変動係数
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この記事で扱う統計知識
変動係数とは ― 規模の違うものを、同じものさしで比べる
1. この記事で学べること
いちこ
まとめ
・変動係数が何を表す指標かがわかる ・標準偏差だけでは比較できない場面があることがわかる ・規模の違うデータ同士を公平に比べる方法がわかる
2. エピローグ
家計簿アプリをつけ始めて数ヶ月がたった。
- 毎月の食費は、平均3万円でだいたい5千円くらいの範囲でばらついていた。
- 毎月の家賃は、平均8万円でだいたい1万円くらいの範囲でばらついていた(更新時期のズレなど)。
「食費と家賃、どっちが安定してるんだろう」
ふと気になって、標準偏差(ばらつきの大きさ)を比べてみようとした。
食費のばらつきは5千円、家賃のばらつきは1万円。
「家賃の方がばらついてるってこと?」
そう思いかけたが、よく考えると、そもそも食費と家賃は金額の規模が全然違う。 3万円に対する5千円と、8万円に対する1万円では、「相対的な揺れ幅」が同じとは限らない。
シュン
身長のばらつきと体重のばらつきを比べようとしたときも、同じ壁にぶつかった。
友人グループの身長は平均165cmでばらつきは5cm。 体重は平均58kgでばらつきは6kg。
「身長と体重、どっちが個人差が大きいんだろう」
単位も規模も違う数字を、そのまま比べることはできない。
・食費と家賃のばらつき ・身長と体重のばらつき
2つに共通しているのは、 「規模や単位が違うもの同士のばらつきを、公平に比べたい」ということだ。
この「規模の違いを揃えて比べる」ための指標が、変動係数だ。
3. 変動係数とは何か
変動係数とは、標準偏差を平均で割ることで、データの規模に関係なく「相対的なばらつきの大きさ」を表す指標だ。
- 標準偏差:データのばらつきの大きさ
- 平均:データの中心的な値
ポイント
変動係数は「平均に対してどれくらいばらついているか」を割合で表す。 単位や規模が異なるデータ同士でも、この割合なら公平に比較できる。
4. 図で見る
食費と家賃の変動係数を計算してみる。
標準偏差だけを見ると家賃の方が大きかったが、変動係数で見ると食費の方が「相対的には」ばらついていることがわかる。 平均に対する揺れ幅で見ると、印象が逆転した。
シュン
ここで2つのことを覚えておいてほしい。
① 標準偏差は単位・規模に依存する 金額の大きいデータほど標準偏差も大きくなりやすく、そのままでは規模の違うもの同士を比較できない。
② 変動係数は規模を揃えて比較できる 平均で割ることで、単位や規模が違っても「相対的なばらつき」を公平に比べられる。
注意
変動係数は、平均が0に近い、またはマイナスを含むデータでは計算が不安定になる。 金額や件数のように、必ずプラスの値を取るデータで使うのが基本。
5. まとめ
まとめ
・変動係数は、標準偏差を平均で割った「相対的なばらつき」を表す指標 ・規模や単位が異なるデータ同士でも、公平にばらつきを比較できる ・標準偏差だけで比較すると、規模の大きいデータが「ばらついて見える」錯覚に注意する
いちこ
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