チームが機能するとはどういうことか の書影

チームが機能するとはどういうことか

「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ

エイミー・C・エドモンドソン

案件ごとに顔ぶれが変わる。時間をかけずに噛み合わせる論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 案件ごとにチームが変わる
  • 部門をまたぐ仕事が多い
  • 失敗の扱い方を変えたい

−おすすめしない人

  • 固定したチームの運営が中心
  • 短く読みたい

著者について

エイミー・C・エドモンドソン

ハーバード・ビジネス・スクール 教授

経歴
組織行動学を専門とし、チームの学習と心理的安全性を研究してきた
実績
固定したチームではなく、都度組み替わる協働を研究対象にした

英治出版 / 2014年5月

目的

案件ごとに営業・技術・CSの顔ぶれが変わる。そのうち分かり合えると思っていたら、案件が終わっていた。

関係づくりが下手なのではなく、時間をかけて馴染む前提が成立していない。本書を読む目的は、都度組み替わる協働を扱うことにある。

論点1 「そのうち分かり合える」が成立しない

固定したチーム 時間をかけて関係ができる 都度組み替わる 毎回ゼロから噛み合わせる必要がある 案件ごとに顔ぶれが変わるなら、関係は毎回作り直す 「そのうち分かり合える」は、その時間が無い前提では成立しない
固定したチームと、都度組み替わるチーム。

固定したチームなら時間をかけて関係ができる。だが案件ごとに顔ぶれが変わるなら、毎回ゼロから噛み合わせることになる。

本書がチームを状態ではなく動詞として扱うのは、この前提の違いからだ。最初の30分で何を揃えるかが効く。

いちこ

いちこ

毎回自己紹介から始めるんですか?
シュン

シュン

自己紹介より、何を知っている人なのかを言うほうが効くね。誰に何を聞けばいいかが分かるから。

論点2 失敗を3つに分ける

防げた失敗 手順を守らなかった 手順の側を直す 避けられない失敗 想定外のことが起きた 早く気づく仕組みを作る 試した結果の失敗 新しいことをやってみた 歓迎する 全部を同じ顔で叱ると、3つ目が出てこなくなる 「失敗を許容する」ではなく、どの失敗かを分けて扱う
失敗を、防げたもの・避けられないもの・試した結果に分ける。
  • 防げた失敗 … 手順を守らなかった → 手順の側を直す
  • 避けられない失敗 … 想定外 → 早く気づく仕組みを作る
  • 試した結果の失敗 … 新しいことをやってみた → 歓迎する

全部を同じ顔で叱ると、3つ目が出てこなくなる。「失敗を許容する」ではなく、分けて扱う。

論点3 上が先に意見を言うと、選択肢が消える

上がる情報量 立場の差 差を縮める工夫: 先に意見を聞く / 名前で呼ぶ 自分の意見を最後に言う 上が先に意見を言うと、その時点で他の選択肢が消える
立場の差が大きいほど、下からの情報が上がりにくい。

立場の差が大きいほど、上がる情報は減る。これは個人の性格ではなく構造の問題だ。

自分の意見を最後に言うだけで、出てくる選択肢の数が変わる。同じ著者の 恐れのない組織 が、この構造をより体系的に扱っている。

いちこ

いちこ

先に方向を示したほうが、早いと思っていました。
シュン

シュン

早いんだよね。ただ早く終わるだけで、別の案は出てこなくなるんだ。

この本の限界と、次に読む本

学術寄りで事例も医療や製造が中心、分量もある。同じ著者なら 恐れのない組織 のほうが読みやすい。日本のチームへの落とし込みは 心理的安全性のつくりかた が具体的になる。

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