決算書の見方は習った。それでも何を見ればいいか分からない。3表のつながりから掴み直す論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 決算書を見ても何も言えない
- 値引きの重さを社内で説明したい
- 顧客の財務状況を読みたい
−おすすめしない人
- 簿記の実務をやる
- 財務分析の指標を学びたい
著者について
國貞克則
ボナ・ヴィータ コーポレーション 代表
- 経歴
- 神戸製鋼所 → ボナ・ヴィータ コーポレーションを設立し、企業研修で会計を指導
- 実績
- 損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書のつながりを物語で説明した
目的
顧客の決算書を渡された。売上と利益は分かる。だがそこから何が言えるのかが分からない。
知識が足りないのではなく、3つの表を別々に覚えようとしている。本書を読む目的は、つながりとして掴むことにある。
論点1 3つは同じ取引を3方向から見たもの
本書は1つの取引を追いながら、3表が同時に動くところを見せる。
- 損益計算書 … もうけが出たか
- 貸借対照表 … 何を持っているか
- キャッシュフロー計算書 … 現金が増えたか
どれか1つだけ読もうとすると、覚えるだけの作業になる。利益が資産に積まれ、現金として戻る流れが見えると意味が変わる。
いちこ
貸借対照表がいつも苦手です。
シュン
単体で見るからだよ。利益がどこに積まれたのかを追うと、急に読めるようになるんだ。
論点2 売上が伸びるほど、現金は苦しくなる
納品して売上を計上しても、入金は先だ。その区間、現金は出ていくだけになる。
売上が伸びるほど立て替えも増える。顧客に支払条件を聞くのが値引き交渉と同じくらい効くのは、ここに効くからだ。
大型案件の商談で、金額と納期に加えて支払条件を1つ聞く。自社の資金繰りの話として社内でも通りやすくなる。
論点3 自分の行動が、どこに効いているか
値引きは粗利を直接削る。支払条件を縮めれば現金が早く戻る。解約を減らせば翌期の売上が積まれる。
「10%値引き」が会社の何をいくら削るのかを言えるかどうかで、社内での通り方が変わる。
いちこ
値引きは、売上が減るだけだと思っていました。
シュン
売上じゃなくて粗利が丸ごと減るんだ。だから同じ10%でも重さが全然違うんだよ。
この本の限界と、次に読む本
入門に徹していて、分析の指標はほとんど出てこない。読んだだけでは分析はできない。仕組みの由来からなら 会計の世界史、投資の発想なら ファイナンス思考 が続く。
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