企画書は通った。それでも事業にならない。社内で磨くのをやめて顧客に当てる論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 社内の新規事業に関わる
- 企画が顧客に当たらないまま進む
- 新商材の立ち上げを担当する
−おすすめしない人
- 独立起業の話が読みたい
- 既存事業の改善だけを扱う
著者について
麻生要一
アルファドライブ 創業者
- 経歴
- リクルートで新規事業開発室長として社内の新規事業プログラムを統括 → アルファドライブを創業
- 実績
- 1500件を超える社内新規事業に関わった経験から執筆
目的
新規事業の企画を任された。資料を作り、役員に説明し、修正を重ねた。半年経って、まだ顧客に会っていない。
企画が弱いのではなく、社内の論理に最適化されている。本書を読む目的は、顧客に当てる工程を先に置くことにある。
論点1 社内で磨いた企画書は、社内に最適化されていく
本書が1500件超の社内新規事業から取り出すのは、止まる場所の共通性だ。
- 企画書の精度を上げ続ける … ここで止まる
- 早く顧客に当てて、言われたことで直す … この工程を通った企画だけが残る
役員の指摘に答えるほど、企画は社内の論理で整っていく。顧客に当てていない限り、それは確からしさではない。
いちこ
粗い状態で顧客に見せるのは、失礼ではないですか。
シュン
買ってくださいと言うわけじゃないからね。「こういう困りごとありますか」なら、むしろ喜ばれることが多いよ。
論点2 最初の数回は、ほぼ必ず響かない
当てた回数が増えるほど確からしさは上がるが、最初の数回はほぼ必ず響かない。
そこで「筋が悪い」と判断して諦める人が多い。織り込んでおけば、最初の空振りは想定内になる。
顧客に3回当てて響かなかったからやめた企画があるなら、回数が足りていないだけの可能性がある。
論点3 使える資産を数えてから、市場を選ぶ
新しい市場で、かつ既存の資産も使えないなら、大企業でやる意味が薄い。
- 顧客基盤・ブランド・人材 … 何が使えるかを先に数える
- 新しい市場 × 資産が使える … ここを狙う
組織としての構えは 両利きの経営 のほうが詳しい。
いちこ
既存の資産を使うと、新しくない気がします。
シュン
市場が新しければいいんだ。むしろ資産を使わないと、スタートアップと同じ条件で戦うことになるよ。
この本の限界と、次に読む本
大企業の社内新規事業が前提で、起業の話ではない。裁量や資産が無い環境では使いにくい部分がある。組織の設計なら 両利きの経営、買わない層の見方なら “未”顧客理解 が隣に並ぶ。
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事業の転換点のほかの本
- イノベーションのジレンマ クレイトン・クリステンセン
- ビジョナリー・カンパニー2 ジム・コリンズ
- 両利きの経営 チャールズ・A・オライリー・マイケル・L・タッシュマン
- キャズム ジェフリー・ムーア