“未”顧客理解 の書影

“未”顧客理解

なぜ「買ってくれる人=顧客」しか見ないのか?

芹澤連

顧客の声は集めている。それでも新しい層に届かない。買っていない人を見るための論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 既存顧客の声しか集まっていない
  • 新規が伸び悩んでいる
  • 調査結果が施策に繋がらない

−おすすめしない人

  • 大型案件の個別攻略が知りたい
  • 調査の実装手順が欲しい

著者について

芹澤連

コレクシア 執行役員

経歴
消費者調査とマーケティング戦略の実務に携わってきた
実績
海外のマーケティング・サイエンスの研究を下敷きに、買っていない層の見方を整理した

日経BP / 2022年6月

目的

顧客アンケートも、インタビューもやっている。満足度も悪くない。それでも新規が伸びない。

調査が足りないのではなく、買ってくれた人にしか聞いていない。本書を読む目的は、買っていない層の合理を知ることにある。

論点1 既存顧客に聞くと、既存顧客向けの改善案しか出ない

既存 顧客 買っていない層 検討した層 / 知らない層 / 必要ないと思っている層 ここだけに聞いている 既存顧客への調査からは、既存顧客向けの改善案しか出ない
市場の大半は買っていない層。

市場の中で自社を買っている層はごく一部だ。残りは検討した層、知らない層、必要ないと思っている層になる。

聞いている相手が偏っている限り、出てくるのは今の商材の改善案だけになる。

いちこ

いちこ

買ってくれた方の声が一番参考になると思っていました。
シュン

シュン

深掘りには効くんだよ。ただ広げるときは、買わなかった人のほうに答えがあるんだ。

論点2 買わない人は、別の合理で動いている

売り手の見立て 買わない人の事情 価値が伝わっていない 伝わっているが、今は要らない 比較して負けている そもそも比較の土俵にいない 予算が無い 別のことに使うと決まっている 買わない人は不合理なのではなく、別の合理で動いている その合理を知らないと、打ち手は全部「説明を増やす」になる
売り手の見立てと、買わない人の事情。

本書が崩すのは、買わない理由を売り手が勝手に決めている構図だ。

  • 「価値が伝わっていない」 … 実際は伝わっているが今は要らない
  • 「比較して負けている」 … そもそも比較の土俵にいない
  • 「予算が無い」 … 別のことに使うと決まっている

その合理を知らないと、打ち手は全部「説明を増やす」になる。

論点3 思い出してもらえる場面を増やす

機能から考える この機能が優れている 誰に効くのか曖昧 広告を増やす話になる 場面から考える どんな時に思い出すか 期初の予算組みの時期 当てる時期が決まる 思い出してもらえる場面を増やすほうが、説明を増やすより効く
機能から考える場合と、使われる場面から考える場合。

「この機能が優れている」から入ると、誰に効くのか曖昧なまま広告を増やす話になる。

本書が勧めるのは、どんな時に思い出すかから逆算することだ。期初の予算組みの時期、担当者が替わった時。場面が決まれば、当てる時期も決まる。

いちこ

いちこ

いつ当てるか、まで考えていませんでした。
シュン

シュン

同じ提案でも、タイミングで通り方が変わるからね。場面を押さえると当てる先も決まるんだ。

この本の限界と、次に読む本

消費財の事例が中心で、BtoBにそのまま当てはまらない部分がある。考え方を翻訳して読む必要がある。一人を深く掘る手順なら 実践 顧客起点マーケティング、顧客が片づけたいことから入るなら ジョブ理論 が隣に並ぶ。

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