平均値・中央値・最頻値
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この記事で扱う統計知識
平均・中央値・最頻値とは ― 営業マネジャーのための「代表値」入門
1.エピローグ
「この業界、平均年収600万円か。悪くないな。」
転職サイトを眺めながら、そう思った。
営業職の平均年収600万円。 今の自分は480万円だから、転職すれば年収が上がる可能性がある。 そう考えて求人を見ていると、300万円台の求人ばかりが目に入る。
おかしい。平均600万円じゃなかったのか。
実は、この業界には一部の超高収入プレイヤーがいる。 年収2,000万円のトップ営業が少数いるだけで、平均値は大きく引き上げられる。 大多数の人の年収は400万円台。それが中央値だ。
「平均600万円」は嘘ではない。 でも「自分もそのくらいもらえる」と思ったら、それは罠だ。
知り合いが、カフェの経営をしている。
友人のオーナーが悩んでいた。 「メニューの単価を上げたいんですよね。平均単価が450円で、もう少し上げたい。」
データを見せてもらうと、注文数の内訳はこうだった。
ドリップコーヒー(380円): 120杯 カフェラテ(480円): 45杯 スペシャルティコーヒー(800円): 15杯 ケーキセット(950円): 20杯
平均単価は確かに450円前後。 でも一番売れているのはドリップコーヒーで、全体の60%を占めている。
単価を上げたいなら、まず「一番売れているもの」を把握することが先だ。
「平均単価を上げる」より
「ドリップコーヒーの価格を見直す」か「ドリップを頼む人にラテを勧める」方が現実的な施策になる。
一番売れているメニュー、それが最頻値だ。
年収の話とカフェの話。
2つに共通しているのは「平均だけ見ると判断を誤る」ということだ。
平均・中央値・最頻値。この3つをセットで見ることで、データの本当の姿が見えてくる。
2. 平均・中央値・最頻値とは何か
3つとも「データを1つの数字で代表させる」指標だ。でも何を「代表」させるかが違う。
| 指標 | 意味 | 年収の例 | カフェの例 |
|---|---|---|---|
| 平均値 | 全部足して個数で割る | 600万円(高収入に引っ張られる) | 450円 |
| 中央値 | 並べたときの真ん中 | 420万円(大多数の実態) | 480円 |
| 最頻値 | 一番多く出てくる値 | 350万円(最も多い年収帯) | 380円(ドリップ) |
3. 図で見る
年収分布を視覚化するとこうなる。
このデータの平均・中央値・最頻値を計算すると:
- 平均値: 約490万円(高収入層に引き上げられる)
- 中央値: 約430万円(ちょうど真ん中の人の年収)
- 最頻値: 400〜500万円帯(一番人数が多い)
グラフを見ると分かるように、分布は左に偏っている。 右側に高収入の人が少数いるだけで、平均値が上に引っ張られている。
箱ひげ図で見ると、外れ値(右端の点)が平均値を押し上げていることが一目で分かる。
ここで2つのことを覚えておいてほしい。
ポイント
・平均値は「外れ値に弱い」。一部の極端な値があると、大多数の実態からズレた数字になる。 ・年収・売上・受注額など、外れ値が出やすいデータは中央値も合わせて確認しよう
4. 計算式
データ: 300, 350, 400, 400, 450, 500, 2000(万円)
平均値
中央値
データを並べて真ん中の値を取る。
最頻値
最も多く出てくる値。
注意
・平均629万円 vs 中央値400万円。 ・2,000万円という外れ値1つで、200万円以上の差が生まれてしまっている。
5. まとめ
まとめ
・平均値 → 全体の合計を反映するが、外れ値に引っ張られる可能性を考慮する ・中央値 → 大多数の実態を反映する、外れ値に強い ・最頻値 → 「一番多いのは何か」を知りたいときに使う
いちこ
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