新規事業の実践論 の書影

新規事業の実践論

麻生要一

企画書は通った。それでも事業にならない。社内で磨くのをやめて顧客に当てる論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 社内の新規事業に関わる
  • 企画が顧客に当たらないまま進む
  • 新商材の立ち上げを担当する

−おすすめしない人

  • 独立起業の話が読みたい
  • 既存事業の改善だけを扱う

著者について

麻生要一

アルファドライブ 創業者

経歴
リクルートで新規事業開発室長として社内の新規事業プログラムを統括 → アルファドライブを創業
実績
1500件を超える社内新規事業に関わった経験から執筆

NewsPicksパブリッシング / 2019年12月

目的

新規事業の企画を任された。資料を作り、役員に説明し、修正を重ねた。半年経って、まだ顧客に会っていない。

企画が弱いのではなく、社内の論理に最適化されている。本書を読む目的は、顧客に当てる工程を先に置くことにある。

論点1 社内で磨いた企画書は、社内に最適化されていく

アイデア企画書顧客に当てる事業化 企画書の精度を上げ続ける ここで止まる 早く顧客に当てて、言われたことで直す ここを通った企画だけが残る 社内で磨いた企画書は、社内の論理に最適化されていく
社内新規事業が止まりやすい工程。

本書が1500件超の社内新規事業から取り出すのは、止まる場所の共通性だ。

  • 企画書の精度を上げ続ける … ここで止まる
  • 早く顧客に当てて、言われたことで直す … この工程を通った企画だけが残る

役員の指摘に答えるほど、企画は社内の論理で整っていく。顧客に当てていない限り、それは確からしさではない。

いちこ

いちこ

粗い状態で顧客に見せるのは、失礼ではないですか。
シュン

シュン

買ってくださいと言うわけじゃないからね。「こういう困りごとありますか」なら、むしろ喜ばれることが多いよ。

論点2 最初の数回は、ほぼ必ず響かない

確からしさ 顧客に当てた回数 ここで諦める人が多い 最初の数回は、ほぼ必ず響かない。そこを織り込んでおく
顧客に当てた回数と、企画の確からしさ。

当てた回数が増えるほど確からしさは上がるが、最初の数回はほぼ必ず響かない。

そこで「筋が悪い」と判断して諦める人が多い。織り込んでおけば、最初の空振りは想定内になる。

顧客に3回当てて響かなかったからやめた企画があるなら、回数が足りていないだけの可能性がある。

論点3 使える資産を数えてから、市場を選ぶ

市場の新しさ 既存の資産が使えるか 新しい市場 / 資産も使えない 大企業でやる意味が薄い 新しい市場 / 資産が使える ここを狙う 既存市場 / 資産も使えない 既存事業の延長 顧客基盤・ブランド・人材。使える資産を数えてから市場を選ぶ
市場の新しさと、既存の資産が使えるかの二軸。

新しい市場で、かつ既存の資産も使えないなら、大企業でやる意味が薄い。

  • 顧客基盤・ブランド・人材 … 何が使えるかを先に数える
  • 新しい市場 × 資産が使える … ここを狙う

組織としての構えは 両利きの経営 のほうが詳しい。

いちこ

いちこ

既存の資産を使うと、新しくない気がします。
シュン

シュン

市場が新しければいいんだ。むしろ資産を使わないと、スタートアップと同じ条件で戦うことになるよ。

この本の限界と、次に読む本

大企業の社内新規事業が前提で、起業の話ではない。裁量や資産が無い環境では使いにくい部分がある。組織の設計なら 両利きの経営、買わない層の見方なら “未”顧客理解 が隣に並ぶ。

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