平均点は50点だった。
同じ65点なのに、なんとなく「数学の方が良い成績なのでは」という気がした。
平均との差だけを見ると、英語は平均+5点、数学は平均+15点。
でも、これだけで「数学の方が優れている」と言い切っていいのか、少し迷いが残った。 点数の散らばり方(みんなどれくらいバラついているか)によって、同じ「平均+15点」でも意味合いが変わりそうな気がしたからだ。
シュン
友人と、マラソン大会と水泳大会の順位の話になった。
マラソンでは参加者100人中20位、水泳では参加者50人中15位だった。
「順位の数字だけ見たら水泳の方が良さそうだけど、そもそも参加人数も違うし、単純に比べていいのかな」
競技も、参加者数も、順位の付き方も違うものを、素の数字だけで比べるのは難しい。
・模試の英語と数学 ・マラソンと水泳の順位
2つに共通しているのは、 「物差しが違うもの同士を、同じ基準で比べたい」ということだ。
この「基準を揃えて比べる」ための考え方が、標準化(標準得点)だ。
3. 標準化(標準得点)とは何か
標準化とは、平均を0、標準偏差を1になるようにデータを変換することだ。
- 個人の値:比較したい個々のデータ(自分の点数など)
- 平均:そのグループ全体の平均
- 標準偏差:そのグループ全体のばらつきの大きさ
まとめ
標準化は、平均との差を「そのグループ内でのばらつきの大きさ」で割る。 それにより、異なるグループ同士でも公平に比較できる値に変換する。
偏差値との関係
学校でおなじみの偏差値は、この標準得点をさらに「平均50、1標準偏差=10」となるよう変形したものだ。 仕組みは標準化と同じで、見やすい数字に整えているだけだ。
4. 図で見る
英語と数学の標準得点を計算してみる(英語の標準偏差を10点、数学の標準偏差を20点とする)。
同じ65点でも、標準得点で見ると数学の方が高い。 数学は平均からの差が大きいだけでなく、そのグループ内でのばらつきが大きい(点差がつきやすい)科目だったため、65点という結果がより「相対的に高い」と言える。
シュン
ここで2つのことを覚えておいてほしい。
① 素点だけの比較は、グループの違いを無視してしまう 平均や散らばり方が異なるグループ同士を、点数だけで比べると誤解が生まれやすい。
② 標準化すれば、異なる基準のデータも公平に比較できる 平均と標準偏差を揃えることで、違う科目・違う競技・違う集団でも「相対的な位置」を比較できるようになる。
注意
標準化は「そのグループの中での相対的な位置」を表すもので、絶対的な実力そのものを表すわけではない。グループが変われば同じ点数でも標準得点は変わる。
5. まとめ
まとめ
・標準化は、平均を0・標準偏差を1にそろえてデータを変換する手法 ・異なる科目や集団の値でも、標準化すれば公平に比較できる ・偏差値は、標準得点を平均50・標準偏差10に整えたもの
いちこ