マネジャーの最も大切な仕事 の書影

マネジャーの最も大切な仕事

95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力

テレサ・アマビール・スティーブン・クレイマー

声はかけている。目標も共有している。それでもチームが動かない。進捗と感情の関係を扱う論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • チームの空気が重い
  • 施策を足しても効かない
  • 初めてマネージャーになった

−おすすめしない人

  • 評価制度を設計したい
  • 具体的な面談技術だけ知りたい

著者について

テレサ・アマビール・スティーブン・クレイマー

ハーバード・ビジネス・スクール 教授 / 発達心理学者

経歴
アマビールは創造性と職場環境、クレイマーは発達心理学を専門とする
実績
7社238人の職場日誌を約1万2000件分析し、感情と業績の関係を明らかにした

英治出版 / 2017年1月

目的

朝礼で声をかけている。目標も共有した。1on1もやっている。それでもチームの空気が重い。

やる気が足りないのではなく、進んだという実感が誰にもない。本書を読む目的は、感情を動かす要因を順序として理解することにある。

論点1 やる気が出てから動くのではない

小さな進捗前向きな感情さらに進む 小さな後退消耗・無力感さらに止まる やる気を上げてから動かすのではなく、動いた結果としてやる気が出る
小さな進捗が感情を動かし、さらに成果を生む循環。

本書は職場日誌の大規模な分析から、感情を最も動かすのが仕事が前に進んだという実感だと示す。順序が逆なのが要点だ。

  • 進んだ → 前向きになる → さらに進む
  • 後退した → 消耗する → さらに止まる

やる気を上げてから動かそうとすると、入口が重くなる。小さくても進んだと分かる状態を先に作るほうが早い。

いちこ

いちこ

モチベーションを上げる方法を探していました。
シュン

シュン

順番が逆なんだよね。1つ進んだのが見えると、勝手に上がるんだ。

論点2 足すより、邪魔を取り除く

足す 声をかける目標を再確認する研修を入れる 障害が残っていれば進まない 取り除く 承認待ちを縮める報告の重複をやめる方針の揺れを止める 進んだという実感が戻る 多くの現場で足りないのは激励ではなく、邪魔の除去
励ましを足す介入と、進捗の障害を取り除く介入。

声をかける、目標を再確認する、研修を入れる。これらは足す介入だが、障害が残っていれば進まない。

  • 承認待ちが長い … 縮める
  • 同じ報告を二重に出している … やめる
  • 方針が月ごとに揺れる … 止める

多くの現場で足りていないのは激励ではなく、邪魔の除去のほうだ。

論点3 自分の一言の重さを、低く見積もっている

マネージャーの認識 部下の受け取り方 ちょっと確認しただけ 信用されていない 方針を少し見直した また変わった 忙しくて返信が遅れた 優先されていない 自分の一言が持つ重さを、マネージャーは一貫して低く見積もる 日々の記録を取ると、このズレが見える
マネージャーの認識と、部下の受け取り方のズレ。

本書が記録から拾うのが、認識のズレだ。「ちょっと確認しただけ」は信用されていないと受け取られている。

  • 方針を少し見直した … 「また変わった」
  • 忙しくて返信が遅れた … 「優先されていない」

伝え方の設計は フィードバック入門、対話の場づくりは ヤフーの1on1 が実装に近い。

いちこ

いちこ

軽く聞いたつもりでも、違う意味になるんですね。
シュン

シュン

立場の差があるからね。こちらの軽さは、そのまま伝わらないんだ。

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