学習する組織 の書影

学習する組織

システム思考で未来を創造する

ピーター・M・センゲ

担当を替えても同じ問題が起きる。人ではなく構造を見るための論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 同じ問題が繰り返される
  • 人事異動で解決しようとしている
  • 組織を長期で見たい

−おすすめしない人

  • 今週使える手が欲しい
  • 短く読みたい

著者について

ピーター・M・センゲ

マサチューセッツ工科大学 上級講師

経歴
システム思考を軸に組織の学習を研究してきた
実績
組織を相互に影響しあう仕組みとして捉える見方を広めた

英治出版 / 2011年6月

目的

詰めが甘い担当者を替えた。半年後、替えた人も同じところでつまずいている。

人選を間違えたのではなく、構造が同じ行動を生んでいる。本書を読む目的は、人の問題と構造の問題を分けることにある。

論点1 人を替えても起きるなら、構造の問題

人の問題として見る 「あの担当者の詰めが甘い」 担当を替える 替えた人も同じことをする 構造として見る 月末の件数目標が効いている 目標の置き方を変える 誰が担当でも結果が変わる 同じ問題が人を替えても起きるなら、それは構造の問題 人を責めている限り、同じことが繰り返される
個人の責任として見る場合と、構造の問題として見る場合。

「あの担当者の詰めが甘い」で担当を替えても、替えた人も同じことをする。

月末の件数目標が効いているなら、目標の置き方を変えれば誰が担当でも結果が変わる。人を責めている限り、同じことが繰り返される。

いちこ

いちこ

構造のせいにすると、誰も責任を取らなくなりませんか。
シュン

シュン

責任は要るよ。ただ構造を直す責任なんだ。人を責める責任じゃなくてね。

論点2 効いた打ち手ほど、跳ね返りが遅れて来る

時間 値引きで件数が戻る 値引き前提の顧客だけが残る 効いた打ち手ほど、跳ね返りが来るまでの時間が長い
短期に効く打ち手が、時間を置いて逆の結果を生む。

値引きで件数が戻る。数字は改善する。だが時間が経つと値引き前提の顧客だけが残る。

原因と結果が時間的に離れているので、因果が見えにくい。だから同じ打ち手が繰り返される。

論点3 同じ言葉で合意しても、前提は人ごとに違う

「この案件は厳しい」 営業A 値段で負けている 営業B 担当が本気でない 課長 時期が悪いだけ 同じ言葉で合意したつもりでも、前提は3通りある 「なぜそう思うか」を一巡すると、打ち手の議論が噛み合う
各自が暗黙に持っている前提を言葉にして確かめる。

「この案件は厳しい」で全員が頷いても、理由は値段・担当者・時期とバラバラなことがある。

「なぜそう思うか」を一巡すると、打ち手の議論が噛み合う。噛み合わない相手との対話は 他者と働く が詳しい。

いちこ

いちこ

全員が同意していたら、確認しないです。
シュン

シュン

そこが落とし穴なんだよね。同意が速いときほど、見ているものが違ったりするんだ。

この本の限界と、次に読む本

600ページ超と重く、抽象度も高い。通読の負荷に見合うかは立場による。構造として見る視点だけなら、要点を拾う読み方でも足りる。日々の実践なら 心理的安全性のつくりかた、対話の技法なら 他者と働く が隣に並ぶ。

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