指摘すると空気が悪くなる。言わずに期末を迎える。耳の痛い話を機能させるための論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 言いにくいことを言えずにいる
- 指摘が毎回ぶつかる
- 初めて部下を持った
−おすすめしない人
- 対話で引き出す側だけを学びたい
- 評価制度そのものを設計したい
著者について
中原淳
立教大学経営学部 教授
- 経歴
- 企業における人材開発・組織開発を専門に実証研究を行ってきた
- 実績
- 企業のマネージャー調査と研修の知見をもとに執筆
目的
伝えるべきことがある。だが言えば関係が悪くなる気がして、結局言わないまま期末を迎える。
やさしさの問題ではなく、伝えたあとの設計がないことが原因になっている。本書を読む目的は、言いにくい話を関係を壊さずに機能させる手順を持つことにある。
論点1 伝えるのは前半、変わるのは後半
本書はフィードバックを2つに分ける。起きていることを鏡のように返す情報通知と、本人に考えさせて次を決める立て直しだ。
- 情報通知で終わる … ただ詰めた面談になる
- 立て直しだけ先に来る … 本人に問題の認識がないまま励ます形になる
きつい面談になるのは、前半だけで終わっているときが多い。後半まで含めて1セットとして見ると、何が足りないかが分かる。
いちこ
伝えたあとは本人に任せていました。
シュン
そこが本体なんだよ。伝えるところまでは準備で、動くのはその後なんだ。
論点2 伝え方より、その前の準備
耳の痛い話が通るかどうかは、言い方の工夫よりも事実が揃っているかで決まる。「最近、姿勢がよくない」では、いつの話か分からないので反論される。
- 状況 … いつ、どの場面で
- 行動 … 何をした、何をしなかった
- 影響 … 誰に、何が起きたか
この3つを書けるだけ集めてから面談に入る。集まらないなら、それはまだ伝える段階ではない。
面談の前に、この3点を箇条書きで3行だけ書き出す。書けない項目があれば、観察が足りていない。
論点3 次の日付を決めずに終えない
本書が重く扱うのが、面談のあとだ。伝えて終わった面談は、伝える前と同じ状態に戻る。本人の意志の問題ではなく、戻るのが普通だという前提で設計する。
- 2週間後 … できた点を拾う
- 1か月後 … 残りを詰め直す
評価の場で数字をどう見せるかは メンバーをどう評価するか に整理がある。
いちこ
一度言えば伝わる、ではないんですね。
シュン
一度で変わるなら誰も苦労しないよ。だから日付を先に置いておくんだ。
この本の限界と、次に読む本
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