決定係数

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決定係数とは ― 予測はどの程度当たるのか

1. この記事で学べること

ポイント

・決定係数(R²)が「予測モデルの当たり具合」を示す指標だと分かる ・R²が高くても油断できない理由が分かる ・回帰分析の結果をR²で評価する方法が身につく

2. エピローグ

高校3年生の秋。模試の結果が返ってきた。

志望校判定はA。

「よし、このまま行けば本番も大丈夫だ。」

そう安心した。 でも、ふと気になった。

模試の点数は、本番の点数をどのくらい正確に予測できているんだろうか?

そこで、

過去10年分の卒業生データを借りて、模試の点数と本番の点数を散布図にしてみた。 右上がりの傾向は確かにある。模試が高い人ほど、本番も高い傾向だ。

でも点が直線からかなり外れているケースも多かった。 模試でA判定だったのに本番で大きく崩れた人も、模試でC判定だったのに本番で逆転した人もいた。

回帰直線を引いて、R²を計算してみた。

模試の点数で本番の点数の65%は説明できるが、残りの35%は説明できない。

つまり、「模試A判定=本番も安心」ではなかった。

35%は模試では予測できない「当日の体調・緊張・問題との相性」などが影響するのだろう。

いちこ

いちこ

R²が0.65って、高いんですか?低いんですか?
シュン

シュン

目安としてはR²が0.7以上なら「実用的な予測ができる」と言われることが多いかな。0.65はギリギリ実用的な水準だけど、「35%は予測できない」という余白があることを忘れてはいけないんだよね。


友人と食事に行くお店を探していた。

候補が2つ。

  • A店: 食べログ3.8点
  • B店: 食べログ3.5点

「点数が高い方が美味しいはずだから、A店にしよう。」

そう決めてA店に行った。 料理は悪くなかった。でも「3.8点の期待」には届かなかった。

食べログの点数は、実際の満足度をどのくらい正確に予測できているのか?

50人の知人に「食べログの点数」と「実際に行ってみた満足度(10点満点)」を聞いた。

散布図にすると、ぼんやりとした右上がりの傾向はある。 でも点がバラバラに散らばっていた。

R²を計算すると:

食べログの点数で実際の満足度の28%しか説明できない。

「3.8点だから美味しいはず」という感覚は、72%は根拠がなかったことになる。

シュン

シュン

これって食べログが悪いわけじゃなくて、「満足度」は点数以外の要因がたくさん影響するんだよね。
いちこ

いちこ

一緒に行く人・その日の気分・期待値の高さとかですか?
シュン

シュン

そうそう。だからR²が低いモデルに頼りすぎると判断を誤ることがある。R²を確認することで「このモデルをどのくらい信頼していいか」が分かるんだよね。
いちこ

いちこ

予測を使う前に、R²を確認する習慣が大事なんですね。


  • 模試と本番の点数。
  • 食べログと実際の満足度。

2つに共通しているのは「予測はできるが、どのくらい正確かは別の話」ということだ。

この「予測モデルがデータをどのくらいうまく説明できているか」を示す指標が、決定係数(R²)だ。

3. 決定係数とは何か

決定係数(R²)とは、回帰モデルが目的変数のばらつきをどのくらい説明できているかを示す指標だ。

  • yiy_i: 実際の値
  • y^i\hat{y}_i: モデルの予測値
  • yˉ\bar{y}: 実際の値の平均

R²の読み方

R²の値意味判断
1.0完全に説明できる理想的(現実ではほぼない)
0.7以上70%以上説明できる実用的な予測が可能
0.5〜0.750〜70%説明できる参考程度に使える
0.5未満半分以下しか説明できない予測への信頼性が低い

直感的なイメージ

模試のR²=0.65は「模試で説明できる部分が65%、説明できない部分が35%」。 食べログのR²=0.28は「点数で説明できる部分が28%、説明できない部分が72%」。

💡 R²は単回帰でも重回帰でも使える。重回帰では説明変数を増やすほどR²は上がるが、意味のない変数を増やしても予測精度は上がらない。そのため重回帰では「調整済みR²」を使うことが多い。変数の数が増えても正確に評価できる。

4. 図で見る

模試と本番のR²=0.65がコレ。

食べログのR²=0.28を視覚的に比較するとこうなる。

上のグラフは点が直線に近く集まっている(R²=0.65)。 下のグラフは点がバラバラに散らばっている(R²=0.28)。

R²の違いが、グラフの「まとまり具合」として視覚的に分かる。


ここで2つのことを覚えておいてほしい。

① R²は「予測モデルをどのくらい信頼できるか」の目安

回帰分析で式を作ったら、必ずR²を確認する習慣をつけよう。

R²が低いモデルに頼りすぎると、外れた予測で意思決定してしまう。 「このモデルはR²=0.3だから参考程度に使う」という判断ができるようになる。

② R²が高くても「良い予測」とは限らない

データに過剰に合わせすぎると(過学習)、過去のデータではR²が高くても、新しいデータへの予測精度が下がる。

「学習データでのR²」だけでなく、「テストデータでのR²」も確認することが重要だ。

注意

R²は0〜1の範囲。 業界や分析の目的によって「十分なR²」は異なる。

ポイント

金融や自然科学では0.9以上が求められることもあるが、 営業データでは0.5〜0.7でも十分実用的なことがある。

5. 計算式

シュン

シュン

教科書的な計算式も紹介しておくね。
いちこ

いちこ

シーン別の記事では、プロンプトも紹介してくれてますね。まさに生成AIに頼るところですね!

決定係数の計算式

  • SSres=(yiy^i)2SS_{res} = \sum(y_i - \hat{y}_i)^2: 残差平方和(予測誤差の合計)
  • SStot=(yiyˉ)2SS_{tot} = \sum(y_i - \bar{y})^2: 全変動(データ全体のばらつき)

相関係数との関係

単回帰の場合、決定係数は相関係数の2乗になる。

相関係数r=0.8なら、R²=0.64。 「相関係数0.8の関係は、64%を説明できる」ということだ。

調整済みR²(重回帰で使う)

  • nn: サンプル数
  • pp: 説明変数の数

生成AIにデータを渡せば10秒で計算できる。手計算は不要。

6. まとめ

まとめ

・決定係数(R²)は回帰モデルがデータをどのくらい説明できるかを0〜1で示す ・R²が0.7以上なら実用的な予測が可能。低い場合は予測への信頼性が低い ・回帰分析の結果を使う前に必ずR²を確認する。R²が低いモデルに頼りすぎない

いちこ

いちこ

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しゅん

この記事を書いた人

しゅん

BtoB営業歴10年以上。現在は事業部長として営業マネジメントに従事。統計とAIを営業に活かす実践知を発信しています。

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