丁寧に説明したのに決まらない。理解ではなく行動をゴールに置き直すための論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 説明が長いと言われる
- 社内で案を通す
- 若手にプレゼンを教える
−おすすめしない人
- 文書の構造から学びたい
- スライドの作り方を知りたい
著者について
伊藤羊一
武蔵野大学アントレプレナーシップ学部長
- 経歴
- 日本興業銀行 → プラス → ヤフー アカデミア学長 → 武蔵野大学 学部長
- 実績
- 社内外で多数のプレゼン指導にあたった経験から本書を執筆
目的
背景から丁寧に説明した。質問にも全部答えた。相手は「わかりました」と言った。それで終わった。
伝わっていないのではなく、理解をゴールにしている。本書を読む目的は、相手が動くところまでを話の設計に入れることにある。
論点1 1分で話せる形が骨格になる
本書の型は単純だ。結論を置き、「なぜなら」を3つ続ける。細部・経緯・補足は、聞かれてから出す。
- 1分で話せる … 骨格が立っている
- 1分で話せない … 自分でも結論が決まっていない
足りなければ相手が質問してくれる。先回りして全部入れるから長くなる。
いちこ
1分だと、説明しきれない気がします。
シュン
説明しきらなくていいんだ。相手が聞きたくなる形にしておくほうが、結果的に伝わるよ。
論点2 丁寧に積み上げている間に、集中は落ちる
聞き手の集中は話し始めが最も高い。そこに結論を置く。終盤に置いても、そのときには届かなくなっている。
経緯から積み上げる話し方は、話し手にとっては誠実だが、聞き手にとっては待ち時間になる。文書として組む型は ロジカル・シンキング のほうが詳しい。
論点3 理解と行動は別
正確に説明して「わかりました」をもらっても、何も起きないことがある。本書が置くゴールは相手が動くことだ。
- 何をしてほしいかを言う
- イメージが湧く形で言う … やっている場面が浮かぶかどうか
次の提案の最後に「このあと何をしてほしいか」を一文だけ足す。入っていない資料が多い。
いちこ
「ご検討ください」で終わっていました。
シュン
それだと何をすればいいか分からないんだよね。「まず情シスに共有してほしい」まで言うと動くよ。
この本の限界と、次に読む本
薄く、繰り返しも多い。型の提示に徹した本なので、理屈から入りたい人には物足りない。文書の構造なら ロジカル・シンキング、スライドの作り方なら プレゼンテーションZen が隣に並ぶ。
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論理と伝達のほかの本
- ロジカル・シンキング 照屋華子・岡田恵子
- 考える技術・書く技術 バーバラ・ミント
- プレゼンテーションZen ガー・レイノルズ
- ザ・プレゼンテーション ナンシー・デュアルテ