仕事が終わらないのは量のせいではなく、答えを出す価値のない問いに手をつけているから。本書が解いている論点を3つに絞って紹介する。
✓お勧めする人
- 分析や資料作成に時間を取られている
- 「で、結局何?」と言われがち
- 部下の調べものの筋が悪い
−おすすめしない人
- 問いが既に決まっていて実行だけが課題
- 分析手法そのものを学びたい
著者について
安宅和人
元・リクルート 事業責任者
- 経歴
- リクルートで住宅情報事業やスーモカウンターの事業責任者を担当
- 実績
- スーモカウンターの事業を6年で売上30倍に伸ばした
目的
資料を作り込んだ。数字も揃えた。それでも会議で「で、何が言いたいの」と返される。あるいは分析を終えた頃には、もう打ち手を決める時期が過ぎている。
原因は作業量ではない。答えを出す価値のない問いに、手をつけていたことにある。本書を読む目的は、取りかかる前に問いを選べるようになることだ。
論点1 答えの質を上げる前に、問いを選ぶ
成果は「その問いに答える価値」と「答えの質」の掛け算になる。ところが多くの場合、価値の検討を飛ばして、いきなり答えの質を上げにいく。
- 価値の低い問いに完璧な答え → 誰も使わない資料ができる
- 価値の高い問いに粗い答え → 議論が前に進む
つまり最初にやるべきは分析ではなく、問いの絞り込みである。ここを飛ばすと、努力の量が成果に変換されない。
いちこ
時間をかけたほうが良いものになると思っていました。
シュン
問いが合っていればね。ズレたまま丁寧にやると、丁寧にズレるだけなんだ。
論点2 良い問いには、3つの条件がある
本書は良い問いの条件を挙げている。実務で効くのは、特に3つ目だ。
- 本質的 … そこで答えが変われば、打ち手が大きく変わる
- 踏み込んだ仮説がある … 自分なりの見立てを持っている
- 答えを出せる … 手元のデータと時間で決着がつく
「市場はどう変化するか」は壮大だが、期日までに答えが出ない。answerできない問いは、どれだけ重要そうでも、いまの仕事では選べない。
論点3 問いは、言い切った形にする
「受注率はどうなっているか」は、調べても終わりが来ない。何が分かれば完了なのかが決まっていないからだ。
これを「受注率の低下は、商談の質ではなく量が原因である」と言い切ると、否定も肯定もできる形になる。間違えられる形にして、はじめて検証が始まる。
いま抱えている調べごとを1つ選び、疑問形から言い切りの形に書き直してみる。書けないなら、まだ仮説がない状態だと分かる。
言い切ったあとの検証は、数字の扱いの話になる。差が本物かを判定する手順は その施策、本当に効いたか、原因と結果を取り違えない見方は そのKPI、本当に成果につながるか にまとめている。
いちこ
言い切るのは勇気が要りますね。
シュン
外したら直せばいい。曖昧なままだと、合ってるか間違ってるかすら分からないままだよ。
この本の限界と、次に読む本
後者なら統計やデータ分析の本に進むほうが早い。本書は手法ではなく、手をつける前の順序を扱っている。
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