影響力の武器 実践編 の書影

影響力の武器 実践編

「イエス!」を引き出す50の秘訣

N・J・ゴールドスタイン・S・J・マーティン・R・B・チャルディーニ

原理は知っている。だが現場でどう使うか分からない。小さな工夫に落とす論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 原理は知っているが現場で使えない
  • 提案書の見せ方を変えたい
  • 事例の選び方を見直したい

−おすすめしない人

  • まず原理から学びたい
  • 体系的な理論が欲しい

著者について

N・J・ゴールドスタイン・S・J・マーティン・R・B・チャルディーニ

アリゾナ州立大学 名誉教授ほか

経歴
チャルディーニと共著者らが承諾誘導の研究を実務に展開
実績
研究で確かめられた小さな工夫を50の事例として並べた

誠信書房 / 2009年6月

目的

返報性、一貫性、社会的証明。原理は覚えた。だが提案書のどこをどう直せばいいかが分からない。

理解が浅いのではなく、原理と具体の間が空いている。本書を読む目的は、その間を50の事例で埋めることにある。

論点1 同じ事実でも、どちらを数えて見せるか

やっていない人に注目させる 「まだ7割が未導入です」 「うちも急がなくていい」になる やっている人に注目させる 「同規模の3割が導入済みです」 自分と似た立場の動きが基準になる 同じ事実でも、どちらを数えて見せるかで逆の効果になる 「まだ少ない」と強調すると、やらない理由を与えてしまう
少数派として伝える場合と、多数がやっていると伝える場合。

「まだ7割が未導入です」は、「うちも急がなくていい」という理由を与えてしまう。

「同規模の3割が導入済みです」なら、自分と似た立場の動きが基準になる。同じ数字で逆の効果になる。

いちこ

いちこ

未導入が多いほうが、伸びしろがあると言えそうですが。
シュン

シュン

売り手の論理としてはそうだね。でも聞く側には「まだ要らない証拠」に聞こえるんだ。

論点2 有名企業より、隣の会社

響き方 自社との近さ 有名企業 同業大手 同業・同規模・同じ課題 有名企業の事例より、隣の会社の事例のほうが動かす
事例の相手が自社とどれだけ近いかで響き方が変わる。

事例として強いのは知名度ではなく近さだ。同業・同規模・同じ課題と重なるほど響く。

有名企業の導入事例を出しても「うちとは違う」で終わることがある。使う事例を相手ごとに選び分けるだけで通り方が変わる。

論点3 一度関わると、一貫していようとする

いきなり大きく頼む 「全社導入をご検討ください」 判断の重さで止まる 小さく積む 資料を見てもらう1部署で試す他部署に広げる 一度関わった相手は、自分の判断と一貫していようとする
大きな依頼をいきなり出す場合と、小さな同意から積む場合。

「全社導入をご検討ください」は判断の重さで止まる。

  • 資料を見てもらう → 1部署で試す → 他部署に広げる

人は自分の過去の判断と一貫していようとする。小さく関わった相手ほど、次の段に進みやすくなる。

いちこ

いちこ

小さく始めると、売上も小さくなりませんか。
シュン

シュン

初回はね。ただ入れないとゼロだから。入ってから広げるほうが、総額では大きくなることが多いんだ。

この本の限界と、次に読む本

50の短い事例が並ぶ構成で、体系性は薄い。原理は 影響力の武器 が先にくる。また、これらの技術は使われる側にもなる。判断の癖として知るなら 予想どおりに不合理 が隣に並ぶ。

Amazonで見る Amazonのアソシエイトとして、SaleStats Lab は適格販売により収入を得ています。

影響力のほかの本