t分布
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この記事で扱う統計知識
t分布とは ― サンプルが少ないときの「不確かさ」を織り込む
1. この記事で学べること
いちこ
まとめ
・t分布がどんな場面で使われるかがわかる ・正規分布との違いがわかる ・サンプルが少ないほど「裾が広がる」理由がわかる
2. エピローグ
友人3人だけに、新しくオープンしたカフェの感想を聞いたことがあった。
3人とも「美味しかった」と答えた。
「じゃあ、このカフェは評判がいいんだ」と思いかけたが、ふと立ち止まった。
たった3人の意見から、「クラス全体」や「街全体」の評判を語っていいものか。 3人という少ない人数だからこそ、たまたま好意的な3人に当たっただけかもしれない、という不確かさが残る。
もし30人に聞いていたら、もっと自信を持って「評判がいい」と言えただろう。
シュン
新商品の試食会でも、似たような感覚があった。
10人に試食してもらって、感想の平均点を出した。
「平均8.2点、なかなか好評だ」
でも、これが10人ではなく100人だったら、平均はもう少し違う値になっていたかもしれない。
少人数から出した平均には、大人数から出した平均より「ブレの余地」が大きい。
・友人3人のカフェの感想 ・10人の試食会の平均点
2つに共通しているのは、 「少ない人数からの結論には、多い人数からの結論より不確かさが大きい」ということだ。
この「サンプルが少ないときの不確かさ」を織り込んで扱う分布が、t分布だ。
3. t分布とは何か
t分布とは、標本の大きさが小さいときに、標本平均を扱う際の不確かさをより正確に表現するための分布だ。
ポイント
t分布は正規分布と似た形をしているが、サンプルサイズが小さいほど、裾(端の方)が正規分布より広がっている。 これは「少人数ゆえの不確かさ」を反映したもの。
正規分布との違い
- サンプルサイズが小さい:t分布は正規分布より裾が広い(極端な値が出る可能性を多めに見積もる)
- サンプルサイズが大きい:t分布は正規分布にほぼ一致する
注意
サンプルサイズが大きくなるほど(目安として30以上)、t分布と正規分布の違いはほとんどなくなる。 t分布が特に重要になるのは、少人数のデータを扱うときだ。
4. 図で見る
サンプルサイズが違う場合のt分布の形を、正規分布と見比べてみる。
t分布(オレンジ)は、正規分布(水色)と比べて中心の高さがやや低く、裾(両端)が広がっている。 これは、少人数のデータでは極端な値が出る可能性を、より広めに見積もっていることを意味する。
シュン
ここで2つのことを覚えておいてほしい。
① t分布はサンプルが少ないときの「安全マージン」 少人数から出した結論には不確かさが大きいことを、裾の広さという形で織り込んでいる。
② サンプルが増えれば、正規分布に近づく t分布は万能ではなく、あくまで少人数のときに正規分布を補正するための分布。サンプルが多くなれば、両者の違いはほぼ消える。
5. まとめ
まとめ
・t分布は、サンプルサイズが小さいときの標本平均の不確かさを表す分布 ・正規分布より裾が広く、極端な値が出る可能性を多めに見積もる ・サンプルサイズが大きくなるほど、t分布は正規分布に近づく
いちこ
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