インセンティブを厚くした。それでも工夫が出ない。報酬の先を考える論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- インセンティブを厚くしても変わらない
- 制度を触れない立場で手を打ちたい
- 育成の軸がほしい
−おすすめしない人
- 報酬制度を具体的に設計したい
- 日本企業の事例が欲しい
著者について
ダニエル・ピンク
著述家 / 元・副大統領首席スピーチライター
- 経歴
- アル・ゴア副大統領の首席スピーチライターを経て著述家に
- 実績
- 心理学の研究を引き、金銭的報酬が効く仕事と効かない仕事の違いを論じた
目的
成果連動の比率を上げた。件数は少し増えた。だが提案の工夫は増えず、期末の押し込みだけが目立つ。
金額が足りないのではなく、報酬が効く種類の仕事ではない。本書を読む目的は、報酬の先にあるものを知ることにある。
論点1 報酬は不満を消すが、工夫を生むとは限らない
手順が決まった作業なら、報酬を上げると成果も上がる。だが考える仕事では、ある水準から逆に下がることがある。
まず報酬を不公平でない水準にする。その先は別の要素で考える必要がある。
いちこ
報酬が関係ないということですか?
シュン
そうじゃないんだ。低すぎると不満になる。ただ上げ続けても工夫は増えないという話だね。
論点2 報酬の先にある3つ
- 自律性 … 進め方を自分で決められる。当てる順番を任せる
- 熟達 … 上達している実感がある。勝ち筋を言語化して返す
- 目的 … 何のためかが見える。顧客側で起きた変化を伝える
どれも制度変更なしで、今日から渡せるものになっている。
論点3 強く結びつけるほど、最短距離が選ばれる
成果連動を強めると、期末の押し込みや無理な値引きが増える。数字は出るが、翌期に返ってくる。
評価と報酬の設計は ワーク・ルールズ!、目標を評価から切り離す考え方は OKR に。
いちこ
インセンティブは分かりやすくていいと思っていました。
シュン
分かりやすいよ。分かりやすいから、最短距離も見つけやすいんだよね。
この本の限界と、次に読む本
2009年の原著で、根拠にしている心理学の研究には再現性への批判もある。断定の強さは割り引いて読む。進捗と感情の関係なら マネジャーの最も大切な仕事、制度の設計なら ワーク・ルールズ! が隣に並ぶ。
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育成とフィードバックのほかの本
- フィードバック入門 中原淳
- マネジャーの最も大切な仕事 テレサ・アマビール・スティーブン・クレイマー
- チームが機能するとはどういうことか エイミー・C・エドモンドソン