評価のたびに不満が出る。基準は示しているはずなのに。納得が何から生まれるのかを考える論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 評価のたびに不満が出る
- 制度を作る立場にいる
- 研修の効き目に疑問がある
−おすすめしない人
- 個別の面談技術を学びたい
- 少人数で制度を持たない組織
著者について
ラズロ・ボック
元・Google 人事担当上級副社長
- 経歴
- Googleで人事部門(People Operations)の責任者を10年以上務めた
- 実績
- 採用・評価・報酬の仕組みを社内データの検証を通じて作り替えた
目的
評価は数字で出している。面談でも説明した。それでも「なぜ自分がこの評価なのか」が毎回出てくる。
基準の不在ではなく、決め方が本人に見えていないことが多い。本書を読む目的は、評価を納得が成立する仕組みとして見直すことにある。
論点1 評価と育成を同じ面談でやらない
本書が実務として挙げるのが、報酬に関わる評価と、能力を伸ばす対話を分けることだ。
- 同じ場でやる … 本人は報酬の話しか聞いていない
- 分けてやる … 育成の話が助言として受け取られる
同じ面談に混ぜると、弱みの指摘は全部が評価の理由に聞こえる。中身を変えずに、分けるだけで伝わり方が変わる。
伝えたあとの設計は フィードバック入門 のほうが詳しい。
いちこ
時間がないので、まとめてやっていました。
シュン
効率はいいんだけどね。報酬の話が出た瞬間、後半は耳に入らなくなるんだ。
論点2 中間層ではなく、両端から手をつける
本書は成績の分布を見て、両端に別の打ち手を当てる。全員に同じ研修を当てるより効くという考え方だ。
- 下位の層 … 早く、手厚く支援する
- 上位の層 … 何をしているかを吸い出して型にする
中間層は、両端から出た型で動く。分布として見る視点は メンバーをどう評価するか に統計側の手順がある。
論点3 納得を作るのは、結果ではなく決め方
本書が一貫して扱うのが透明性だ。結果が妥当でも、決め方が見えなければ納得されない。
- 何を見るか / 誰が決めるか
- 異議はどう出せるか … ここがあるかどうかで受け取り方が変わる
基準を公開すると、評価する側も雑に作れなくなる。透明性は本人向けの施策に見えて、作る側への規律にもなっている。
いちこ
基準を出すと、突っ込まれそうで怖いです。
シュン
突っ込まれる前提で作るから、基準がまともになるんだよ。
この本の限界と、次に読む本
事例はGoogleの体制が前提で、採用倍率や資源の規模がそのまま使える組織は少ない。目標の置き方なら Measure What Matters、1on1の進め方なら ヤフーの1on1 が実装に近い。
Amazonで見る Amazonのアソシエイトとして、SaleStats Lab は適格販売により収入を得ています。
自社の数字で確かめる
この本の考え方を、統計で検証する側の記事です。
評価と制度のほかの本
- 図解人材マネジメント入門 坪谷邦生
- ジョブ型人事制度の教科書 柴田彰・加藤守和