仕事は丁寧にやっている。それでも毎回やり直しになる。手戻りを着手前に潰すための論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 資料のやり直しが多い
- 若手に仕事の作法を教える立場
- 社内の報告が通らない
−おすすめしない人
- 実務経験が長く作法は固まっている
- 専門的な分析手法を学びたい
著者について
大石哲之
コンサルタント経験者への取材を重ねた著述家
- 経歴
- アクセンチュア → 独立
- 実績
- 特定のファームの流儀ではなく、複数の出身者が共通して挙げた作法を集めた
目的
3日かけて資料を作った。出したら「そこまでは要らなかった」と言われた。丁寧にやったのに、丁寧さが評価されない。
能力の問題ではなく、作法を誰にも教わっていないことが原因になっている。本書を読む目的は、やり直しを生む型を先に潰すことにある。
論点1 結論から話す
本書が最初に挙げるのが順番だ。背景から積み上げると、聞き手は結論まで待てない。
- 経緯から … 背景、調べたこと、分かったこと、結論
- 結論から … 結論、理由1、理由2、理由3
後者は途中で打ち切られても伝わる。報告が長いと言われるのは、量ではなく順番の問題であることが多い。
文書として組む型は ロジカル・シンキング のほうが詳しい。
いちこ
結論だけ言うと、雑に聞こえませんか?
シュン
理由を3つ続けるからね。先に着地を示すほうが、相手は安心して聞けるんだ。
論点2 手戻りは、着手前の5分で防げる
本書が繰り返すのが期待値の確認だ。依頼を受けたら、作る前に3つを聞く。
- 何に使うか / いつまでに要るか
- どこまでの粒度か … ここを聞かずに作り込むと3日が消える
聞いてから作れば半日で終わる作業だったことがある。手戻りの大半は、能力ではなく確認の不在から来ている。
次の依頼で、着手前に「これは何の判断に使いますか」と一度だけ聞いてみる。それだけで作る分量が変わる。
論点3 完成させる前に見せる
完成度を上げてから出すと、方向のずれが最後に見つかる。本書は骨だけ作って早く見せることを勧める。
- 完成させてから出す … 直す時間が最後に来る
- 早く粗く出す … 方向のずれが最初に見つかる
同じ時間を使うなら、早く見せたほうが最終的な完成度は上がる。粗い状態を見せるのに慣れるかどうかの問題でもある。
いちこ
途中のものを見せるのは、気が引けます。
シュン
分かるよ。でも完成品を否定されるより、骨の段階で直すほうがずっと楽なんだ。
この本の限界と、次に読む本
内容は基本に徹していて、経験を積んだ人には既知の話が並ぶ。部下に渡す1冊としての用途が合う。伝える形そのものを鍛えるなら ロジカル・シンキング、考える順序からなら イシューからはじめよ が続く。
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