相関係数
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この記事で扱う統計知識
相関係数とは ― 営業マネジャーのための「関係の強さ」入門
1.
朝6時。目覚ましが鳴った。
今日は午前中に大事なプレゼンがある。
いつもより30分早く起きて、トーストと目玉焼きをしっかり食べた。
「今日は集中できそうだ」そう思いながら電車に乗った。
プレゼンは10時から。準備は万全のはずだった。
でも9時半頃から、なんとなく眠くなってきた。
食べ過ぎたかもしれない。いつもは食べない目玉焼きを2つ平らげた。
プレゼン直前にコーヒーを一口飲んで、なんとか乗り切った。
朝食をしっかり食べると集中できる。そう聞いたことがある。
でも今日は違った。
仕事を終えて、夕食の食材を買いに近所のスーパーへ向かった。
いつもは19時頃に行くと混んでいるので、今日は仕事が早く終わったこともあり17時に寄ることにした。
「この時間なら空いているはず」そう思っていた。
ところがレジに向かうと、なぜか長蛇の列。
近くの小学校が下校の時間と重なったようで、お母さんたちの買い物カゴがズラリと並んでいた。
空いている時間に行けば早く済む。
そう思っていたのに、今日は違った。
夕食を終えて、20時過ぎにソファでコーヒーを飲んだ。
仕事のメールを確認しながら、気づいたら23時になっていた。ベッドに入ったが、目が冴えて眠れない。天井を見つめながら、今日のプレゼンの反省点が頭をぐるぐると回り始めた。
隣では妻がすでに寝息を立てている。
妻も夕食後にコーヒーを飲んでいた。毎晩飲んでいるのに、布団に入れば3分で眠れる。
コーヒーを飲むと眠れなくなる。それは自分だけの話だったのかもしれない。
- 朝食と集中力。
- スーパーの混雑と買い物時間。
- カフェインと睡眠。
3つに共通しているのは「なんとなく関係がありそうだけど、人によって・状況によって違う」ということだ。
この「関係の強さ」を数値で表したのが、相関係数だ。
2. 相関係数とは何か
2つのデータの「関係の強さと方向」を-1から+1の間の数値で表したものだ。
| 相関係数 | 意味 |
|---|---|
| +1に近い | 一方が増えると、もう一方も増える(強い正の相関) |
| 0に近い | 2つのデータに関係がない(無相関) |
| -1に近い | 一方が増えると、もう一方は減る(強い負の相関) |
一般的な目安はこうだ。
| 絶対値 | 関係の強さ |
|---|---|
| 0.7以上 | 強い相関 |
| 0.4〜0.7 | 中程度の相関 |
| 0.2〜0.4 | 弱い相関 |
| 0.2未満 | ほぼ無相関 |
営業シーンに当てはめると「架電数と受注数の相関係数が0.8」なら強い関係がある。
「0.1」ならほぼ無関係ということになる。
3. 図で見る
気温とビールの売上(強い正の相関)
気温が上がるほどビールが売れる。相関係数は0.92で強い正の相関だ。
一方で、これはどうだろうか。
アイスの売上と水難事故件数(疑似相関)
アイスの売上が増えると水難事故も増える。相関係数は0.89と非常に強い。
しかし冷静に考えてほしい。
アイスを食べると溺れるわけではない。
夏になると気温が上がり、アイスも売れるし海や川で遊ぶ人も増える。
「暑い夏」という第三の要因が両方を動かしているだけだ。
これが疑似相関だ。数値が強くても、因果とは限らない。
この2つの事例が示すように、
「相関係数」について重要な考え方はこの2つだけ。これを覚えていてほしい。
① 相関があっても、因果とは限らない
気温が上がるほどビールが売れる。相関係数0.92。
一見すると「気温がビールの売上を増やしている」と言いたくなる。
でも本当にそうだろうか?
- 夏になると外出が増え、飲み会も増える。
- ビールメーカーの夏の販促も集中する。
- 気温が高い日ほど「とりあえずビール」と言いたくなる空気もある。
「気温が上がったからビールが売れた」のか?
「夏という季節がビールも気温も押し上げた」のか?
これは、相関係数だけでは判断できない。
アイスと水難事故はさらに極端だ。
相関係数0.89という強い数値が出るが、アイスを食べると溺れるわけではない。
「暑い夏」という第三の要因が両方を動かしているだけだ。 相関は「関係がありそう」という発見であって、「原因と結果」の証明ではない。
② 相関係数0.3でも、重要な発見になることがある
妻はコーヒーを飲んでも眠れる。自分は眠れない。
2人のデータだけで見れば「カフェインと睡眠の相関はゼロ」という結論になる。
でも100人のデータを集めると、0.3程度の相関が出るかもしれない。 「全員に当てはまらなくても、傾向はある」。
相関係数は仮説を立てる出発点。
「なぜこの人には当てはまらないのか」を考えることの方が、数値の大小より重要だ。
4. 計算式
ピアソンの積率相関係数
- : 相関係数(-1〜+1)
- : 1つ目のデータ(例: 架電数)
- : 2つ目のデータ(例: 受注数)
- , : それぞれの平均
生成AIにデータを渡せば1秒で計算できる。手計算は不要。
5. この統計を使った営業シーン記事
- 架電量と成果の関係 ― 「架電数を増やせば受注は増える」は本当か、相関係数で検証する
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