正規分布
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この記事で扱う統計知識
正規分布とは ― 営業マネジャーのための基礎理解
1. この記事で学べること
ポイント
・正規分布が「自然と現れる釣り鐘型の分布」だと分かる ・なぜバラバラに見えるデータが正規分布になるのかが分かる ・正規分布を使って「普通の範囲」を判断できるようになる
2. エピローグ
暇つぶしに、コインを50回投げてみた。
表が出た回数は21回だった。
「なんで25回じゃないんだろう?」。。。疑問に思った。 確率は50%だから、50回投げれば25回は表が出るはずだ。
試しに同じことを10回繰り返してみた。
21回、28回、24回、22回、26回、25回、23回、27回、24回、25回。
1回もぴったり25回にはならなかった。
でもすべてのチャレンジが20〜30回の範囲に収まっていた。
ランダムなはずなのに、なぜか形ができていた。
いちこ
シュン
いちこ
プロ野球のシーズンが終わった。
全選手の打率を並べてみると、こんな分布になった。
1割台の選手は少数。 3割超の選手も少数。 2割5分付近に、一番多くの選手が集まっていた。
練習量も、才能も、経験年数も、チームも、全員バラバラだ。 なのに打率を並べると、自然と釣り鐘型になった。
なぜこうなるのか、直感的には説明しにくい。でもデータは毎年同じ形を描く。
シュン
いちこ
シュン
健康診断で血圧を測った。120と出た。
翌日、家の血圧計で測ると118だった。 翌々日は123。その次の日は119。
同じ人間なのに、毎回微妙に違う。
1ヶ月間、毎朝測り続けてみた。 記録を並べてみると、120付近に最も多く集まり、115以下と125以上は少なかった。
バラバラに見えた数字が、並べると釣り鐘型になった。
いちこ
コイン投げ。プロ野球の打率。血圧の測定値。
3つはまったく別の話だ。 でも3つとも、データを並べると同じ「釣り鐘型」の形になる。
この形を「正規分布」という。
3. 正規分布とは何か
正規分布は、自然界や人間の行動データに非常によく現れる。
身長・体重・テストの点数・製品の誤差など、多くのデータが正規分布に従う。
そして、正規分布には3つの特徴がある。
- 平均値・中央値・最頻値が一致する
- 平均±1σの範囲に約68%のデータが収まる
- 平均±2σの範囲に約95%のデータが収まる
この「68%・95%」という数字が、営業データの分析で非常に役立つ。
ポイント
・「平均±2σの範囲に95%が収まる」ということは最重要。 ・つまり、その範囲を外れたデータは「5%未満の稀な出来事」だといえる。
4. 図で見る
コイン投げのデータを正規分布で見てみる。
25付近に集まり、左右にほぼ対称に広がっている。 これが正規分布の典型的な形だ。
正規分布では以下の範囲にデータが収まる。
| 範囲 | 意味 | 該当する人数(100人中) |
|---|---|---|
| 22〜28回(平均±1σ) | 約68% | 68人 |
| 19〜31回(平均±2σ) | 約95% | 95人 |
| 16〜34回(平均±3σ) | 約99.7% | 100人近く |
シュン
① 正規分布は「普通の範囲」を定義してくれる
平均±2σの範囲は「普通」と言い切ることができる。
反対に、この範囲を外れたデータは、統計的に見て「非常に珍しい」ということになる。
営業メンバーの成績がこの範囲を外れていたら、原因を調べる価値がある。
② 現実のデータは完全な正規分布にならないこともある
コイン投げや身長のように、きれいな正規分布になるデータもあるが、
その一方で、年収や売上など「右に偏る」データは正規分布にならない。
「このデータは正規分布に近いか」を確認してから分析することが大切だ。
注意
・年収、売上などのデータは正規分布にならないことが多い。 ・このようなデータには中央値や対数変換(log)を使う方が適切である。
シュン
5. 計算式
正規分布は平均(μ)と標準偏差(σ)の2つのパラメータで決まる。
正規分布の確率密度関数
- : 平均値
- : 標準偏差
- : 自然対数の底(≈2.718)
実務で使う範囲の目安
6. まとめ
いちこ
まとめ
・正規分布は平均を中心に左右対称の釣り鐘型。自然界に広く現れる ・平均±2σの範囲に約95%のデータが収まる。この範囲が「普通」の目安 ・年収・売上など右に偏るデータは正規分布にならないことが多い。
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