コンサル一年目が学ぶこと の書影

コンサル一年目が学ぶこと

大石哲之

仕事は丁寧にやっている。それでも毎回やり直しになる。手戻りを着手前に潰すための論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 資料のやり直しが多い
  • 若手に仕事の作法を教える立場
  • 社内の報告が通らない

−おすすめしない人

  • 実務経験が長く作法は固まっている
  • 専門的な分析手法を学びたい

著者について

大石哲之

コンサルタント経験者への取材を重ねた著述家

経歴
アクセンチュア → 独立
実績
特定のファームの流儀ではなく、複数の出身者が共通して挙げた作法を集めた

ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2014年7月

目的

3日かけて資料を作った。出したら「そこまでは要らなかった」と言われた。丁寧にやったのに、丁寧さが評価されない。

能力の問題ではなく、作法を誰にも教わっていないことが原因になっている。本書を読む目的は、やり直しを生む型を先に潰すことにある。

論点1 結論から話す

経緯から話す 背景調べたこと分かったこと結論 ここまで待てない 結論から話す 結論 理由1理由2理由3 途中で止めても伝わる 報告が長いと言われるのは、順番の問題であることが多い
経緯から話す報告と、結論から話す報告。

本書が最初に挙げるのが順番だ。背景から積み上げると、聞き手は結論まで待てない。

  • 経緯から … 背景、調べたこと、分かったこと、結論
  • 結論から … 結論、理由1、理由2、理由3

後者は途中で打ち切られても伝わる。報告が長いと言われるのは、量ではなく順番の問題であることが多い。

文書として組む型は ロジカル・シンキング のほうが詳しい。

いちこ

いちこ

結論だけ言うと、雑に聞こえませんか?
シュン

シュン

理由を3つ続けるからね。先に着地を示すほうが、相手は安心して聞けるんだ。

論点2 手戻りは、着手前の5分で防げる

確かめずに作る 依頼を受ける 3日かけて作り込む 「そこまでは要らない」 3日が消える 着手前に合わせる 依頼を受ける 何に使うか / いつまでに どこまでの粒度か 半日で終わる 手戻りの大半は、着手前の5分で防げる種類のもの
期待を確かめずに作業する場合と、着手前に合わせる場合。

本書が繰り返すのが期待値の確認だ。依頼を受けたら、作る前に3つを聞く。

  • 何に使うか / いつまでに要るか
  • どこまでの粒度か … ここを聞かずに作り込むと3日が消える

聞いてから作れば半日で終わる作業だったことがある。手戻りの大半は、能力ではなく確認の不在から来ている。

次の依頼で、着手前に「これは何の判断に使いますか」と一度だけ聞いてみる。それだけで作る分量が変わる。

論点3 完成させる前に見せる

完成させてから出す 一人で作り込む 方向違い 作り直し 直す時間が最後に来る 早く粗く出す 骨だけ作る 見せる直す見せる仕上げる 方向のずれが最初に見つかる 同じ時間なら、早く見せたほうが完成度は上がる
完成させてから出す場合と、早く粗く出して直す場合。

完成度を上げてから出すと、方向のずれが最後に見つかる。本書は骨だけ作って早く見せることを勧める。

  • 完成させてから出す … 直す時間が最後に来る
  • 早く粗く出す … 方向のずれが最初に見つかる

同じ時間を使うなら、早く見せたほうが最終的な完成度は上がる。粗い状態を見せるのに慣れるかどうかの問題でもある。

いちこ

いちこ

途中のものを見せるのは、気が引けます。
シュン

シュン

分かるよ。でも完成品を否定されるより、骨の段階で直すほうがずっと楽なんだ。

この本の限界と、次に読む本

内容は基本に徹していて、経験を積んだ人には既知の話が並ぶ。部下に渡す1冊としての用途が合う。伝える形そのものを鍛えるなら ロジカル・シンキング、考える順序からなら イシューからはじめよ が続く。

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