はじめよう!要件定義 の書影

はじめよう!要件定義

ビギナーからベテランまで

羽生章洋

要件定義の場に同席したが、何を見ればいいか分からない。読み方を持つ論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 要件定義に同席する
  • 開発を含む案件を扱う
  • 納品後の揉めごとを減らしたい

−おすすめしない人

  • 要件定義を自分で主導する立場にない
  • 設計の技法を学びたい

著者について

羽生章洋

業務システムの設計・開発者

経歴
業務システムの設計と開発に長年携わってきた
実績
要件定義を専門の工程として整理し、何から書き始めるかに絞って示した

技術評論社 / 2015年4月

目的

要件定義の打ち合わせに同席した。機能の一覧が並んでいる。正しいのかどうか、こちらには判断できない。

専門知識が足りないのではなく、何を見れば判断できるかを知らない。本書を読む目的は、その読み方を持つことにある。

論点1 機能の一覧は、使う場面が無いと判断できない

機能から書く 検索機能一覧表示機能承認機能 誰がどう使うかが抜ける 誰が何をするかから書く 営業が、案件を探す課長が、申請を承認する経理が、月末に集計する 抜けている役割が見える 機能の一覧は、使う場面が無いと正しさを判断できない
機能一覧から書く場合と、誰が何をするかから書く場合。

「検索機能」「承認機能」と並んでいても、過不足は分からない。

「営業が、案件を探す」「課長が、申請を承認する」と誰が何をするかの形で並べると、抜けている役割が見える。営業はここなら判断できる。

いちこ

いちこ

開発の資料に口を出していいんでしょうか。
シュン

シュン

使う人の話だからね。むしろ営業しか知らないことが多いんだ。遠慮するほうが危ないよ。

論点2 決めていないことを書かないと、決めたつもりで進む

決まったことだけ書く 合意できた風に見える 未決も併記する 未決: 既存システムとの連携範囲 残っている穴が見える 決めていないことを書かないと、決めたつもりで進む
決まったことだけを書いた要件と、未決も併記した要件。

決まったことだけを並べると、合意できた風に見える。

「未決: 既存システムとの連携範囲」と書いておけば、残っている穴が見える。未決事項の管理は プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本 が詳しい。

論点3 変更を禁じるのではなく、変え方を合意する

固めて動かさない 全部を最初に決める 変更のたびに「追加費用か仕様内か」で揉める 変わる前提で枠を決める 動かさない部分を決める 動く部分は、変え方のルールを決める 変更を禁じるのではなく、変える手順を先に合意する
要件を固定する前提と、変わる前提で枠を決める進め方。

全部を最初に決めて動かさない方針だと、変更のたびに「追加費用か仕様内か」で揉める。

  • 動かさない部分を決める
  • 動く部分は、変え方のルールを決める

営業の立場では、この合意を商談段階で作っておけるかが効く。

いちこ

いちこ

変更は無いほうがいいと思っていました。
シュン

シュン

無いほうが楽だけどね。実際には必ず出るから、出たときの手順を先に決めるほうが現実的なんだ。

この本の限界と、次に読む本

業務システムが前提で、手を動かす人向けに書かれている。営業は読み方として使う部分を取ることになる。並べ方と優先順位なら ユーザーストーリーマッピング、発注側の責任範囲なら なぜ、システム開発は必ずモメるのか? が隣に並ぶ。

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