書いた資料は読んでもらえない。順番を直す前に、構造そのものを組む型を知るための論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 資料の構造から直したい
- 提案書を書く量が多い
- 部下の文書を添削する立場
−おすすめしない人
- まず短く読める入門が欲しい
- プレゼンの話し方を学びたい
著者について
バーバラ・ミント
マッキンゼー初の女性MBAコンサルタント
- 経歴
- マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、同社のライティング指導を担当
- 実績
- 同社で体系化された文書構成法の原典にあたる
目的
提案書を直した。順番も変えた。それでも「何が言いたいのか分からない」と返ってくる。
表現ではなく、構造が組まれていないことが多い。本書を読む目的は、文書の骨組みを作る型を手に入れることにある。
論点1 結論はひとつ、下はそれを支えるだけ
本書の中心がピラミッド原則だ。頂点に結論をひとつ置き、下の層はすぐ上の一文を支えるためだけに存在する。
- 結論 … ひとつだけ
- 根拠 … 上の箱の「なぜそう言えるのか」に答える
資料が伝わらないとき、たいていどこかの箱が上と繋がっていない。繋がっていない箱は、丁寧に書かれていても読み手には雑音になる。
いちこ
結論が3つある資料を作っていました。
シュン
それは3つの資料なんだ。分けるか、上にもう一段置くかのどちらかだね。
論点2 並び順に理由がないと、引っかかる
同じ階層に並べた項目には、必ず順序の理由が要る。本書は型を示す。
- 時間の順 … 導入前 → 導入中 → 導入後
- 構造の順 … 本社 → 支社 → 現場
- 重要度の順 … 効く順に並べる
理由を言えない並び順は、読み手が引っかかる場所になる。思いついた順に並んでいると、読む側は無意識に順序を探してしまう。
論点3 導入部で、相手に同じ疑問を持たせる
本書が文書の入口に置くのが、状況・複雑化・疑問の3点だ。相手が同じ疑問を持っていなければ、結論は宙に浮く。
- 状況 … 相手も知っている事実から入る
- 複雑化 … それが崩れた出来事
- 疑問 … だからどうするのか。この答えが本文の結論になる
日本語の文書に寄せた実践編は ロジカル・シンキング のほうが短く読める。
いちこ
背景から書くのは、この導入部とは違うんですね。
シュン
違うね。背景の説明じゃなくて、相手に疑問を持たせるのが仕事なんだ。
この本の限界と、次に読む本
1999年の翻訳で、文章は硬く通読の負荷は高い。先に ロジカル・シンキング を読み、型の出どころとして本書に戻る順序が現実的。問いの設定からなら イシューからはじめよ が先にくる。
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論理と伝達のほかの本
- ロジカル・シンキング 照屋華子・岡田恵子
- 1分で話せ 伊藤羊一
- プレゼンテーションZen ガー・レイノルズ
- ザ・プレゼンテーション ナンシー・デュアルテ