急ぐと品質が落ちる、という前提を調査データで崩す論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 期日と品質の議論が噛み合わない
- 開発を含む案件を扱う
- 数字で議論したい
−おすすめしない人
- 開発の実装手順が欲しい
- 統計の記述が負担
著者について
ニコール・フォースグレン・ジェズ・ハンブル・ジーン・キム
DORA の研究チーム
- 経歴
- 開発組織の実態を大規模調査で継続的に分析してきた
- 実績
- 4年間・2000を超える組織への調査から、速さと安定性を両立する条件を統計的に示した
目的
顧客は早く出してほしいと言う。開発は品質が落ちると言う。どちらも正しそうで、調整できない。
どちらかを選ぶ話ではない。両立している組織が実在する。本書を読む目的は、その条件を調査データで知ることにある。
論点1 「急ぐと品質が落ちる」は支持されていない
2000を超える組織への調査で、速くて安定している群が存在することが示された。
速さと安定性は同時に高められる。この前提が変わると、顧客との期日の会話も変わる。
いちこ
早く出すと、不具合が増えそうですが。
シュン
大きくまとめて出すと増えるんだ。小さく細かく出すほうが、問題も小さくて済むんだよ。
論点2 測る指標を4つに絞る
- 変更の頻度 / 変更にかかる時間 … 速さ
- 失敗の割合 / 復旧の速さ … 安定性
営業でも「出す速さ」と「出した後の問題率」で同じ構造が作れる。提案から回答までの時間と、受注後のトラブル率になる。
論点3 文化が成果に効くことが、測定されている
誰のミスかを特定する組織では情報が隠され、同じ失敗が繰り返される。
なぜ起きうる状態だったかを見る組織には情報が集まる。精神論ではなく、測定された結果としてそうなっている。
いちこ
文化の話は、数字にならないと思っていました。
シュン
ここが面白いところでね。測ったら効いてたんだ。だから投資する根拠になるんだよ。
この本の限界と、次に読む本
調査手法の記述が長く、統計の説明が続く章もある。結論だけを取る読み方でも足りる。期日と範囲の交渉なら アジャイルサムライ、組織の設計なら チームトポロジー が隣に並ぶ。
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開発プロセスのほかの本
- アジャイルサムライ Jonathan Rasmusson
- SCRUM BOOT CAMP THE BOOK 西村直人・永瀬美穂・吉羽龍太郎
- カイゼン・ジャーニー 市谷聡啓・新井剛