ローレンツ曲線・ジニ係数
更新日:
この記事で扱う統計知識
ローレンツ曲線・ジニ係数とは ― 「偏り」を目で見て、数字にする
1. この記事で学べること
いちこ
まとめ
・ローレンツ曲線が何を表しているかがわかる ・ジニ係数が「偏りの大きさ」を数値化したものだとわかる ・平等・不平等をグラフと数字で捉える方法がわかる
2. エピローグ
友人グループ5人で、今月の交際費を出し合って集計したことがあった。
1人だけ3万円使っていて、残りの4人はそれぞれ5千円前後。
「ほぼ1人が全部使ってるようなものじゃん」
そう言われて、確かにそうだなと思った。 でも、「どれくらい偏っているか」を言葉にしようとすると、うまく表現できなかった。 「1人だけ多い」というのは分かるが、その偏り具合を人に伝える方法が思いつかなかった。
シュン
クラスのテストの点数を、上位者から並べてみたときも、似たような感覚があった。
上位20%の生徒が、クラス全体の得点合計のうちどれくらいを占めているのか気になった。
計算してみると、上位20%の生徒だけで、全体の合計点の35%くらいを占めていた。
「上位のごく一部が、点数の多くを持っていってる」という感覚を、数字と割合で表せた。
・友人グループの交際費 ・クラスのテストの点数
2つに共通しているのは、 「一部に偏っているという感覚を、目に見える形・数字で表したい」ということだ。
この「偏りを可視化し、数値化する」ための道具が、ローレンツ曲線とジニ係数だ。
3. ローレンツ曲線・ジニ係数とは何か
ローレンツ曲線とは
人数の累積割合(横軸)と、金額(や点数)の累積割合(縦軸)の関係を表した曲線だ。
もし全員が完全に平等(同じ金額)なら、この曲線は対角線(45度の直線)と一致する。 偏りが大きいほど、曲線は対角線から下に大きくたわむ。
ジニ係数とは
ローレンツ曲線が対角線からどれだけ離れているかを、0から1の数値で表したものだ。
まとめ
ジニ係数が0に近いほど「平等」、1に近いほど「偏りが大きい」ことを示す。 感覚的な「偏っている」を、比較可能な数値に変換できる。
4. 図で見る
交際費のデータで、ローレンツ曲線をイメージしてみる。
実際の曲線(オレンジ)は、完全平等の対角線(水色)から大きくたわんでいる。 これは、一部の人(最後の1人)が金額の多くを占めていることを表している。
このたわみの大きさを数値化したものが、ジニ係数だ。
シュン
ここで2つのことを覚えておいてほしい。
① ローレンツ曲線は「偏り」を視覚的に見せる 対角線からのたわみが大きいほど、一部への偏りが大きいことを表す。
② ジニ係数は「偏りの大きさ」を1つの数字にする 0(完全平等)から1(完全に一部への集中)の範囲で、偏りの度合いを比較できる。
注意
ジニ係数は「偏りの大きさ」を表すが、「なぜ偏っているか」の理由までは教えてくれない。 数値の背景にある事情も合わせて考える必要がある。
5. まとめ
まとめ
・ローレンツ曲線は、累積割合を使って偏りを視覚的に表す曲線 ・ジニ係数は、その偏りの大きさを0〜1の数値で表したもの ・数値が大きいほど、一部への偏り(不平等さ)が大きいことを示す
いちこ
理解度をチェックしよう
「ローレンツ曲線・ジニ係数」の3問クイズに挑戦