依頼された通りにやった。それでも成果は動かない。解くべき問題を自分で選び直すための論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 依頼通りにやって空振りする
- 会議が噛み合わない
- 部下に仕事を渡す立場
−おすすめしない人
- 解き方の技術を学びたい
- 問いはもう決まっている仕事
著者について
内田和成
元・ボストン コンサルティング グループ 日本代表
- 経歴
- ボストン コンサルティング グループ 日本代表 → 早稲田大学ビジネススクール 教授
- 実績
- 『仮説思考』の前段にあたる、解くべき問題そのものを選ぶ技術を扱った
目的
「研修を企画してくれ」と言われた。設計し、実施した。評判も悪くなかった。だが成績は動かない。
実行が悪いのではなく、解くべき問題が別にあった。本書を読む目的は、与えられた問題をそのまま解く習慣から抜けることにある。
論点1 依頼の言葉は、相手が出した答えである
本書の出発点は、依頼がすでに答えの形になっているという指摘だ。「研修を企画してくれ」は打ち手であって、問題ではない。
- そのまま解く … 研修を設計する。実施したが成績は動かない
- 置き直す … 何が起きてそう言ったのか。中堅の離職が続いている
聞くのは「なぜその依頼が出てきたのか」の一点だ。そこで解くべき問題が入れ替わることがある。
いちこ
依頼を疑うのは、失礼な気がしてしまいます。
シュン
疑うんじゃなくて、背景を聞くだけだよ。相手も答えまで詰め切れていないことが多いんだ。
論点2 動かせないものと、効かないものを落とす
論点の候補を並べると、たいてい10個近く出る。本書は2段で落としていく。
- 自分で動かせるか … 市場の縮小や競合の値下げは落とす
- 解けば効くか … 残った中から、結果が動くものを選ぶ
残った一つに全部の時間を使う。候補を並べるところで止まると、どれも中途半端に手をつけることになる。
論点3 論点は立場で変わる
「受注率が落ちている」という同じ事象でも、担当者は自分の案件、課長はチーム、役員は市場に居続けるかを見ている。
どれも正しい。会議が噛み合わないのは、論点が違うだけのことが多い。話し始める前に、誰の論点で議論するのかを決めておく。
次の会議の冒頭で「今日はどの立場の問いを扱いますか」と一度だけ確認する。議論の収束が早くなる。
いちこ
噛み合わないときは、どちらかが間違っていると思っていました。
シュン
両方正しいことが多いんだよね。見ている高さが違うだけなんだ。
この本の限界と、次に読む本
同じ著者の『仮説思考』が先に有名だが、順序としては本書が前にくる。問いの立て方をより体系的に扱うなら イシューからはじめよ、分解の型なら 問題解決プロフェッショナル「思考と技術」 が続く。
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論点設定のほかの本
- イシューからはじめよ 安宅和人
- 問いのデザイン 安斎勇樹・塩瀬隆之