正しいことを言っているのに通らない。論破ではなく採用を目指す論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 正しい提案が通らない
- 社内外の調整が多い
- 若手に対人の基本を教える
−おすすめしない人
- 実験で裏づけられた手法が欲しい
- 交渉の具体的な技術を学びたい
著者について
D・カーネギー
話し方・対人関係講座の創設者
- 経歴
- 話し方と対人関係の講座を長年運営してきた
- 実績
- 受講者の実例を集め、1936年の刊行以来、対人関係の古典として読まれ続けている
目的
データも根拠も揃えて指摘した。相手は黙った。だが提案は採用されなかった。
論理が弱いのではなく、論破してしまった。本書を読む目的は、正しさと採用を分けて考えることにある。
論点1 論破は勝ちではない
「その前提が違います」から入ると、相手は守りに入る。正しくても採用されない。
「その懸念、分かります」から入ると、聞く姿勢が残り、中身が検討される。中身を変えなくても結果が変わる。
いちこ
間違っている前提を、そのままにするんですか?
シュン
否定しないだけだよ。一度受けてから別の見方を出すと、同じことが届くんだ。
論点2 同じ期限でも、誰の都合として置くか
「来週までに決めていただきたい」は、こちらの都合として聞こえる。動かす理由が相手にない。
「来月の総会に間に合わせるなら」と置けば、急ぐ理由が相手側にある。この置き換えには、相手が何を気にしているかを知っている必要がある。
論点3 覚えていたことが、そのまま敬意になる
毎回ゼロから自己紹介する関係は積み上がらない。「前回おっしゃっていた◯◯の件、その後いかがですか」の一言で変わる。
技術ではなく、記録を取るかどうかの差でしかない。商談メモに「雑談で出た話」の欄を作ると残る。
次の商談メモに1行だけ「仕事以外で出た話」を書く。次回の冒頭で使える。
いちこ
雑談はメモしていませんでした。
シュン
そこが一番効くんだよね。仕事の話は資料に残るけど、雑談は書かないと消えるから。
この本の限界と、次に読む本
1936年の本で、事例は逸話が中心。検証された研究ではない点は割り引いて読む必要がある。研究に基づく説得なら 影響力の武器、交渉の技術なら ハーバード流交渉術 が隣に並ぶ。
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影響力のほかの本
- 影響力の武器 ロバート・B・チャルディーニ
- 影響力の武器 実践編 N・J・ゴールドスタイン・S・J・マーティン・R・B・チャルディーニ