判断が全部上に上がってくる。現場に降ろすために何が要るのかを考える論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 判断が全部上がってくる
- 組織の形を長期で考えたい
- 権限委譲がうまくいかない
−おすすめしない人
- 今週使える手が欲しい
- 階層のある組織で実務を回したい
著者について
フレデリック・ラルー
元・マッキンゼー 組織変革コンサルタント
- 経歴
- マッキンゼー・アンド・カンパニーで組織変革に携わったのち独立
- 実績
- 階層や指示命令に依らずに運営されている企業を調査し共通点をまとめた
目的
値引きの可否も訪問の優先順位も、全部こちらに上がってくる。判断が滞り、現場は考えなくなる。
権限委譲が足りないのではなく、判断に必要な材料を渡していない。本書を読む目的は、現場が決められる条件を知ることにある。
論点1 「相談してから決める」と「決裁をもらう」は違う
本書が紹介する企業では、現場が決める。ただし関係者に助言を求める義務がある。
- 決裁をもらう … 決めるのは上。現場は材料を集める役になる
- 助言を求める … 聞くが、決めるのは本人
この違いは大きい。後者なら判断の経験が現場に残る。
いちこ
現場に任せると、判断がばらつきませんか。
シュン
ばらつくよ。ただ助言を求める形にすると、意外と揃うんだ。聞く相手が同じだからね。
論点2 情報を絞ったまま「自分で考えろ」は成立しない
原価も利益率も知らされていなければ、値引きの判断はできない。
判断を任せるなら、判断に必要な情報も渡す。権限だけ渡して情報を絞ると、現場は結局上に聞きにくる。
論点3 思想として読み、運用として一部を借りる
階層をなくす、評価制度を変える、役職を外す。これらは経営の意思が無いと途中で元に戻る。
決裁を1段減らす、数字を全員に開く、助言を求める形にする。権限が無くてもここまでは動かせる。
いちこ
全部やろうとすると、現実的ではないですね。
シュン
そうなんだ。だから全部やる本としてじゃなくて、借りられる部分を探す本として読むといいよ。
この本の限界と、次に読む本
分厚く、発達段階論という独自の枠組みが前提になっている。そのまま導入できる組織はごく限られる。現場の運用なら ハイアウトプット マネジメント、構造として見る視点なら 学習する組織 が隣に並ぶ。
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- 心理的安全性のつくりかた 石井遼介
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