論点思考 の書影

論点思考

BCG流 問題設定の技術

内田和成

依頼された通りにやった。それでも成果は動かない。解くべき問題を自分で選び直すための論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 依頼通りにやって空振りする
  • 会議が噛み合わない
  • 部下に仕事を渡す立場

−おすすめしない人

  • 解き方の技術を学びたい
  • 問いはもう決まっている仕事

著者について

内田和成

元・ボストン コンサルティング グループ 日本代表

経歴
ボストン コンサルティング グループ 日本代表 → 早稲田大学ビジネススクール 教授
実績
『仮説思考』の前段にあたる、解くべき問題そのものを選ぶ技術を扱った

東洋経済新報社 / 2010年2月

目的

「研修を企画してくれ」と言われた。設計し、実施した。評判も悪くなかった。だが成績は動かない。

実行が悪いのではなく、解くべき問題が別にあった。本書を読む目的は、与えられた問題をそのまま解く習慣から抜けることにある。

論点1 依頼の言葉は、相手が出した答えである

そのまま解く 「研修を企画してくれ」 研修を設計する 実施したが 成績は動かない 論点を置き直す 「研修を企画してくれ」 何が起きて、そう言った? 中堅の離職が続いている 解くべき問題が別 依頼の言葉は、相手がすでに出した答えであることが多い
与えられた問題をそのまま解く場合と、論点を置き直す場合。

本書の出発点は、依頼がすでに答えの形になっているという指摘だ。「研修を企画してくれ」は打ち手であって、問題ではない。

  • そのまま解く … 研修を設計する。実施したが成績は動かない
  • 置き直す … 何が起きてそう言ったのか。中堅の離職が続いている

聞くのは「なぜその依頼が出てきたのか」の一点だ。そこで解くべき問題が入れ替わることがある。

いちこ

いちこ

依頼を疑うのは、失礼な気がしてしまいます。
シュン

シュン

疑うんじゃなくて、背景を聞くだけだよ。相手も答えまで詰め切れていないことが多いんだ。

論点2 動かせないものと、効かないものを落とす

論点の候補 市場が縮小している競合が値下げしたリードの質が落ちた提案の質にばらつき稟議に時間がかかる中堅が抜けている ① 自分で動かせるか リードの質が落ちた提案の質にばらつき稟議に時間がかかる中堅が抜けている 市場・競合は落とす ② 解けば効くか 中堅が抜けている ここが本当の論点 動かせないものと、動かしても効かないものを落とす 残った一つに全部の時間を使う
論点の候補を、動かせるかと効くかで絞り込む。

論点の候補を並べると、たいてい10個近く出る。本書は2段で落としていく。

  • 自分で動かせるか … 市場の縮小や競合の値下げは落とす
  • 解けば効くか … 残った中から、結果が動くものを選ぶ

残った一つに全部の時間を使う。候補を並べるところで止まると、どれも中途半端に手をつけることになる。

論点3 論点は立場で変わる

受注率が落ちている 担当者 自分の案件をどう通すか 課長 チームのどこを直すか 役員 この市場に居続けるか どれも正しい。噛み合わないのは論点が違うだけ 会議の前に、誰の論点で話すのかを決める
同じ事象に対して、立場ごとに別の論点が立つ。

「受注率が落ちている」という同じ事象でも、担当者は自分の案件、課長はチーム、役員は市場に居続けるかを見ている。

どれも正しい。会議が噛み合わないのは、論点が違うだけのことが多い。話し始める前に、誰の論点で議論するのかを決めておく。

次の会議の冒頭で「今日はどの立場の問いを扱いますか」と一度だけ確認する。議論の収束が早くなる。
いちこ

いちこ

噛み合わないときは、どちらかが間違っていると思っていました。
シュン

シュン

両方正しいことが多いんだよね。見ている高さが違うだけなんだ。

この本の限界と、次に読む本

同じ著者の『仮説思考』が先に有名だが、順序としては本書が前にくる。問いの立て方をより体系的に扱うなら イシューからはじめよ、分解の型なら 問題解決プロフェッショナル「思考と技術」 が続く。

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