期待値
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この記事で扱う統計知識
期待値とは ― 営業マネジャーのための「長期的な平均」入門
1. この記事で学べること
ポイント
・期待値が「確率で重み付けした平均」だと分かる ・「お得かどうか」を感覚ではなく数値で判断できるようになる ・不確かな状況での意思決定に期待値を使えるようになる
2. エピローグ
夏祭りのイベントで店員が言った。「くじはいかがですか?」
見ると、1等5000円が10枚に1枚と書いてある。 くじは1回300円だ。
お得かな。引いてみようか。
直感的には「5000円が当たるかもしれない」という気持ちになる。 でも冷静に考えると、10回引いて1回当たるとしたら、10回分の費用は3000円。 当たったときの5000円と比べると、確かに得だ。
でも当たらなかった場合は? 何回引けば元が取れるのか。
「なんとなくお得そう」という感覚ではなく、数値で考えてみた。
いちこ
シュン
期末試験の最終問題。全く分からない。
残り時間は2分。4択問題が20問残っている。
もう全部勘で答えるしかない。
適当にマークして試験を終えた。 「0点かもしれない」と思っていた。
後日返ってきた答案を見ると、残りの20問中5問正解だった。
勘にしては取れた気がする。
でも実はこれ、偶然ではなかった。
4択問題を全部勘で答えると、確率的に4問に1問は当たる。 10問なら2.5問正解が「期待値」だ。
100点満点なら1問10点として、期待点は25点になる。
「勘にしては取れた」ではなく、「確率通りの結果だった」のだ。
シュン
いちこ
シュン
いちこ
コンビニくじと試験の勘。
2つに共通しているのは「結果が出る前から、長期的な平均が計算できる」ということだ。
この「確率で重み付けした平均」が、期待値だ。
3. 期待値とは何か
期待値とは、確率的な結果が何度も繰り返されたときの「平均的な結果」のことだ。
- : 各結果の値
- : その結果が起きる確率
コンビニくじの例で計算してみる。
| 結果 | 金額 | 確率 |
|---|---|---|
| 1等当たり | +5000円 | 1/10 = 10% |
| 外れ | 0円 | 9/10 = 90% |
くじ1回の期待値は500円。
くじが300円なら長期的にはお得。 500円なら損益ゼロ。 600円なら損だ。
注意
期待値は「1回の結果」を保証するものではない。 ただし100回引けば、期待値に近い結果に収束していく。
4. 図で見る
くじを100回引いたときの累積収支をシミュレーションするとこうなる。
回数が増えるほど、実際の収支が期待値ラインに近づいていく傾向がある。 これが「長期的な平均」としての期待値だ。
次に試験の期待点を問題数別に見てみる。
問題数が変わっても、4択なら期待点は常に25点だ。 問題数が増えるほど、実際の点数が25点に近づいていく。
ここで2つのことを覚えておいてほしい。
① 期待値は「1回の結果」ではなく「長期的な平均」
くじを1回引いて外れても、期待値が500円という事実は変わらない。
期待値は「何度も繰り返したときに平均的にどうなるか」を示す指標だ。
1回の結果に一喜一憂せず、長期的な視点で判断する材料として使う。
② 期待値がマイナスなら長期的には損
宝くじの期待値は購入額の約50%以下と言われている。
つまり長期的に買い続けると、半分以上損をする計算になる。
「夢を買う」という楽しみ方は否定しないが、期待値を知った上で判断することが大切だ。
注意
期待値は平均的な結果を示すが、リスク(ばらつき)は考慮していない。 期待値が同じ場合、標準偏差と合わせて考えることが重要だ。
5. 計算式
期待値の基本式
試験の期待点の例(4択10問・1問10点)
くじの期待値の例
生成AIにデータを渡せば10秒で計算できる。手計算は不要。
6. まとめ
まとめ
・期待値は確率で重み付けした平均。長期的に見たときの平均的な結果を示す ・期待値がプラスなら長期的にお得、マイナスなら損になる目安になる ・1回の結果ではなく長期的な視点で判断する材料として使う
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