施策は毎年変えている。それでも積み上がらない。何を変えずに続けるかを考えるための論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 施策が毎年入れ替わる
- 組織づくりの軸がほしい
- 長期の視点を持ちたい
−おすすめしない人
- 今期の数字を動かす手を探している
- 小さな組織の運営に直接使いたい
著者について
ジム・コリンズ
独立研究者 / 元・スタンフォード大学経営大学院
- 経歴
- スタンフォード大学経営大学院で教えたのち、独立した研究者として企業の長期業績を調査
- 実績
- 株価が市場平均を長期に上回った11社を抽出し、比較対象企業との違いを分析した
目的
毎年、新しい施策を打っている。研修も入れた。ツールも替えた。それでも去年と同じ場所にいる。
打ち手が弱いのではなく、続けたものが何もない。本書を読む目的は、長期に効くものと毎年入れ替わるものを見分けることにある。
論点1 何をするかより、誰とやるか
本書の調査から出てくるのが人の順序だ。方針を決めてから合う人を集めるのではなく、誰と組むかを先に決める。
- 方針が先 … 方針が変わると全部入れ替えになる
- 人が先 … 方針が変わっても同じ人で動ける
営業組織の文脈では、採用と配置が戦略より前に来るという話になる。施策が続かない原因が、担い手の入れ替わりにあることは多い。
いちこ
戦略に合う人を採る、だと思っていました。
シュン
市場が動いたら戦略も動くからね。動いても残る人を先に選ぶ、という順序なんだ。
論点2 悪い事実が上に届いているか
本書が挙げるのが、現実を直視したまま希望を持つという態度だ。前向きさを求めると、悪い事実のほうが先に消える。
- 上がらない … 経営には順調に見え、期末に一気に発覚する
- 上がる … 責めずに聞く場があり、打ち手の時間が残る
ヨミが甘く出る構造も同じところにある。較正の手順は ヨミ・着地見込みは当たっているか、場づくりは 恐れのない組織 が詳しい。
論点3 転機は、後から見えるもの
本書の弾み車の比喩は、最初の数年はほとんど違いが見えないという点に意味がある。
見えないあいだに乗り換えると、ずっと低い線を進むことになる。飛躍した企業に劇的な転機があったように見えるのは、後から振り返った結果でしかない。
いちこ
効いているか分からない時期が、いちばんつらいです。
シュン
そこで変えたくなるんだよね。変えないと決めたものが何個あるかが、たぶん効くんだ。
この本の限界と、次に読む本
調査対象は大企業で、11社の抽出方法そのものに批判もある。断定の強さは割り引いて読むのが安全。短期の実務なら ハイアウトプット マネジメント、戦略の論理なら 良い戦略、悪い戦略 が隣に並ぶ。
Amazonで見る Amazonのアソシエイトとして、SaleStats Lab は適格販売により収入を得ています。
事業の転換点のほかの本
- イノベーションのジレンマ クレイトン・クリステンセン
- 両利きの経営 チャールズ・A・オライリー・マイケル・L・タッシュマン
- キャズム ジェフリー・ムーア
- 新規事業の実践論 麻生要一