目標を立てても、期末まで誰も見ない。目標を「掲げるもの」から「毎週使うもの」に変えるための論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 目標が期末まで放置されている
- 部門間で目標がつながっていない
- 挑戦的な数字を置きたい
−おすすめしない人
- 少人数で目標が自明
- 具体的な運用手順を求めている
著者について
ジョン・ドーア
ベンチャーキャピタリスト / 元・インテル
- 経歴
- インテルでアンディ・グローブからOKRを学び、のちにベンチャーキャピタリストに
- 実績
- グーグルをはじめ多数の企業にOKRを伝えた
目的
期初に目標を立てた。資料にもした。そして次に見たのは期末の振り返りだった。間の3か月、誰もその資料を開いていない。
問題は目標の中身ではなく、目標が日々の判断に使われていないことにある。本書を読む目的は、目標を掲げるものから使うものに変えることだ。
論点1 目標は言葉で、達成は数字で
OKRの構造は単純で、目指す状態を言葉で置き、その達成を数字で判定できる指標に分解する、という2層になっている。
- 目標 … 「エンタープライズ市場で戦える体制をつくる」のように、意味が伝わる言葉で
- 成果指標 … 「決裁者同席率を30%→60%」のように、達成/未達が議論にならない形で
言葉だけだと評価が主観になる。数字だけだと、何のための数字か分からなくなる。両方を組にするのが肝心な点だ。
いちこ
数字だけ置くと、意味が伝わらないんですね。
シュン
逆に言葉だけだと「頑張りました」で終わる。両方いるんだ。
論点2 必達目標と挑戦目標を混ぜない
実務で最もつまずくのがここだ。本書は必ず達成する目標と届かなくてよい挑戦目標を分けて扱う。
- 必達目標 … 予算や人員計画が乗る。100%を前提にする
- 挑戦目標 … 60〜70%の達成を想定する。届かなくても失敗ではない
この2つを混ぜると両方が壊れる。挑戦目標が未達の言い訳に使われ、必達目標には安全な数字しか置かれなくなる。どちらなのかを先に宣言すること。
なお、達成可能な水準をどう見積もるかは別の論点になる。実績の分布から目標を置く手順は 来季の目標をどう置くか にまとめている。
論点3 置いたあと、毎週見るかどうかがすべて
本書が繰り返すのは運用のリズムだ。四半期で目標を置き、週次で進捗を見る。期末にだけ開く運用では、手遅れになってから気づく。
週次で見る目的は進捗報告ではなく、やめることと変えることを決めるためにある。
いちこ
立てて終わりになりがちでした。
シュン
立てる時間の何倍も、見る時間のほうが大事なんだ。
この本の限界と、次に読む本
本書は導入事例集の性格が強く、手順書ではない。進め方を細かく知りたいなら、クリスティーナ・ウォドキー『OKR』のほうが実務寄りになる。KPIの絞り込みと組で考えるなら、中尾隆一郎『最高の結果を出すKPIマネジメント』と並べて読むとよい。
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自社の数字で確かめる
この本の考え方を、統計で検証する側の記事です。
目標設定のほかの本
- OKR クリスティーナ・ウォドキー