考える技術・書く技術 の書影

考える技術・書く技術

問題解決力を伸ばすピラミッド原則

バーバラ・ミント

書いた資料は読んでもらえない。順番を直す前に、構造そのものを組む型を知るための論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 資料の構造から直したい
  • 提案書を書く量が多い
  • 部下の文書を添削する立場

−おすすめしない人

  • まず短く読める入門が欲しい
  • プレゼンの話し方を学びたい

著者について

バーバラ・ミント

マッキンゼー初の女性MBAコンサルタント

経歴
マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、同社のライティング指導を担当
実績
同社で体系化された文書構成法の原典にあたる

ダイヤモンド社 / 1999年3月

目的

提案書を直した。順番も変えた。それでも「何が言いたいのか分からない」と返ってくる。

表現ではなく、構造が組まれていないことが多い。本書を読む目的は、文書の骨組みを作る型を手に入れることにある。

論点1 結論はひとつ、下はそれを支えるだけ

結論はひとつ 根拠A根拠B根拠C 下の層は、すぐ上の一文を支えるためだけに存在する どの箱も、上の箱の「なぜそう言えるのか」に答えている
結論を頂点に、根拠が階層で支えるピラミッド構造。

本書の中心がピラミッド原則だ。頂点に結論をひとつ置き、下の層はすぐ上の一文を支えるためだけに存在する。

  • 結論 … ひとつだけ
  • 根拠 … 上の箱の「なぜそう言えるのか」に答える

資料が伝わらないとき、たいていどこかの箱が上と繋がっていない。繋がっていない箱は、丁寧に書かれていても読み手には雑音になる。

いちこ

いちこ

結論が3つある資料を作っていました。
シュン

シュン

それは3つの資料なんだ。分けるか、上にもう一段置くかのどちらかだね。

論点2 並び順に理由がないと、引っかかる

同じ階層に並べた項目には、必ず順序の理由が要る 時間の順 導入前 → 導入中 → 導入後 構造の順 本社 → 支社 → 現場 重要度の順 効く順に並べる 論理の順 原因 → 結果 理由を言えない並び順は、読み手が引っかかる場所になる
並列する項目に与える4つの順序の型。

同じ階層に並べた項目には、必ず順序の理由が要る。本書は型を示す。

  • 時間の順 … 導入前 → 導入中 → 導入後
  • 構造の順 … 本社 → 支社 → 現場
  • 重要度の順 … 効く順に並べる

理由を言えない並び順は、読み手が引っかかる場所になる。思いついた順に並んでいると、読む側は無意識に順序を探してしまう。

論点3 導入部で、相手に同じ疑問を持たせる

状況 相手も知っている事実 複雑化 それが崩れた出来事 疑問 だからどうするのか 答えが本文の結論になる 相手が同じ疑問を持っていなければ、結論は宙に浮く
導入部に状況・複雑化・疑問を置き、答えが本文の結論になる。

本書が文書の入口に置くのが、状況・複雑化・疑問の3点だ。相手が同じ疑問を持っていなければ、結論は宙に浮く。

  • 状況 … 相手も知っている事実から入る
  • 複雑化 … それが崩れた出来事
  • 疑問 … だからどうするのか。この答えが本文の結論になる

日本語の文書に寄せた実践編は ロジカル・シンキング のほうが短く読める。

いちこ

いちこ

背景から書くのは、この導入部とは違うんですね。
シュン

シュン

違うね。背景の説明じゃなくて、相手に疑問を持たせるのが仕事なんだ。

この本の限界と、次に読む本

1999年の翻訳で、文章は硬く通読の負荷は高い。先に ロジカル・シンキング を読み、型の出どころとして本書に戻る順序が現実的。問いの設定からなら イシューからはじめよ が先にくる。

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