技術を作れないから乗り遅れた、とは限らない。使う側として立つための論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 自分の立ち位置を考えたい
- 育成に関わる
- 視座を広げたい
−おすすめしない人
- 今期の数字を動かす手を探している
- すぐ使える技法が欲しい
著者について
安宅和人
慶應義塾大学環境情報学部 教授 / ヤフー CSO
- 経歴
- マッキンゼーで11年コンサルタントを務め、脳神経科学の博士号を取得
- 実績
- AI×データ時代の人材育成と国の再生を主題に論じた
目的
AIもデータも、自分には縁がないと感じる。作る側にはなれない。だから関係ない。
だが本書の見立てでは、作れないことは使えないことと同じではない。本書を読む目的は、使う側として立つ位置を決めることにある。
論点1 勝ち方が変わる時期にいる
本書が置く構図は、技術の局面による違いだ。
- 生まれる時期 … 先に作った者が勝つ
- 広く使える時期 … うまく使った者が勝つ
営業の現場でも同じことが言える。ツールを作る必要はないが、何に使えるかを言える人はまだ少ない。
いちこ
技術が分からないと、何も言えない気がします。
シュン
作る話はそうだね。ただ「どの業務が楽になるか」は、現場を知ってる側のほうが言えるんだ。
論点2 掛け算なら、一流でなくても希少になる
本書の人材論で効くのが、領域の掛け算だ。
- 1つを深める … 同じ専門の人と横並びになる
- 2つを掛ける … 営業×統計、営業×開発。重なりに立てる人は少ない
どちらも一流である必要はない。片方を少し持つだけで位置が変わる。
論点3 先に枠を切らないと、将来に回る分は残らない
本書が国と企業の両方に向けて言うのが配分の話だ。余ったら新しいことをやる、では永久に回らない。
営業組織でも、新規開拓や人の育成は先に枠を切らないと消える。今期の数字に追われている組織では、特にそうなる。
来月の予定表で、今期の数字に直接つながらない活動に何時間取っているかを数える。ゼロなら枠が切れていない。
いちこ
余裕ができたらやろう、と思っていました。
シュン
その余裕は来ないんだよね。先に入れてしまうしかないんだ。
この本の限界と、次に読む本
分厚く、国家論の色が濃い。営業の実務に直結する記述は少ないので、視座を得るための読み方になる。同じ著者で手を動かす側なら イシューからはじめよ、数字の読み方なら データ分析の力 が隣に並ぶ。
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職業人の作法のほかの本
- コンサル一年目が学ぶこと 大石哲之
- エッセンシャル思考 グレッグ・マキューン