人を動かす の書影

人を動かす

D・カーネギー

正しいことを言っているのに通らない。論破ではなく採用を目指す論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 正しい提案が通らない
  • 社内外の調整が多い
  • 若手に対人の基本を教える

−おすすめしない人

  • 実験で裏づけられた手法が欲しい
  • 交渉の具体的な技術を学びたい

著者について

D・カーネギー

話し方・対人関係講座の創設者

経歴
話し方と対人関係の講座を長年運営してきた
実績
受講者の実例を集め、1936年の刊行以来、対人関係の古典として読まれ続けている

創元社 / 2016年1月(文庫版)

目的

データも根拠も揃えて指摘した。相手は黙った。だが提案は採用されなかった。

論理が弱いのではなく、論破してしまった。本書を読む目的は、正しさと採用を分けて考えることにある。

論点1 論破は勝ちではない

正しさで指摘する 「その前提が違います」 相手が守りに入る 正しくても 採用されない 相手の立場から入る 「その懸念、分かります」 聞く姿勢が残る 中身が検討される 論破は勝ちではない。採用されなければ何も変わらない
批判から入った場合と、相手の立場から入った場合。

「その前提が違います」から入ると、相手は守りに入る。正しくても採用されない。

「その懸念、分かります」から入ると、聞く姿勢が残り、中身が検討される。中身を変えなくても結果が変わる。

いちこ

いちこ

間違っている前提を、そのままにするんですか?
シュン

シュン

否定しないだけだよ。一度受けてから別の見方を出すと、同じことが届くんだ。

論点2 同じ期限でも、誰の都合として置くか

自分の要望から 「来週までに決めていただきたい」 こちらの都合として聞こえる 動かす理由が相手にない 相手の関心から 「来月の総会に間に合わせるなら」 相手の予定が理由になる 急ぐ理由が相手側にある 同じ期限でも、誰の都合として置くかで通り方が変わる 相手が何を気にしているかを知らないと、この置き換えはできない
自分の要望から話す場合と、相手の関心から話す場合。

「来週までに決めていただきたい」は、こちらの都合として聞こえる。動かす理由が相手にない。

「来月の総会に間に合わせるなら」と置けば、急ぐ理由が相手側にある。この置き換えには、相手が何を気にしているかを知っている必要がある。

論点3 覚えていたことが、そのまま敬意になる

1回目2回目3回目 毎回ゼロから自己紹介 関係が積み上がらない 「前回おっしゃっていた◯◯の件、その後いかがですか」 覚えていたことが、そのまま敬意になる 技術ではなく、記録を取るかどうかの差でしかない 商談メモに「雑談で出た話」の欄を作ると残る
前回の会話を覚えているかどうかで、関係の積み上がり方が変わる。

毎回ゼロから自己紹介する関係は積み上がらない。「前回おっしゃっていた◯◯の件、その後いかがですか」の一言で変わる。

技術ではなく、記録を取るかどうかの差でしかない。商談メモに「雑談で出た話」の欄を作ると残る。

次の商談メモに1行だけ「仕事以外で出た話」を書く。次回の冒頭で使える。
いちこ

いちこ

雑談はメモしていませんでした。
シュン

シュン

そこが一番効くんだよね。仕事の話は資料に残るけど、雑談は書かないと消えるから。

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