心理的安全性という言葉は知っている。何をすればいいかを具体に落とす論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 心理的安全性を具体に落としたい
- 悪い報告が上がってこない
- 日本のチームで使いたい
−おすすめしない人
- 理論の背景から学びたい
- 評価制度を設計したい
著者について
石井遼介
ZENTech 取締役
- 経歴
- 日本の組織を対象に心理的安全性の測定と改善を研究してきた
- 実績
- 日本のチームに合わせて4つの因子として整理した
目的
心理的安全性が大事だと聞いた。雰囲気を良くしようとした。だが会議の沈黙は変わらない。
仲の良さの問題ではなく、何が言える状態なのかを定義していない。本書を読む目的は、測れる形に分解することにある。
論点1 「仲が良い」ではなく、4つが言えるか
- 話しやすさ … わからないと言える
- 助け合い … 手伝ってと言える
- 挑戦 … やってみたいと言える
- 新奇歓迎 … 違う意見が歓迎される
自分のチームでどれが欠けているかを1つ選ぶところから始める。全部を一度に上げようとすると手がつかない。
いちこ
うちは仲はいいと思うんですが。
シュン
仲の良さと、悪い報告が上がることは別なんだよね。4つで見ると、どこが弱いか分かるよ。
論点2 発言の直後に、こちらが何を返すか
問題を報告したときに「なぜ早く言わない」と返せば、次は報告が遅れる。
「早めに助かった」と返せば、次も早く上がる。安全性は理念ではなく、直後の反応の積み重ねで決まる。一度の反応が、その後の数か月の報告量を変える。
論点3 同じことを知りたいのに、聞き方で出る情報が変わる
- 「なぜできなかった?」 → 「何があると進みそう?」
- 「誰のミス?」 → 「どこで止まった?」
- 「他に質問は?」 → 「気になっている点を1つだけ」
左は人を探す質問、右は原因を探す質問になっている。伝え方の設計は フィードバック入門 が詳しい。
いちこ
つい「なぜ」と聞いてしまいます。
シュン
自然だよね。ただ「なぜ」は人に向かいやすいんだ。「どこで」にすると場所の話になるよ。
この本の限界と、次に読む本
行動分析の用語が多く、読み進めるのに負荷がある。理論の背景は 恐れのない組織 が原典にあたる。日本のチームへの落とし込みは本書のほうが具体的になる。
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