ティール組織 の書影

ティール組織

マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

フレデリック・ラルー

判断が全部上に上がってくる。現場に降ろすために何が要るのかを考える論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 判断が全部上がってくる
  • 組織の形を長期で考えたい
  • 権限委譲がうまくいかない

−おすすめしない人

  • 今週使える手が欲しい
  • 階層のある組織で実務を回したい

著者について

フレデリック・ラルー

元・マッキンゼー 組織変革コンサルタント

経歴
マッキンゼー・アンド・カンパニーで組織変革に携わったのち独立
実績
階層や指示命令に依らずに運営されている企業を調査し共通点をまとめた

英治出版 / 2018年1月

目的

値引きの可否も訪問の優先順位も、全部こちらに上がってくる。判断が滞り、現場は考えなくなる。

権限委譲が足りないのではなく、判断に必要な材料を渡していない。本書を読む目的は、現場が決められる条件を知ることにある。

論点1 「相談してから決める」と「決裁をもらう」は違う

上に上げて決めてもらう 部長 課長 現場 判断が遅れ、現場は考えなくなる 現場が決め、助言を求める 決める人 助言は聞くが、決めるのは本人 「相談してから決める」と「決裁をもらう」はまったく違う
決裁を上げる形と、現場が決めて助言を求める形。

本書が紹介する企業では、現場が決める。ただし関係者に助言を求める義務がある。

  • 決裁をもらう … 決めるのは上。現場は材料を集める役になる
  • 助言を求める … 聞くが、決めるのは本人

この違いは大きい。後者なら判断の経験が現場に残る。

いちこ

いちこ

現場に任せると、判断がばらつきませんか。
シュン

シュン

ばらつくよ。ただ助言を求める形にすると、意外と揃うんだ。聞く相手が同じだからね。

論点2 情報を絞ったまま「自分で考えろ」は成立しない

情報を絞る 原価・利益率 値引きの判断ができない 全員に開く 原価・利益率 現場でその場で判断できる 判断を任せるなら、判断に必要な情報も渡す 情報を絞ったまま「自分で考えろ」は成立しない
情報を絞る場合と、全員に開く場合。

原価も利益率も知らされていなければ、値引きの判断はできない。

判断を任せるなら、判断に必要な情報も渡す。権限だけ渡して情報を絞ると、現場は結局上に聞きにくる。

論点3 思想として読み、運用として一部を借りる

全面的に変える 階層をなくす / 評価制度を変える / 役職を外す 経営の意思が無いと、途中で元に戻る 自分の範囲で試す 決裁を1段減らす数字を全員に開く助言を求める形にする 権限が無くても、ここまでは動かせる 思想として読み、運用として一部を借りる
全面導入と、自分の範囲から試す進め方。

階層をなくす、評価制度を変える、役職を外す。これらは経営の意思が無いと途中で元に戻る。

決裁を1段減らす、数字を全員に開く、助言を求める形にする。権限が無くてもここまでは動かせる。

いちこ

いちこ

全部やろうとすると、現実的ではないですね。
シュン

シュン

そうなんだ。だから全部やる本としてじゃなくて、借りられる部分を探す本として読むといいよ。

この本の限界と、次に読む本

分厚く、発達段階論という独自の枠組みが前提になっている。そのまま導入できる組織はごく限られる。現場の運用なら ハイアウトプット マネジメント、構造として見る視点なら 学習する組織 が隣に並ぶ。

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