クロス集計

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クロス集計とは ― 営業マネジャーのための「2つの関係を表で見る」入門

1. この記事で学べること

まとめ

・クロス集計で2つの属性の関係を表に整理できる ・感覚ではなく比率で見ることの大切さが分かる ・「なんとなくの関係」をデータで確認する方法が身につく

2. エピローグ

毎朝のランニングを始めて3ヶ月が経った。

走り終えた後の爽快感が、一日の始まりを気持ちよくしてくれる。 でも最近、こんなことが気になっていた。

「晴れの日は走る気になるけど、雨の日はサボりがちだな。」

感覚的にはそう思う。 でも本当にそうなのか、気のせいかもしれない。

1ヶ月間、毎日「天気」と「走ったかどうか」をメモに記録してみた。 30日分のデータが集まったところで、表に整理してみた。

走った走らなかった合計
晴れ16日3日19日
雨・曇り3日8日11日
合計19日11日30日

表にした瞬間に、「なんとなく」が「事実」になった。

晴れの日は19日中16日走っている(84%)。 雨・曇りの日は11日中3日しか走っていない(27%)。

感覚は正しかった。

表にして初めて、どのくらい正しかったかが分かった。

いちこ

いちこ

これって、ただ表にまとめただけですよね?それだけで「関係がある」って言えるんですか?
シュン

シュン

そうなんだよ。クロス集計は難しい計算が必要なわけじゃなくて、2つのデータを縦と横に並べて整理するだけなんだよね。でもそれだけで「関係がありそうか」が一目で見えてくる。


職場の飲み会で、こんな話題になった。

「最近の若い子はInstagramばかり使ってるよね。」

上司がそう言った。 「中高年はFacebookが多いんじゃないですか。」と誰かが返した。

みんながなんとなく同意した。

本当にそうなのか。

翌週、社内アンケートで「メインで使うSNS」と「年代」を聞いてみた。 100人から回答が集まった。

まず人数だけで見てみた。

SNS人数
Instagram38人
YouTube32人
X(Twitter)18人
Facebook12人

「やっぱりInstagramが主流か」と思いかけた。 でも待てよ、と思った。

20代と50代では人数が違う。 人数だけで比べたら、人数が多い年代に引っ張られてしまう。

年代別に比率で見直した。

InstagramYouTubeXFacebook
20代(30人)60%23%13%3%
30代(35人)43%34%17%6%
40代以上(35人)17%46%11%26%

全然違う結果だった。

40代以上はInstagramより、YouTubeの方が多く使われていた。 人数だけ見ていたら、全く違う結論を出していた。

シュン

シュン

これがクロス集計の落とし穴でね。人数だけ見ると、グループの大きさに引っ張られてしまうんだよね。
いちこ

いちこ

だから比率に直すんですね。でも、どうして比率にすると正しく比べられるんですか?
シュン

シュン

例えば20代が30人、40代が35人いるとして、どちらもInstagramを10人が使っていたとする。人数は同じでも、20代は33%、40代は29%。比率で見て初めて、どちらの年代でより使われているかが比べられるんだよね。
いちこ

いちこ

なるほど!人数が違うグループを比べるときは、必ず比率に直す必要があるんですね。


ランニングと天気。SNSと年代。

2つに共通しているのは「2つのデータを表に整理したら、関係が見えた」ということだ。

そして人数ではなく比率で見て初めて、正しい比較ができた。

この「2つの属性の関係を表で整理する」手法が、クロス集計だ。

3. クロス集計とは何か

クロス集計とは、2つのカテゴリデータを縦軸・横軸に並べて、それぞれの組み合わせの件数を整理した表のことだ。

度数クロス集計表(人数)

AグループBグループ合計
条件1aba+b
条件2cdc+d
合計a+cb+dn

比率クロス集計表(割合)

各セルを行合計または列合計で割ることで、比率に変換できる。

ポイント

まず、クロス集計で「関係がありそう」と判明したら。 次はカイ二乗検定でその関係が統計的に意味があるかを確認する。 クロス集計は「見える化」、カイ二乗検定は「証明」という2ステップで使うのが定石

4. 図で見る

SNSと年代のデータを棒グラフで比較するとこうなる。

グラフにすると、年代によってSNSの使い方が全く違うことが一目で分かる。

20代はInstagramが圧倒的に多いが、 40代以上はYouTubeが最多でFacebookも一定数いる。

人数だけ見ていたら「Instagramが主流」という誤った結論を出していた。


ここで2つのことを覚えておいてほしい。

① 「なんとなくの関係」を表にして確認する

「晴れの日の方が走る気がする」という感覚は、表にして初めて確認できる。 感覚が正しかったのか、間違っていたのか、どのくらい正しかったのかが分かる。

② 人数ではなく比率で見る

グループの大きさが違う場合、人数で比べると引っ張られる。 必ず比率(割合)に直してから比較する。これがクロス集計の最も重要なルールだ。

ポイント

「晴れの日は走りやすい」という因果関係を証明するものではない。 クロス集計で見えた関係を因果として断定しないように注意しよう。

5. 計算式

行比率(横方向の割合)

列比率(縦方向の割合)

SNSの例で言うと、20代のInstagram比率は:

生成AIにデータを渡せば10秒で計算できます。

6. まとめ

いちこ

いちこ

今回の記事をまとめるね!

まとめ

・クロス集計:2つのカテゴリデータを縦横に並べて関係を見える化する ・人数ではなく比率に直して比較する。これがクロス集計の最重要ルール ・「関係がありそう」の確認はクロス集計、「統計的に意味があるか」の証明はカイ二乗検定

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しゅん

この記事を書いた人

しゅん

BtoB営業歴10年以上。現在は事業部長として営業マネジメントに従事。統計とAIを営業に活かす実践知を発信しています。

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