HIGH OUTPUT MANAGEMENT の書影

HIGH OUTPUT MANAGEMENT

人を育て、成果を最大にするマネジメント

アンドリュー・S・グローブ

マネージャーの成果は、自分がどれだけ働いたかではない。何に時間を置くかで決まる。本書が解いている論点を3つに絞って紹介する。

✓お勧めする人

  • プレイングマネージャーで手が回らない
  • 初めて人を持った
  • 時間の使い方を見直したい

−おすすめしない人

  • 営業特有の手法を探している
  • 最新の事例を求めている

著者について

アンドリュー・S・グローブ

元・インテル CEO

経歴
インテルの創業期から経営に関わり、CEOを務めた
実績
同社の運営手法を体系化し、のちのOKRの源流となった

日経BP社 / 2017年1月

目的

一日中ミーティングに出て、合間に自分の案件も回して、気づけば定時を過ぎている。忙しいのに、チームの数字は去年と変わらない。

働き方の問題ではなく、何を自分の成果と考えるかがずれている。本書を読む目的は、マネージャーの仕事の定義をやり直すことにある。

論点1 マネージャーの成果は、自分の作業量ではない

自分のチームの成果 メンバーが出した数字の合計 + 自分が影響を与えた周囲の成果 他部署との調整、採用、仕組みづくり マネージャーのアウトプット = 自分が何時間働いたかは、この式のどこにも入らない
自分のチームの成果と、自分が影響を与えた周囲の成果の合計。

本書は冒頭で、マネージャーのアウトプットを定義する。自分のチームが出した成果と、自分が影響を与えた他の組織の成果の合計だ、と。

この式に「自分が何時間働いたか」は入っていない。自分で案件を処理した時間は、チームの成果になっていなければ数えられない。

  • 自分で商談を巻き取って受注した → 1件ぶん
  • つまずきの型をメンバー5人に直した → その後ずっと効く
いちこ

いちこ

プレイヤーのときの感覚が抜けないんですよね。
シュン

シュン

自分で売ったほうが早いからね。でもそれを続けると、チームは去年のままなんだ。

論点2 同じ1時間でも、効き方が違う

同じ1時間を、何に使うか 自分で案件を処理する メンバーの提案を1件レビューする つまずきの型を1on1で直す 誰を採用するかを決める 小さい 大きい 忙しさではなく、効き方の大きい順に時間を置く
行動によって、その1時間が成果に効く度合いは大きく変わる。

本書の中心概念がレバレッジだ。同じ時間を使っても、影響する範囲と持続する期間が違う。

自分で1件処理すれば1件ぶん。だが採用の判断は、その後の何年ぶんもの成果を左右する。だから時間配分は、忙しさではなく効き方の大きさで決める。

今週の予定を見て、それぞれに「これは何人ぶん・何か月ぶんに効くか」を書き添えてみる。効きの小さい予定が埋め尽くしていないか。

論点3 相手の習熟度で、関わり方を変える

その仕事に不慣れ その仕事に習熟 具体的に指示する 一緒に考える 任せて、結果だけ見る 同じ人でも、仕事が変われば位置が戻る。人ではなく仕事ごとに見る
同じ人でも、仕事が変われば必要な関わり方は戻る。

任せるか、細かく指示するか。本書はこれを性格や方針ではなく、その仕事への習熟度で決めるべきだとする。

  • 不慣れ … 具体的に指示する。任せると事故になる
  • 慣れてきた … 一緒に考える
  • 習熟 … 任せて、結果だけ見る

重要なのは、これが人ではなく仕事ごとだという点だ。優秀なメンバーでも、初めて担当する領域では位置が戻る。一律に「任せる方針」を取ると、そこで事故が起きる。

誰がどの段階かを感覚で決めないためには、成果のばらつきを見るのが早い(分散・標準偏差)。評価の順序は メンバーをどう評価するか に。

いちこ

いちこ

「あの人はできる人」で判断していました。
シュン

シュン

人に貼るラベルじゃなくて、仕事ごとの現在地なんだ。そう見ると任せ方を間違えにくいよ。

この本の限界と、次に読む本

1983年の著作で事例は製造業が中心だが、扱っているのは職種に依存しない原理である。営業組織の作り方そのものは、福田康隆『THE MODEL』や山下貴宏『セールス・イネーブルメント』のほうが直接的だ。

Amazonで見る Amazonのアソシエイトとして、SaleStats Lab は適格販売により収入を得ています。

マネージャーの役割のほかの本