中心極限定理
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この記事で扱う統計知識
中心極限定理とは ― バラバラな元データも、平均を取れば形が揃う
1. この記事で学べること
いちこ
まとめ
・中心極限定理が何を主張しているかがわかる ・元の分布の形に関わらず起きる現象だとわかる ・多くの統計手法の土台になっている理由がわかる
2. エピローグ
友人とサイコロで暇つぶしをしていたときのことだった。
1回だけ振ると、出目は1から6までバラバラで、山も谷もない(一様分布)。
ふと思いついて、「10回振って、その平均を出す」を何セットも繰り返してみた。
1セット目の平均は3.8、2セット目は3.2、3セット目は3.6…
セットごとの平均を記録していくと、面白いことに気づいた。 1回の出目はバラバラだったのに、「10回の平均」を何セットも集めると、その平均値たちは3.5(サイコロの理論上の平均)の周りに山型に集まっていった。
元のデータはバラバラだったのに、平均を取ると、なぜか整った形になる。
シュン
友人グループの身長を測ったときも、似たようなことがあった。
1人ずつの身長はバラバラで、特に決まった形はない。
でも「友人10人グループ」をいくつも作って、それぞれのグループの平均身長を計算してみると、そのグループ平均同士は、165cm前後にきれいに山型に集まった。
・サイコロの目の平均 ・友人グループの平均身長
2つに共通しているのは、 「元のデータの形がどうであれ、その平均を何度も取ると、平均同士はきれいな山型(正規分布)に近づいていく」ということだ。
この現象が、中心極限定理だ。
3. 中心極限定理とは何か
中心極限定理とは、元の分布がどんな形であっても、そこから取り出した標本の平均を何度も繰り返し計算すると、その平均の分布は正規分布に近づいていく、という定理だ。
ポイント
サイコロの出目のように元がバラバラな分布(一様分布)であっても、標本平均を繰り返し取れば正規分布に近づく。これが中心極限定理の驚くべき点。
なぜ重要なのか?
この定理があるおかげで、元のデータがどんな分布であっても、「標本平均」を扱うときには正規分布の性質(平均・標準誤差など)を使って分析できる。 t検定やz検定など、多くの統計手法がこの定理を土台にしている。
4. 図で見る
サイコロを10回振った平均を、何セットも計算して分布にしてみる。
サイコロ1回の出目は一様分布(山がない)だが、10回の平均を繰り返し取ると、3.5を中心にした山型の分布に近づいていく。
シュン
ここで2つのことを覚えておいてほしい。
① 元の分布の形は関係ない 偏った分布からでも、一様な分布からでも、標本平均を繰り返し取れば正規分布に近づく。
② 標本のサイズが大きいほど、正規分布に近づきやすい 1回の平均を取る際の標本サイズ(サイコロなら10回、20回)が大きいほど、その平均の分布はより正規分布に近い形になる。
注意
中心極限定理は「標本平均の分布」についての定理であり、元データ1つ1つの分布そのものが正規分布に変わるわけではない。混同しないよう注意しよう。
5. まとめ
まとめ
・中心極限定理は、元の分布の形に関わらず、標本平均の分布が正規分布に近づくという定理 ・標本サイズが大きいほど、この近似は良くなる ・t検定・z検定など、多くの統計手法がこの定理を土台にしている
いちこ
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