投資の提案が、いつも費用削減の議論に負ける。回収で語り直すための論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 投資の提案が通らない
- 稟議の相手が経営層
- 自社の方針に違和感がある
−おすすめしない人
- 会計の基礎から学びたい
- 財務モデルを作りたい
著者について
朝倉祐介
シニフィアン 共同代表
- 経歴
- マッキンゼー・アンド・カンパニー → ミクシィ 代表取締役社長 → シニフィアン 共同代表
- 実績
- 目先の利益を守る発想と、将来の価値を作る発想を対比して論じた
目的
来期に効く投資を提案した。「今期の数字が厳しい」と言われて見送られた。毎年これが繰り返される。
提案が弱いのではなく、今期を守る会話と将来を作る会話が混ざっている。本書を読む目的は、その2つを分けることにある。
論点1 守る発想と、作る発想
広告費を削り、採用を止め、新規投資を見送る。今期の数字は守れるが、来期の種が無くなる。
- 守る発想 … 今ある利益を減らさない
- 作る発想 … 今かける費用と、回収までの期間を置く
どちらが正しいかではない。混ざったまま議論すると、投資の話が削減の話に押し切られる。
いちこ
今期が厳しいと言われると、何も言えなくなります。
シュン
そこで同じ土俵に乗らないことなんだ。別の話をしていると示すところから始めるといいよ。
論点2 いつ回収するのかを先に置く
投資は最初に現金が出ていく。累計で見ると一度沈み、あるところで元が取れる。
いちばん苦しい時点だけを見て「赤字だからやめる」と決めると、回収点の手前で全部止まる。いつ回収するのかを先に置かないと、途中でやめる判断ばかりになる。
論点3 費用と呼ぶか、投資と呼ぶか
同じ金額でも審査のされ方が変わる。
- 費用 … 「年間300万かかります」。削減対象になり、安いほうが勝つ
- 投資 … 「年300万で、8か月で回収」。回収後の効果まで議論される
回収期間を書けるかどうかが分かれ目になる。効果を数字で示す手順は その施策、本当に効いたか に。
いちこ
提案書に回収期間を書いたことがありません。
シュン
書くと、相手の社内で稟議を通す人が使えるんだ。渡す材料が1つ増えるんだよ。
この本の限界と、次に読む本
経営の視点が中心で、営業の実務に直接の手順は無い。考え方を提案書に持ち込む読み方になる。会計の基礎なら ストーリーでわかる財務3表超入門、長期で積み上げる話なら ビジョナリー・カンパニー2 が隣に並ぶ。
Amazonで見る Amazonのアソシエイトとして、SaleStats Lab は適格販売により収入を得ています。
会計とファイナンスのほかの本
- ストーリーでわかる財務3表超入門 國貞克則
- 会計の世界史 田中靖浩