正しいことを話している。それでも動かない。聞き手を主人公にする構成を扱う論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 論理は通っているのに動かない
- 提案の構成を変えたい
- 大きな場で話す機会がある
−おすすめしない人
- 短く読める型が欲しい
- スライドのデザインを学びたい
著者について
ナンシー・デュアルテ
プレゼンテーション制作会社 Duarte 代表
- 経歴
- 著名なスピーチやプレゼンの制作を長年手がけてきた
- 実績
- アル・ゴア『不都合な真実』をはじめ多数を担当し、著名スピーチの構造分析から型を取り出した
目的
データも揃え、論理も通した。それでも相手は動かない。何が足りないのかが分からない。
論理の不足ではなく、聞き手が自分の話として聞いていない。本書を読む目的は、構成そのものを設計し直すことにある。
論点1 現状と理想を往復させる
本書は著名なスピーチを分解し、共通の形を取り出す。それが現状と理想の往復だ。
- 「今こうです」と「こうなれます」を交互に置く
- 最後は理想側で終える … 聞き手が動く理由を自分で見つける
提案書でも同じことができる。現状の課題を並べてから解決策を並べるのではなく、交互に置く。
いちこ
課題と解決を分けて書いていました。
シュン
分けると比較しにくいんだよね。並べて置くと、落差がそのまま動機になるんだ。
論点2 主人公は聞き手
「当社の強みは」「当社だけが」で始まる提案は、聞き手が自分の話だと思わない。
- 自社が主語 … 機能の説明になる
- 聞き手が主語 … 「御社は今ここで止まっている」から入る
話し手は、越え方を示す側に回る。提案書の主語を数えると、どちらで書いているかがすぐ分かる。
論点3 覚えて帰ってもらう一文を決める
全部を強く話すと、終わったあとにどこが大事だったか誰も覚えていない。
本書は山場を1つ置くことを勧める。その一文を先に決めてから、他を削る。削る基準がここで決まる。
直近の提案で「相手が翌日に一言で言えること」は何だったか。言えないなら山場が無かった可能性が高い。
いちこ
全部大事だと思って話していました。
シュン
全部大事だと、全部残らないんだよね。1つに絞ると、そこだけは残るんだ。
この本の限界と、次に読む本
事例が演説や基調講演で、日常の商談とは規模が違う。構成の型だけを取る読み方になる。短い型なら 1分で話せ、見せ方なら プレゼンテーションZen、文書の構造なら 考える技術・書く技術 が続く。
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論理と伝達のほかの本
- ロジカル・シンキング 照屋華子・岡田恵子
- 考える技術・書く技術 バーバラ・ミント
- 1分で話せ 伊藤羊一
- プレゼンテーションZen ガー・レイノルズ