プレゼンテーションZen の書影

プレゼンテーションZen

プレゼンのデザインと伝え方に関するシンプルなアイデア

ガー・レイノルズ

資料を映しながら話している。だが誰も聞いていない。スライドの役割を置き直すための論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 提案資料をそのまま映している
  • スライドが文字で埋まる
  • 商談で画面を使う

−おすすめしない人

  • 話の構成から学びたい
  • 配布資料の作り方を知りたい

著者について

ガー・レイノルズ

元・関西外国語大学 教授

経歴
アップルのマネージャーなどを経て、関西外国語大学で教えた
実績
禅の美意識をプレゼン設計に持ち込み、スライド論の定番となった

丸善出版 / 2014年2月(第2版)

目的

提案資料を作り、そのまま映して説明した。相手は画面を読んでいて、こちらの話は耳に入っていない。

資料が悪いのではなく、配布資料とスライドを1つで兼ねている。本書を読む目的は、その2つを分けることにある。

論点1 1枚で両方やろうとすると、どちらも果たせない

配布資料を映す 読む人は、話を聞いていない 話し手を補助する 17.5% 今期の失注率 説明は話し手が担う 1枚で両方やろうとすると、どちらの役割も果たせない
文字を詰めたスライドと、話し手を補助するスライド。

文字を詰めたスライドを映すと、読む人は話を聞いていない。人は読むのと聞くのを同時にできない。

  • 配布資料 … 後から一人で読んで分かる必要がある
  • スライド … 説明は話し手が担う。画面は補助

営業の現場では、この2つを別ファイルにするだけで商談中の空気が変わる。

いちこ

いちこ

2つ作るのは手間ではないですか。
シュン

シュン

手間なんだけどね。1つで兼ねた資料は、だいたいどちらにも使えてないんだ。

論点2 作り込んだスライドは捨てられない

いきなりソフトを開く 1枚目から作り込む 枚数が増える 捨てられなくなる 作った分だけ惜しい 紙で構成を決める 付箋で並べ替える 削るのが簡単 作るのは最後 作り込んだスライドは捨てられない。だから作る前に決める
いきなりスライドを作る場合と、紙で構成を決めてから作る場合。

本書が強く勧めるのが、ソフトを開く前に紙で構成を決めることだ。

  • いきなり作る … 枚数が増え、作った分だけ惜しくて捨てられない
  • 紙で決める … 付箋で並べ替える。削るのが簡単

構成を決めてから作る、という順序そのものが削る力になる。

論点3 余白は、どこを見るかの指定

足していく どこを見ればいいか分からない 引いていく 稟議で止まる 見るべき場所が1つに決まる 余白は手抜きではなく、どこを見るかを指定する手段
要素を足したスライドと、引いたスライド。

要素を足すほど、どこを見ればいいか分からなくなる。本書が繰り返すのは引き算だ。

余白は手抜きではなく、見るべき場所を1つに決める手段になる。数字を1つだけ大きく置く、という作りが効くのはそのためだ。

いちこ

いちこ

空白があると、埋めたくなります。
シュン

シュン

そこを我慢するのが技術なんだよ。埋めた瞬間、どれも目立たなくなるからね。

この本の限界と、次に読む本

デザインの話が中心で、何を話すかの設計は薄い。内容が決まっていない段階では効かない。話の骨格なら 1分で話せ、構成の技法なら ザ・プレゼンテーション が隣に並ぶ。

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