単回帰分析
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この記事で扱う統計知識
単回帰分析とは ― 1つのデータで予測する
1. この記事で学べること
まとめ
・単回帰分析で1つのデータから結果を予測できるようになる ・傾きと切片の意味が直感的に分かる ・散布図・相関係数・回帰分析の3ステップの流れが分かる
2. エピローグ
夏のコンビニアルバイト。閉店作業中に店長が言った。
「明日は35度予報だから、アイスを多めに発注しよう。」
「何個くらい発注しますか?」と聞くと、店長は少し考えてから答えた。 「うーん、なんとなく200個くらいかな。」
なんとなく、か。
気になって、過去3ヶ月の「最高気温」と「アイスの売上本数」のデータを引っ張り出した。
散布図にすると、右上がりの点の並びがはっきり見えた。
気温が高いほど、アイスが売れている。
でも「なんとなく多い」ではなく、「気温が1度上がると何本多く売れるか」が分かれば、もっと正確に発注できる。
散布図の点の並びに沿って直線を引いてみた。
この直線が、予測の武器になる。
いちこ
シュン
いちこ
カフェのオーナーが、増席を検討していた。
今の店舗は20席。
「席を増やせば売上が上がるはず」という感覚はある。 でも何席増やせばいくら売上が増えるのか、感覚だけでは判断できない。
近隣の同規模カフェ15店舗の「席数」と「1日の売上」のデータを集めた。 散布図にすると、席数が多いほど売上が高い傾向が見えた。
直線を引いて計算すると「1席増えると1日あたり約3000円売上が増える」という式が出た。
10席増やせば、1日3万円。
1ヶ月で90万円の売上増加が見込める。
増席のコストと比較して、投資対効果を判断できるようになったが、実際はどうだろうか。
いちこ
シュン
転職活動を始めた。
「経験が長いほど年収が高い」という感覚はある。 でも自分の適正年収がいくらなのか、よく分からない。
業界の求人データ100件を集めて「経験年数」と「年収」を散布図にした。 右上がりの傾向がはっきり見えた。
直線を引いて計算すると「経験が1年増えると年収が約40万円増える」という式が出た。 自分の経験年数は8年。
経験0年のときの年収が300万円(統計でいう切片)だとすると、 8年×40万円+300万円=620万円が目安だ。
転職エージェントに提示された「550万円」という数字が、相場より低いことが分かった。
シュン
いちこ
シュン
- 気温とアイスの売上。
- カフェの席数と売上。
- 経験年数と年収。
3つに共通しているのは「1つのデータから、別のデータを予測できる」ということだ。
この「1つの原因から結果を予測する直線の式を求める」手法が、単回帰分析だ。
3. 単回帰分析とは何か
単回帰分析とは、1つの説明変数(原因)から目的変数(結果)を予測する直線の式を求める手法だ。
- : 目的変数(予測したい値。アイスの売上・年収など)
- : 説明変数(予測に使う値。気温・経験年数など)
- : 傾き(xが1増えたときにyがどのくらい増えるか)
- : 切片(xが0のときのyの値)
3つの例での意味
| 例 | x(説明変数) | y(目的変数) | a(傾き)の意味 | b(切片)の意味 |
|---|---|---|---|---|
| アイス | 気温(℃) | 売上(本) | 1度上がると何本増えるか | 0度のときの売上 |
| カフェ | 席数(席) | 売上(円) | 1席増えると何円増えるか | 0席のときの売上 |
| 転職 | 経験年数(年) | 年収(万円) | 1年増えると何万円増えるか | 0年のときの年収 |
まとめ
【単回帰分析の3ステップ】 ①散布図で関係を確認 ②相関係数で強さを数値化 ③回帰分析で予測式を求める 相関係数が低い(関係が弱い)データに回帰分析をしても、予測の精度が低いため効果は薄い。
4. 図で見る
経験年数と年収のデータを散布図と回帰直線で見てみる。
[chart:scatter:{"xLabel":"経験年数(年)","yLabel":"年収(万円)","datasets":[{"label":"データ","data":[{"x":1,"y":340},{"x":2,"y":380},{"x":3,"y":420},{"x":4,"y":450},{"x":5,"y":500},{"x":6,"y,"y":530},{"x":7,"y":580},{"x":8,"y":620},{"x":9,"y":650},{"x":10,"y":700}],"color":"#378ADD"}]}]
散布図の点に沿って引いた直線が回帰直線だ。 この直線の式が「y = 40x + 300」。
8年の経験なら「40×8+300=620万円」が予測値になる。
ここで2つのことを覚えておいてほしい。
① 傾きが「1単位増えたときの変化量」
気温が1度上がるとアイスが5本増える(傾き=5)。 経験が1年増えると年収が40万円増える(傾き=40)。
傾きを見るだけで「どのくらいの関係があるか」が直感的に分かる。
② 回帰直線はあくまで「平均的な予測」
実際のデータは直線の周りに散らばっている。
「経験8年なら必ず620万円」ではなく、「平均的に620万円くらい」という予測だ。 直線からのばらつきが大きいほど、予測の精度が低くなる。
注意
単回帰分析は「1つの説明変数」しか使えない。
ポイント
実際の年収は経験年数だけでなく、業界・スキル・会社規模など複数の要因で決まる。 複数の要因で予測したい場合は重回帰分析を使うことを覚えておこう。
5. 計算式
[シュン]: 教科書的な計算式も紹介しておくね。 [いちこ_smile]: シーン別の記事では、プロンプトも紹介してくれてますね。まさに生成AIに頼るところですね!
回帰係数(傾きa)の計算
切片bの計算
- : xの平均
- : yの平均
決定係数(R²)で直線の信頼性を確認
R²が1に近いほど、直線がデータをよく説明している。 R²が0.7以上なら、予測に使える水準だ。
生成AIにデータを渡せば10秒で計算できる。手計算は不要。
6. まとめ
いちこ
まとめ
・単回帰分析はy=ax+bの直線式で1つの変数から結果を予測する手法 ・傾きaが「説明変数が1増えたときの変化量」。切片bが「説明変数が0のときの値」 ・散布図→相関係数→単回帰分析の3ステップで予測式を求める
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