要件定義の場に同席したが、何を見ればいいか分からない。読み方を持つ論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 要件定義に同席する
- 開発を含む案件を扱う
- 納品後の揉めごとを減らしたい
−おすすめしない人
- 要件定義を自分で主導する立場にない
- 設計の技法を学びたい
著者について
羽生章洋
業務システムの設計・開発者
- 経歴
- 業務システムの設計と開発に長年携わってきた
- 実績
- 要件定義を専門の工程として整理し、何から書き始めるかに絞って示した
目的
要件定義の打ち合わせに同席した。機能の一覧が並んでいる。正しいのかどうか、こちらには判断できない。
専門知識が足りないのではなく、何を見れば判断できるかを知らない。本書を読む目的は、その読み方を持つことにある。
論点1 機能の一覧は、使う場面が無いと判断できない
「検索機能」「承認機能」と並んでいても、過不足は分からない。
「営業が、案件を探す」「課長が、申請を承認する」と誰が何をするかの形で並べると、抜けている役割が見える。営業はここなら判断できる。
いちこ
開発の資料に口を出していいんでしょうか。
シュン
使う人の話だからね。むしろ営業しか知らないことが多いんだ。遠慮するほうが危ないよ。
論点2 決めていないことを書かないと、決めたつもりで進む
決まったことだけを並べると、合意できた風に見える。
「未決: 既存システムとの連携範囲」と書いておけば、残っている穴が見える。未決事項の管理は プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本 が詳しい。
論点3 変更を禁じるのではなく、変え方を合意する
全部を最初に決めて動かさない方針だと、変更のたびに「追加費用か仕様内か」で揉める。
- 動かさない部分を決める
- 動く部分は、変え方のルールを決める
営業の立場では、この合意を商談段階で作っておけるかが効く。
いちこ
変更は無いほうがいいと思っていました。
シュン
無いほうが楽だけどね。実際には必ず出るから、出たときの手順を先に決めるほうが現実的なんだ。
この本の限界と、次に読む本
業務システムが前提で、手を動かす人向けに書かれている。営業は読み方として使う部分を取ることになる。並べ方と優先順位なら ユーザーストーリーマッピング、発注側の責任範囲なら なぜ、システム開発は必ずモメるのか? が隣に並ぶ。
Amazonで見る Amazonのアソシエイトとして、SaleStats Lab は適格販売により収入を得ています。
要件を形にするのほかの本
- ユーザーストーリーマッピング Jeff Patton
- カイゼン・ジャーニー 市谷聡啓・新井剛