世界一やさしい問題解決の授業 の書影

世界一やさしい問題解決の授業

渡辺健介

手順は知っている。それでも手が動かない。用語を使わずに問題解決を回すための論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 手順は知っているが手が動かない
  • 若手に問題解決を教える
  • 短時間で型を入れ直したい

−おすすめしない人

  • 実務の複雑な事例が欲しい
  • 分析手法を深めたい

著者について

渡辺健介

デルタスタジオ 代表

経歴
マッキンゼー・アンド・カンパニー → デルタスタジオを設立
実績
中学生向けの授業をもとに、専門用語を使わず問題解決の手順を説明した

ダイヤモンド社 / 2007年6月

目的

MECE、ロジックツリー、仮説検証。言葉は知っている。それでも自分の課題を前にすると手が止まる。

理解が浅いのではなく、用語で覚えているから手が動かない。本書を読む目的は、そのまま実行できる言葉で手順を持ち直すことにある。

論点1 思いついた打ち手から始めない

① 原因を分ける 来場者が集まらない 告知が届いていない届いたが興味がない興味はあるが来られない 確かめる ② 残った原因に当てる 届いたが興味がない 告知文の見出しを、相手の 困りごとの言葉に書き換える 思いついた打ち手から始めると、効かない原因に当ててしまう
原因を分解してから、残った原因に打ち手を当てる。

本書の順序は単純だ。原因を思いつくだけ書き出し、かぶりを消し、1つずつ確かめてから打ち手を当てる。

  • 告知が届いていない / 届いたが興味がない / 興味はあるが来られない
  • 確かめて残ったものにだけ当てる … 効かない原因に当てずに済む

思いついた打ち手から始めると、原因と無関係な努力に時間を使う。順序を1つ入れ替えるだけで変わる。

いちこ

いちこ

原因を全部確かめる時間がないときは?
シュン

シュン

全部じゃなくていいんだ。一番大きそうな1つを確かめるだけでも、打ち手の向きが変わるよ。

論点2 調べる前に、何が出たら何が言えるかを決める

仮説 確かめる方法 どうなれば正しい 告知が届いていない メールの開封率を見る 開封率が2割未満 興味がない 過去参加者に3人聞く テーマが刺さらないと言う 来られない 申込者の離脱時刻を見る 平日夜に集中している 調べる前に、何が出たら何が言えるのかを決めておく これを先に書くと、調べものが終わらない状態にならない
仮説ごとに、確かめる方法と判定基準を先に書いておく。

本書が子ども向けの授業で徹底させるのが、確かめ方を先に書くことだ。

  • 告知が届いていない → メールの開封率を見る → 2割未満なら正しい
  • 興味がない → 過去参加者に3人聞く → テーマが刺さらないと言う

これを先に書くと、調べものが終わらない状態にならない。終わりの条件が決まっているからだ。

論点3 言葉を変えるだけで実行率が変わる

用語で覚える MECEに分解するロジックツリーを描く仮説を検証する 言えるが、手が動かない やることで覚える 原因を思いつくだけ書き出すかぶっているものを消すどれが本当か1つずつ確かめる そのまま手が動く 同じ手順でも、言葉を変えるだけで実行率が変わる
専門用語で覚える場合と、やることで覚える場合。

「MECEに分解する」と言えても手は動かない。原因を思いつくだけ書き出して、かぶっているものを消すなら動く。

同じ手順でも、言葉を変えるだけで実行率が変わる。部下に渡すときは、この形にしてから渡すほうが早い。

いちこ

いちこ

用語を覚えることが目的になっていました。
シュン

シュン

用語は共有のために便利なんだけどね。自分が動くときは、やることの言葉にしたほうがいいんだ。

この本の限界と、次に読む本

中学生向けの授業がもとで、事例もバンド活動や進路の話が中心。易しすぎると感じる人には向かない。ただ用語で止まっている状態を崩すには一番速い。実務の型なら 問題解決プロフェッショナル「思考と技術」、問いの立て方なら イシューからはじめよ が続く。

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