資料を映しながら話している。だが誰も聞いていない。スライドの役割を置き直すための論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 提案資料をそのまま映している
- スライドが文字で埋まる
- 商談で画面を使う
−おすすめしない人
- 話の構成から学びたい
- 配布資料の作り方を知りたい
著者について
ガー・レイノルズ
元・関西外国語大学 教授
- 経歴
- アップルのマネージャーなどを経て、関西外国語大学で教えた
- 実績
- 禅の美意識をプレゼン設計に持ち込み、スライド論の定番となった
目的
提案資料を作り、そのまま映して説明した。相手は画面を読んでいて、こちらの話は耳に入っていない。
資料が悪いのではなく、配布資料とスライドを1つで兼ねている。本書を読む目的は、その2つを分けることにある。
論点1 1枚で両方やろうとすると、どちらも果たせない
文字を詰めたスライドを映すと、読む人は話を聞いていない。人は読むのと聞くのを同時にできない。
- 配布資料 … 後から一人で読んで分かる必要がある
- スライド … 説明は話し手が担う。画面は補助
営業の現場では、この2つを別ファイルにするだけで商談中の空気が変わる。
いちこ
2つ作るのは手間ではないですか。
シュン
手間なんだけどね。1つで兼ねた資料は、だいたいどちらにも使えてないんだ。
論点2 作り込んだスライドは捨てられない
本書が強く勧めるのが、ソフトを開く前に紙で構成を決めることだ。
- いきなり作る … 枚数が増え、作った分だけ惜しくて捨てられない
- 紙で決める … 付箋で並べ替える。削るのが簡単
構成を決めてから作る、という順序そのものが削る力になる。
論点3 余白は、どこを見るかの指定
要素を足すほど、どこを見ればいいか分からなくなる。本書が繰り返すのは引き算だ。
余白は手抜きではなく、見るべき場所を1つに決める手段になる。数字を1つだけ大きく置く、という作りが効くのはそのためだ。
いちこ
空白があると、埋めたくなります。
シュン
そこを我慢するのが技術なんだよ。埋めた瞬間、どれも目立たなくなるからね。
この本の限界と、次に読む本
デザインの話が中心で、何を話すかの設計は薄い。内容が決まっていない段階では効かない。話の骨格なら 1分で話せ、構成の技法なら ザ・プレゼンテーション が隣に並ぶ。
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論理と伝達のほかの本
- ロジカル・シンキング 照屋華子・岡田恵子
- 考える技術・書く技術 バーバラ・ミント
- 1分で話せ 伊藤羊一
- ザ・プレゼンテーション ナンシー・デュアルテ