モチベーション3.0 の書影

モチベーション3.0

持続する「やる気!」をいかに引き出すか

ダニエル・ピンク

インセンティブを厚くした。それでも工夫が出ない。報酬の先を考える論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • インセンティブを厚くしても変わらない
  • 制度を触れない立場で手を打ちたい
  • 育成の軸がほしい

−おすすめしない人

  • 報酬制度を具体的に設計したい
  • 日本企業の事例が欲しい

著者について

ダニエル・ピンク

著述家 / 元・副大統領首席スピーチライター

経歴
アル・ゴア副大統領の首席スピーチライターを経て著述家に
実績
心理学の研究を引き、金銭的報酬が効く仕事と効かない仕事の違いを論じた

講談社 / 2015年11月(文庫版)

目的

成果連動の比率を上げた。件数は少し増えた。だが提案の工夫は増えず、期末の押し込みだけが目立つ。

金額が足りないのではなく、報酬が効く種類の仕事ではない。本書を読む目的は、報酬の先にあるものを知ることにある。

論点1 報酬は不満を消すが、工夫を生むとは限らない

手順が決まった作業 報酬を上げると成果も上がる 考える仕事 ある水準から、逆に下がることがある 報酬は不満を消すが、工夫を生むとは限らない まず報酬を不公平でない水準にし、その先は別の要素で考える
手順が決まった作業と、考える仕事で報酬の効き方が違う。

手順が決まった作業なら、報酬を上げると成果も上がる。だが考える仕事では、ある水準から逆に下がることがある。

まず報酬を不公平でない水準にする。その先は別の要素で考える必要がある。

いちこ

いちこ

報酬が関係ないということですか?
シュン

シュン

そうじゃないんだ。低すぎると不満になる。ただ上げ続けても工夫は増えないという話だね。

論点2 報酬の先にある3つ

自律性 進め方を自分で決められる 営業なら … 当てる順番を任せる 熟達 上達している実感がある 営業なら … 勝ち筋を言語化して返す 目的 何のためかが見える 営業なら … 顧客側で起きた変化を伝える 報酬の先にあるのは、この3つ どれも制度変更なしで、今日から渡せるものになっている
自律性・熟達・目的を、営業の場面に置き換える。
  • 自律性 … 進め方を自分で決められる。当てる順番を任せる
  • 熟達 … 上達している実感がある。勝ち筋を言語化して返す
  • 目的 … 何のためかが見える。顧客側で起きた変化を伝える

どれも制度変更なしで、今日から渡せるものになっている。

論点3 強く結びつけるほど、最短距離が選ばれる

成果連動の比率 長期の成果 期末の押し込み / 無理な値引き 数字は出るが、翌期に返ってくる 報酬を強く結びつけるほど、最短距離が選ばれる
成果連動の比率が高すぎると、近道が選ばれる。

成果連動を強めると、期末の押し込みや無理な値引きが増える。数字は出るが、翌期に返ってくる。

評価と報酬の設計は ワーク・ルールズ!、目標を評価から切り離す考え方は OKR に。

いちこ

いちこ

インセンティブは分かりやすくていいと思っていました。
シュン

シュン

分かりやすいよ。分かりやすいから、最短距離も見つけやすいんだよね。

この本の限界と、次に読む本

2009年の原著で、根拠にしている心理学の研究には再現性への批判もある。断定の強さは割り引いて読む。進捗と感情の関係なら マネジャーの最も大切な仕事、制度の設計なら ワーク・ルールズ! が隣に並ぶ。

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