ロジカル・シンキング の書影

ロジカル・シンキング

論理的な思考と構成のスキル

照屋華子・岡田恵子

資料は作った。筋は通っているはずなのに通らない。相手の問いに答える形へ組み替えるための論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 資料が「で、何が言いたいの」と言われる
  • 部下の報告が長い
  • 社内稟議を通す立場

−おすすめしない人

  • プレゼンの話し方や見せ方を学びたい
  • 分析手法そのものを知りたい

著者について

照屋華子・岡田恵子

元・マッキンゼー エディター

経歴
ともにマッキンゼー・アンド・カンパニーでエディターを務め、報告書や提案書の推敲を担当
実績
現場で繰り返し指摘してきた「伝わらない文書」の型を整理した

東洋経済新報社 / 2001年5月

目的

分析はした。資料も作った。会議で説明もした。それでも「結局どうしたいの」と言われる。

論理が弱いのではなく、並べ方が相手の問いに合っていないことが多い。本書を読む目的は、思考の質ではなく、伝わる形への組み立て方を手に入れることにある。

論点1 重なりを削り、落ちた箱を足す

ありがちな並べ方 MECEに整えた並べ方 提案力が弱い 資料が悪い 重複 漏れ 同じ話が二度出て、別の話が落ちる リードの質商談の進め方価格と条件受注後の体制 重なりを削り、落ちた箱を足す。それだけで議論の対象が変わる
漏れと重複のある分け方と、MECEに整えた分け方。

本書が最初に扱うのが、同じ階層に並べるものの整理だ。受注率が落ちた理由を挙げると、たいてい同じ話が二度出て、別の話が落ちる。

  • 「提案力が弱い」と「資料が悪い」 … 大半が重なっている
  • リードの質、価格条件、受注後の体制 … そもそも挙がっていない

重複があると議論が空回りし、漏れがあると打ち手を取り違える。原因を数えるより先に、並んでいるものの形を見るほうが早い。

いちこ

いちこ

原因を多く挙げたほうが、ちゃんと考えた感じがしてしまいます。
シュン

シュン

数じゃないんだ。重なりを削ると、残った箱の少なさに驚くよ。

論点2 崩れるのは縦ではなく横

結論 根拠A根拠B根拠C 縦 So What? / Why So? 横 MECE(重複なく、漏れなく) 縦は「だから何」と「なぜそう言える」で繋がっているか 横は同じ階層の話が並んでいるか。崩れるのはたいてい横
結論と根拠を、縦のSo What/Why Soと横のMECEで組む。

本書は論理の組み立てを縦と横の2方向で捉える。縦は「だから何が言えるのか」と「なぜそう言えるのか」でつながっているか。横は同じ階層の話が並んでいるか。

実務でおかしくなるのは、ほとんど横のほうだ。全社の話と、特定メンバーの話と、あるツールの話が同じ列に並ぶ。縦は意識しやすいが、横は気づきにくい。

自分の資料で、同じインデントに並んだ項目を声に出して読む。粒度が揃っていない箱が必ず1つ見つかる。

論点3 書く前に、相手の問いを確定する

相手の問い こちらの答え 来期、どこに人を置くか 今期の分析結果 噛み合っていない 来期、どこに人を置くか 中堅2名をIS側へ 理由は3つ 書く前に決めるのは、相手の問いと、引き出したい反応 正しい分析でも、問いがずれていれば伝わらない
相手の問いとこちらの答えが噛み合っていない場合と、噛み合っている場合。

本書が繰り返すのは、課題と、相手から引き出したい反応を先に決めることだ。これを決めずに書くと、正しい分析なのに無関係な答えが出てくる。

  • 相手の問い … 来期どこに人を置くか
  • ずれた答え … 今期の分析結果を網羅した資料
  • 噛み合う答え … 中堅2名をIS側へ。理由は3つ

何を問いにするかを詰めるなら、安宅和人『イシューからはじめよ』が隣に並ぶ。

いちこ

いちこ

分析の前に、何を聞かれるかを決めるんですね。
シュン

シュン

そう。そこを外すと、どれだけ丁寧に作っても刺さらないんだよ。

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