Measure What Matters の書影

Measure What Matters

伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR

ジョン・ドーア

目標を立てても、期末まで誰も見ない。目標を「掲げるもの」から「毎週使うもの」に変えるための論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 目標が期末まで放置されている
  • 部門間で目標がつながっていない
  • 挑戦的な数字を置きたい

−おすすめしない人

  • 少人数で目標が自明
  • 具体的な運用手順を求めている

著者について

ジョン・ドーア

ベンチャーキャピタリスト / 元・インテル

経歴
インテルでアンディ・グローブからOKRを学び、のちにベンチャーキャピタリストに
実績
グーグルをはじめ多数の企業にOKRを伝えた

日本経済新聞出版社 / 2018年10月

目的

期初に目標を立てた。資料にもした。そして次に見たのは期末の振り返りだった。間の3か月、誰もその資料を開いていない。

問題は目標の中身ではなく、目標が日々の判断に使われていないことにある。本書を読む目的は、目標を掲げるものから使うものに変えることだ。

論点1 目標は言葉で、達成は数字で

目標(Objective) エンタープライズ市場で戦える体制をつくる 成果指標(Key Result) 決裁者同席率を 30% → 60% 成果指標(Key Result) 1,000万円超の商談を 月8件 成果指標(Key Result) 導入後3か月の定着率 85% 目標は言葉で語り、達成は数字で判定する 「頑張る」で終わらせず、どうなったら達成かを先に決める
何を目指すかは言葉で語り、達成したかどうかは数字で判定する。

OKRの構造は単純で、目指す状態を言葉で置き、その達成を数字で判定できる指標に分解する、という2層になっている。

  • 目標 … 「エンタープライズ市場で戦える体制をつくる」のように、意味が伝わる言葉で
  • 成果指標 … 「決裁者同席率を30%→60%」のように、達成/未達が議論にならない形で

言葉だけだと評価が主観になる。数字だけだと、何のための数字か分からなくなる。両方を組にするのが肝心な点だ。

いちこ

いちこ

数字だけ置くと、意味が伝わらないんですね。
シュン

シュン

逆に言葉だけだと「頑張りました」で終わる。両方いるんだ。

論点2 必達目標と挑戦目標を混ぜない

必ず達成できる目標 達成率 100% 届く範囲しか狙わなくなる 7割で設計する目標 達成率 70%でも成功 届かない前提なので高く置ける 7割で成功とする代わりに、達成率を報酬に直結させない 評価と結びつけた瞬間、全員が確実に届く数字を置き直す
達成前提の目標と、届かない前提の目標。性質が違うので分けて扱う。

実務で最もつまずくのがここだ。本書は必ず達成する目標と届かなくてよい挑戦目標を分けて扱う。

  • 必達目標 … 予算や人員計画が乗る。100%を前提にする
  • 挑戦目標 … 60〜70%の達成を想定する。届かなくても失敗ではない
この2つを混ぜると両方が壊れる。挑戦目標が未達の言い訳に使われ、必達目標には安全な数字しか置かれなくなる。どちらなのかを先に宣言すること。

なお、達成可能な水準をどう見積もるかは別の論点になる。実績の分布から目標を置く手順は 来季の目標をどう置くか にまとめている。

論点3 置いたあと、毎週見るかどうかがすべて

四半期のはじめ 目標を決める 週次点検 週次点検 週次点検 週次点検 進捗を見て、やめること・変えることを決める 四半期の終わり 振り返る 置いたあと放置される目標は、置いていないのと同じ 期末にだけ見る運用だと、手遅れになってから気づく
四半期で置き、週次で点検し、期末に振り返る。

本書が繰り返すのは運用のリズムだ。四半期で目標を置き、週次で進捗を見る。期末にだけ開く運用では、手遅れになってから気づく。

週次で見る目的は進捗報告ではなく、やめることと変えることを決めるためにある。

いちこ

いちこ

立てて終わりになりがちでした。
シュン

シュン

立てる時間の何倍も、見る時間のほうが大事なんだ。

この本の限界と、次に読む本

本書は導入事例集の性格が強く、手順書ではない。進め方を細かく知りたいなら、クリスティーナ・ウォドキー『OKR』のほうが実務寄りになる。KPIの絞り込みと組で考えるなら、中尾隆一郎『最高の結果を出すKPIマネジメント』と並べて読むとよい。

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自社の数字で確かめる

この本の考え方を、統計で検証する側の記事です。

目標設定のほかの本

  • OKR クリスティーナ・ウォドキー