会計の決まりごとが覚えられない。なぜそうなったのかから入り直す論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 会計の決まりが頭に入らない
- 顧客の決算書を提案に使いたい
- 教養として押さえたい
−おすすめしない人
- 実務の処理を覚えたい
- すぐ使える分析手法が欲しい
著者について
田中靖浩
公認会計士
- 経歴
- 大学や企業で会計を教えてきた
- 実績
- 簿記や原価計算が生まれた事情を、500年の歴史として追った
目的
減価償却、のれん、原価計算。研修で習ったが、どれも「そういう決まり」として頭に入って、すぐ抜ける。
暗記が苦手なのではなく、何を解くために作られたかを知らない。本書を読む目的は、由来から掴み直すことにある。
論点1 どの仕組みも、困った誰かが解こうとした結果
本書は500年を追いながら、仕組みが生まれた事情を示す。
- 複式簿記 … 遠い相手と組むとき、誰がいくら出したかを決めたかった
- 株式会社 … 航海の失敗が重く、損を分け合いたかった
- 原価計算 … 工場で何に使ったか分からず、製品ごとに分けたかった
「そういう決まり」として覚えると使いどころが分からなくなる。由来が分かると、どの数字をいつ見るかが決まる。
いちこ
歴史を知ると、実務に効くんですか?
シュン
効くよ。何のための数字かが分かると、顧客の決算書でどこを見るかが変わるんだ。
論点2 「利益」は測り方の取り決め
航海ごとに清算していた時代、1年で区切るようになった時代、将来生む現金で評価する考え方。
利益は固定した事実ではなく、測り方の取り決めだ。ここが分かると、決算書の数字を絶対視しなくなる。
論点3 誰の関心で読むかで、見る場所が変わる
銀行は貸した金が返るかを見る。株主は増やしてくれるかを見る。取引先は来年も続くかを見る。
顧客の決算書を読むときも同じだ。提案で使うなら、相手の社内で誰を説得するのかを先に決める。
いちこ
決算書は、全部読まないといけないと思っていました。
シュン
全部読む人はいないよ。自分が何を知りたいかを決めてから開くんだ。
この本の限界と、次に読む本
読み物で、実務の手順はほとんど無い。この本だけでは決算書は読めるようにならない。3表のつながりなら ストーリーでわかる財務3表超入門、投資の判断なら ファイナンス思考 が隣に並ぶ。
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会計とファイナンスのほかの本
- ストーリーでわかる財務3表超入門 國貞克則
- ファイナンス思考 朝倉祐介