原理は知っている。だが現場でどう使うか分からない。小さな工夫に落とす論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 原理は知っているが現場で使えない
- 提案書の見せ方を変えたい
- 事例の選び方を見直したい
−おすすめしない人
- まず原理から学びたい
- 体系的な理論が欲しい
著者について
N・J・ゴールドスタイン・S・J・マーティン・R・B・チャルディーニ
アリゾナ州立大学 名誉教授ほか
- 経歴
- チャルディーニと共著者らが承諾誘導の研究を実務に展開
- 実績
- 研究で確かめられた小さな工夫を50の事例として並べた
目的
返報性、一貫性、社会的証明。原理は覚えた。だが提案書のどこをどう直せばいいかが分からない。
理解が浅いのではなく、原理と具体の間が空いている。本書を読む目的は、その間を50の事例で埋めることにある。
論点1 同じ事実でも、どちらを数えて見せるか
「まだ7割が未導入です」は、「うちも急がなくていい」という理由を与えてしまう。
「同規模の3割が導入済みです」なら、自分と似た立場の動きが基準になる。同じ数字で逆の効果になる。
いちこ
未導入が多いほうが、伸びしろがあると言えそうですが。
シュン
売り手の論理としてはそうだね。でも聞く側には「まだ要らない証拠」に聞こえるんだ。
論点2 有名企業より、隣の会社
事例として強いのは知名度ではなく近さだ。同業・同規模・同じ課題と重なるほど響く。
有名企業の導入事例を出しても「うちとは違う」で終わることがある。使う事例を相手ごとに選び分けるだけで通り方が変わる。
論点3 一度関わると、一貫していようとする
「全社導入をご検討ください」は判断の重さで止まる。
- 資料を見てもらう → 1部署で試す → 他部署に広げる
人は自分の過去の判断と一貫していようとする。小さく関わった相手ほど、次の段に進みやすくなる。
いちこ
小さく始めると、売上も小さくなりませんか。
シュン
初回はね。ただ入れないとゼロだから。入ってから広げるほうが、総額では大きくなることが多いんだ。
この本の限界と、次に読む本
50の短い事例が並ぶ構成で、体系性は薄い。原理は 影響力の武器 が先にくる。また、これらの技術は使われる側にもなる。判断の癖として知るなら 予想どおりに不合理 が隣に並ぶ。
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