聞かれたら答えている。それなのに部下が育たない。答えではなく問いを渡すための論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 同じ相談が繰り返される
- チームの一体感が薄い
- 言いにくいことを溜めている
−おすすめしない人
- 制度や評価の設計をしたい
- 体系的な理論が欲しい
著者について
エリック・シュミット・ジョナサン・ローゼンバーグ・アラン・イーグル
元・Google CEO / 元・同社プロダクト責任者
- 経歴
- シュミットは元Google CEO、ローゼンバーグは元同社プロダクト責任者
- 実績
- GoogleやアップルのCEOを指導したビル・キャンベルから受けた助言を記録した
目的
相談されたら答えている。判断も早い。それなのに、同じ相談が何度も来る。
教え方が悪いのではなく、答えを渡しているから判断が育たない。本書を読む目的は、問いを渡す側に立ち方を変えることにある。
論点1 正しい答えより、相手に言わせる
本書に出てくるビル・キャンベルの進め方は、結論を言わないことに貫かれている。
- 答えを渡す … その通りに動くが、次も聞きに来る
- 問いを渡す … 自分で言葉にする。次は自分で決める
「何が気になる?」から始めると、相手が課題を自分の言葉にする。そこを通ったものだけが、次の判断の材料になる。
いちこ
答えが分かっているのに言わないのは、もどかしくないですか。
シュン
もどかしいよ。でも言うと、次も自分が決めることになるんだ。
論点2 個人の課題に見えるものは、チームの不揃い
本書が繰り返すのは、個別の相談に答える前にチームを見ろという順序だ。
- 個別に調整 … 同じ話を3回して、それでも齟齬が残る
- 先に揃える … 何を目指すかを全員で合わせてから個別に入る
メンバーごとに違う説明をしていると、不揃いが個人の問題に見えてくる。順序を変えるだけで消える相談は多い。
論点3 厳しさと親しさは両立する
言いにくいことを評価面談まで持ち越すと、その間、本人は問題を知らないまま働いている。
本書の立場では、遅らせることだけが残酷になる。早く言えば直す時間が残り、評価の場に持ち込まなくて済む。伝え方の設計は フィードバック入門 のほうが手順に詳しい。
いちこ
関係を壊したくなくて、黙ってしまいます。
シュン
黙るほうが壊れるんだよね。相手は後で「なぜ早く言ってくれなかったのか」と思うから。
この本の限界と、次に読む本
一人の人物への追悼という性格が強く、逸話が中心で手順書ではない。対話の型なら ヤフーの1on1、場の安全性の理論なら 恐れのない組織、短期の運用なら ハイアウトプット マネジメント が隣に並ぶ。
Amazonで見る Amazonのアソシエイトとして、SaleStats Lab は適格販売により収入を得ています。
チームの土壌のほかの本
- 他者と働く 宇田川元一
- 恐れのない組織 エイミー・C・エドモンドソン
- 心理的安全性のつくりかた 石井遼介
- 学習する組織 ピーター・M・センゲ
- ティール組織 フレデリック・ラルー
- THE CULTURE CODE ダニエル・コイル