打ち手の案は出る。だが毎年同じ顔ぶれになる。問題を手がつけられる単位まで下げるための論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 会議で出る案が毎年同じ
- 課題が大きすぎて動けない
- 部下に考えさせる立場
−おすすめしない人
- 分解の型はもう持っている
- 統計的な原因分析を学びたい
著者について
齋藤嘉則
事業戦略コンサルタント
- 経歴
- マッキンゼー・アンド・カンパニー → 独立し事業戦略の立案支援
- 実績
- 1997年の初版以来、問題解決の型を扱う日本語の定番として読まれ続けている
目的
「売上が足りない」は全員が分かっている。だが会議で出てくる案は、気合いを入れる、訪問を増やす、資料を直す。毎年同じだ。
案が貧しいのではなく、問題が大きすぎる単位のまま議論されている。本書を読む目的は、分解して打ち手が書ける高さまで下ろす手順を持つことにある。
論点1 打ち手が書ける高さまで下ろす
本書の中心はロジックツリーだ。「売上が足りない」を商談数・受注率・単価に割り、受注率をさらに初回提案・競合・稟議に割る。
- 上の層で話す … 打ち手が精神論になる
- 下の層まで下げる … 「稟議で止まる案件に、社内説明用の資料を付ける」と書ける
議論が空回りしているときは、たいてい分解が1段か2段足りていない。アイデアの量ではなく、高さの問題だ。
いちこ
分解すると細かすぎて、全体が見えなくなりませんか?
シュン
逆なんだ。分解すると、どこが効くかが見える。全体を見ていたつもりで、何も見えていなかったことに気づくよ。
論点2 制約の中に、外せるものが混ざっている
本書が重く扱うのがゼロベース思考だ。前提を置いたまま考えると、出てくる案が毎年同じになる。
今の体制は動かせない、この商材で売る、訪問が基本。これらを「もし今日ゼロから作るならこうするか」と問い直すと、1つは外せる前提が混ざっている。
自分の課題について、暗黙に置いている制約を3つ書き出す。そのうち1つを外して案を考えてみる。
論点3 並べたら、2軸に置いてから削る
分解して案が増えると、今度は全部やろうとして破綻する。本書は打ち手を効果と実行しやすさで整理することを勧める。
- 効いて、すぐできる … ここから手をつける
- 効くが重い … 期を分けて計画に乗せる
- すぐできるが効かない … ここで忙しくなりがち
どの指標が本当に効くかを数字で見分けるなら そのKPI、本当に成果につながるか に手順がある。
いちこ
できることから、ではないんですね。
シュン
できることから始めると、たいてい右下に居続けることになるんだ。
この本の限界と、次に読む本
初版は1997年で、事例の古さはある。型そのものは今も通じる。問いの立て方からなら安宅和人『イシューからはじめよ』、答えを先に置く進め方なら内田和成『仮説思考』、伝える形に組むなら ロジカル・シンキング が隣に並ぶ。
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問題解決のほかの本
- 世界一やさしい問題解決の授業 渡辺健介