情報を集めても結論が出ない。先に答えを置いてから調べる、という順序に変えるための論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 分析に時間がかかりすぎる
- 資料は厚いのに結論が弱い
- 部下の調べものが終わらない
−おすすめしない人
- 検証の統計的な手法を学びたい
- 判断の期限がない仕事
著者について
内田和成
元・ボストン コンサルティング グループ 日本代表
- 経歴
- ボストン・コンサルティング・グループ 日本代表 → 大学で教鞭
- 実績
- 限られた時間で答えを出すコンサルティングの現場での考えの進め方を書いた
目的
データを集めている。関係者にもヒアリングした。資料は分厚くなった。それでも「で、どうするの」に答えられない。
情報が足りないのではなく、順序が逆になっている。本書を読む目的は、集めてから考えるのをやめて、置いてから確かめる進め方に変えることにある。
論点1 先に答えを置く
本書の主張は単純で、情報が揃う前に答えを決めてしまうというものだ。乱暴に聞こえるが、理由がある。
- 網羅してから考える … 集める作業で時間が尽き、考える時間が残らない
- 置いてから調べる … 何を調べればいいかが決まるので、調査が絞れる
全部調べてから判断できる場面は、実務ではほとんどない。期日までに判断するなら、先に置くしかない。
いちこ
根拠がないのに決めていいんですか?
シュン
仮に置くだけだよ。置かないと、何を確かめればいいかも決まらないんだ。
論点2 支持する情報ではなく、否定する情報を探す
仮説を置いたあとにやりがちなのが、それを裏づける材料ばかり集めることだ。だが支持する情報をいくら積んでも、仮説は検証されない。
「受注率低下は提案力が原因」と置いたなら、提案力が原因ではない可能性を潰しにいく。リード質の変化、競合の値下げ、担当者の異動。崩しにいって崩れなければ、そのとき初めて仮説が残る。
仮説を1つ書いたら、その下に「これが間違いだとしたら、どんな事実が見つかるはずか」を書き添える。それが次に調べることになる。
思い込みに引きずられない数字の見方は そのKPI、本当に成果につながるか に。
論点3 外れた数を、進んだ距離として数える
仮説思考でつまずくのは、置いた仮説に固執してしまうときだ。一度書いた結論を守ろうとすると、検証が形だけになる。
外れたら捨てて次を置く。この回数が多いほど結論の精度は上がる。唯一の失敗は、最初の仮説にしがみつくことになる。
いちこ
外れてもいいなら、気が楽です。
シュン
むしろ早く外れたほうがいい。期末に外れるより、今週外れるほうがずっと安いからね。
この本の限界と、次に読む本
何を問いにするかから整えるなら、安宅和人『イシューからはじめよ』が先にくる。同じ著者の『論点思考』と合わせると、問いの設定と仮説の立て方が揃う。
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仮説思考のほかの本
- 地頭力を鍛える 細谷功