フィッシャーの3原則
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この記事で扱う統計知識
フィッシャーの3原則とは ― 正しく比べるための実験の作法
1. この記事で学べること
いちこ
まとめ
・実験で条件を揃えることの重要性がわかる ・反復・無作為化・局所管理という3つの原則がわかる ・身近な「比較実験」の落とし穴に気づける
2. エピローグ
観葉植物を2鉢育てていた。
「水やりの頻度を変えたら、育ち方に差が出るか」を試してみたくなった。
1鉢は毎日水やり、もう1鉢は3日に1回。 1ヶ月後、毎日水やりした方が明らかに元気に育っていた。
「やっぱり毎日水やりした方がいいんだ」
そう結論づけかけたところで、ふと気づいた。
毎日水やりした鉢は窓際の日当たりの良い場所に、3日に1回の鉢は少し奥まった場所に置いていた。
育ち方の違いは、水やりの頻度のせいなのか、日当たりのせいなのか、もう分からなくなっていた。
シュン
筋トレの効果を試そうとしたときも、似たような失敗をした。
1週目はしっかりトレーニングメニューをこなした。 2週目は仕事が忙しく、ほとんどサボってしまった。
「1週目の方が調子が良かった気がする」
でも、1週目と2週目では、睡眠時間も、食事の内容も、体調も違っていた。 トレーニングの効果を正しく比べるには、それ以外の条件をできるだけ揃える必要があったのに、それができていなかった。
・観葉植物の水やり実験 ・筋トレの効果検証
2つに共通しているのは、 「比べたい条件以外の要因が紛れ込んで、正しい比較ができなくなっている」ということだ。
この「正しく比較するための実験の設計原則」が、フィッシャーの3原則だ。
3. フィッシャーの3原則とは何か
反復(replication)
同じ条件での実験を複数回繰り返すこと。1回だけの結果はたまたまかもしれないため、繰り返して確からしさを高める。
無作為化(randomization)
どの対象にどの条件を割り当てるかを、ランダムに決めること。植物の例なら、日当たりの良い場所・悪い場所への割り当てもランダムにすることで、偏りを防ぐ。
局所管理(local control)
比較したい条件(水やりの頻度)以外の要因(日当たり、土の質など)を、できるだけ揃えること。
ポイント
この3つの原則を守ることで、「本当に比べたい条件」以外の影響を減らし、結果の差を正しく解釈できるようになる。
4. 図で見る
観葉植物の実験を、原則を守らなかった場合と守った場合で比較してみる。
原則を守らなかった場合、水やり以外の要因(日当たり)も混ざって、差が大きく出すぎている。 局所管理を徹底し、日当たりの条件を揃えると、実際の水やり頻度による差はそれほど大きくないことが見えてくる。
シュン
ここで2つのことを覚えておいてほしい。
① 比べたい条件以外は、できるだけ揃える(局所管理) 日当たり、土の質、体調、食事内容など、比較の邪魔になる要因は事前にできるだけ統一しておく。
② 割り当てはランダムに(無作為化) どちらの条件を誰(何)に割り当てるかを無作為にすることで、意図しない偏りを防げる。
注意
1回きりの実験結果は、たまたまの可能性を否定できない。 反復して確かめることで、結果の信頼性が高まる。
5. まとめ
まとめ
・フィッシャーの3原則は「反復」「無作為化」「局所管理」の3つ ・比較したい条件以外の要因を揃えないと、正しい比較ができなくなる ・身近な「比較してみよう」という実験にも、この3原則の考え方は活かせる
いちこ
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