初期の評判は良かった。そこから広がらない。買う理由が入れ替わる地点を扱う論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 初期の手応えから先が伸びない
- 新商材の立ち上げを担当する
- 業界を絞るか迷っている
−おすすめしない人
- 成熟した商材だけを扱う
- すぐ使える商談技術が欲しい
著者について
ジェフリー・ムーア
ハイテク企業向けコンサルタント
- 経歴
- 新商品が初期市場から主流市場へ移る過程を長年研究してきた
- 実績
- その断絶を「キャズム」と名付けた原典にあたる
目的
最初の数社は喜んで導入してくれた。事例も作った。それなのに、そこから先の商談が進まない。
売り方が悪くなったのではなく、相手が入れ替わった。本書を読む目的は、その断絶に名前をつけて備えることにある。
論点1 初期の好評は、そのまま広がらない
本書の中心は、初期市場と主流市場の間にある溝だ。
- 初期市場 … 新しさ自体が価値
- 主流市場 … 失敗しないことが価値
この2つは連続していない。初期の手応えを根拠に計画を立てると、溝の手前で止まる。
いちこ
最初に売れたなら、同じやり方でいけそうに思えます。
シュン
そこが罠なんだよね。最初に買った人は「新しいから」買ってるから、次の人とは理由が違うんだ。
論点2 「革新性」の次は「安心」で選ばれる
初期の顧客は多少の不便を自分で埋め、前例が無くても決められる。次の層は他社の導入実績を見て、社内に説明できる理由を探す。
同じ売り方では届かない。事例の見せ方も、保証の作り方も、別物になる。
論点3 数より、どの範囲で濃く取ったか
業界をまたいで広く取ると、どの業界でも「初導入」のままになる。
1つの業界に集中すれば「同業の3社が使っている」と言える。主流の層が欲しいのは、自分と同じ立場の導入実績だ。
今の導入社数を業界で分けてみる。どこにも3社以上固まっていないなら、分散しすぎている可能性がある。
いちこ
業界を絞ると、機会が減る気がします。
シュン
短期は減るね。ただ絞らないと「初めての導入」を毎回説得することになるんだ。
この本の限界と、次に読む本
事例が1990年代のIT企業中心で古い。構図だけを取る読み方になる。破壊の構図なら イノベーションのジレンマ、組織としての備えなら 両利きの経営 が隣に並ぶ。
Amazonで見る Amazonのアソシエイトとして、SaleStats Lab は適格販売により収入を得ています。
事業の転換点のほかの本
- イノベーションのジレンマ クレイトン・クリステンセン
- ビジョナリー・カンパニー2 ジム・コリンズ
- 両利きの経営 チャールズ・A・オライリー・マイケル・L・タッシュマン
- 新規事業の実践論 麻生要一