ビジョナリー・カンパニー2 の書影

ビジョナリー・カンパニー2

飛躍の法則

ジム・コリンズ

施策は毎年変えている。それでも積み上がらない。何を変えずに続けるかを考えるための論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 施策が毎年入れ替わる
  • 組織づくりの軸がほしい
  • 長期の視点を持ちたい

−おすすめしない人

  • 今期の数字を動かす手を探している
  • 小さな組織の運営に直接使いたい

著者について

ジム・コリンズ

独立研究者 / 元・スタンフォード大学経営大学院

経歴
スタンフォード大学経営大学院で教えたのち、独立した研究者として企業の長期業績を調査
実績
株価が市場平均を長期に上回った11社を抽出し、比較対象企業との違いを分析した

日経BP出版センター / 2001年12月

目的

毎年、新しい施策を打っている。研修も入れた。ツールも替えた。それでも去年と同じ場所にいる。

打ち手が弱いのではなく、続けたものが何もない。本書を読む目的は、長期に効くものと毎年入れ替わるものを見分けることにある。

論点1 何をするかより、誰とやるか

方針が先 戦略を決める それに合う人を集める 方針が変わると 全部入れ替えになる 人が先 誰と組むかを決める 何をするかを一緒に決める 方針が変わっても 同じ人で動ける 何をするかより、誰とやるかを先に決める
方針を決めてから人を集める順序と、人を選んでから方針を決める順序。

本書の調査から出てくるのが人の順序だ。方針を決めてから合う人を集めるのではなく、誰と組むかを先に決める。

  • 方針が先 … 方針が変わると全部入れ替えになる
  • 人が先 … 方針が変わっても同じ人で動ける

営業組織の文脈では、採用と配置が戦略より前に来るという話になる。施策が続かない原因が、担い手の入れ替わりにあることは多い。

いちこ

いちこ

戦略に合う人を採る、だと思っていました。
シュン

シュン

市場が動いたら戦略も動くからね。動いても残る人を先に選ぶ、という順序なんだ。

論点2 悪い事実が上に届いているか

悪い報告が上がらない 経営 … 順調に見える 途中で丸められる 現場 … 崩れている 期末に一気に発覚する 事実が上がる 悪い事実が、そのまま届く 責めずに聞く場がある 現場 … 崩れている 打ち手の時間が残る 現実を直視することと、希望を持つことは両立する 前向きさを求めると、悪い事実のほうが先に消える
悪い報告が途中で丸められる組織と、そのまま届く組織。

本書が挙げるのが、現実を直視したまま希望を持つという態度だ。前向きさを求めると、悪い事実のほうが先に消える。

  • 上がらない … 経営には順調に見え、期末に一気に発覚する
  • 上がる … 責めずに聞く場があり、打ち手の時間が残る

ヨミが甘く出る構造も同じところにある。較正の手順は ヨミ・着地見込みは当たっているか、場づくりは 恐れのない組織 が詳しい。

論点3 転機は、後から見えるもの

成果 時間 毎年、別の大改革を打つ 効いた一押しを繰り返す 最初の数年は、ほとんど違いが見えない ここで乗り換えると、ずっと下の線を進む 転機は後から見えるもので、狙って作るものではない
毎年別の大改革を打つ動きと、効いた一押しを繰り返す動き。

本書の弾み車の比喩は、最初の数年はほとんど違いが見えないという点に意味がある。

見えないあいだに乗り換えると、ずっと低い線を進むことになる。飛躍した企業に劇的な転機があったように見えるのは、後から振り返った結果でしかない。

いちこ

いちこ

効いているか分からない時期が、いちばんつらいです。
シュン

シュン

そこで変えたくなるんだよね。変えないと決めたものが何個あるかが、たぶん効くんだ。

この本の限界と、次に読む本

調査対象は大企業で、11社の抽出方法そのものに批判もある。断定の強さは割り引いて読むのが安全。短期の実務なら ハイアウトプット マネジメント、戦略の論理なら 良い戦略、悪い戦略 が隣に並ぶ。

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