会議で意見が出ない。参加者のせいにする前に、問いの置き方を見直すための論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 会議で意見が出ない
- ワークショップや研修を設計する
- 課題そのものを疑いたい
−おすすめしない人
- 一対一の面談技術を学びたい
- すぐ使える会議の進行術が欲しい
著者について
安斎勇樹・塩瀬隆之
MIMIGURI 代表 / 京都大学総合博物館 准教授
- 経歴
- 安斎勇樹は東京大学の研究者、塩瀬隆之は京都大学総合博物館 准教授
- 実績
- ワークショップデザインとファシリテーションを、研究と実践の両面から扱ってきた
目的
会議を開いた。意見を求めた。沈黙が続き、結局こちらが話して終わった。
参加者が消極的なのではなく、問いの置き方が悪いことが多い。本書を読む目的は、人が話せる問いを設計することにある。
論点1 課題は与えられるものではなく、設定するもの
「若手の離職が続いている」という同じ事実から、立てられる問いは1つではない。
- どうすれば辞めないか … 引き止めの施策が並ぶ
- なぜここで働くと決めたのか … 入社理由から見直せる
- 辞めても困らない組織とは … 仕組みの話に変わる
どの問いを置くかで、出てくる案の種類が決まる。依頼された問いをそのまま解く前に、置き直せないかを見る。論点思考 と同じ構えだ。
いちこ
問いを変えてしまっていいんですか?
シュン
いいんだ。むしろ最初の問いのままだと、毎回同じ案しか出てこないからね。
論点2 盛り上がらないのは、粒度のせい
本書が実務的に効くのは、問いの粒度の話だ。
- 狭すぎる … 「このメール文、どう直す?」は作業の分担になる
- 広すぎる … 「我々は何のために働くのか?」は誰も具体的に話せない
- ちょうどよい … 「この案件が止まる理由は何だろう?」
全員が自分の経験から話せる高さに置く。それだけで沈黙は減る。
論点3 極端な問いは、前提を見えるようにする道具
「訪問を増やすには?」と聞くと、毎年と同じ案が出る。「訪問をゼロにするなら?」と聞くと、訪問の何が効いていたのかが言語化される。
これは実行案を出すための問いではない。前提を一度見えるようにするための道具だ。
次の会議で、本題の前に極端な問いを1つだけ挟んでみる。答えは使わなくていい。前提が出てくればそれでいい。
いちこ
答えないような質問を、わざとするんですね。
シュン
そう。答えより、答えようとしたときに出てくる前提のほうが欲しいんだ。
この本の限界と、次に読む本
ファシリテーションの専門書で分量があり、営業の実務書ではない。問いの設計の部分だけを取る読み方になる。解くべき問いを選ぶなら 論点思考、日々の対話の側からなら ヤフーの1on1 が隣に並ぶ。
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論点設定のほかの本
- イシューからはじめよ 安宅和人
- 論点思考 内田和成