サブスクリプション の書影

サブスクリプション

「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル

ティエン・ツォ・ゲイブ・ワイザート

課金の形を変えただけのつもりが、社内が軋む。何が一緒に変わるのかを扱う論点を3つ紹介する。

✓お勧めする人

  • 継続課金への移行を検討している
  • 新規の数字は出ているが積み上がらない
  • 他部門と前提が合わない

−おすすめしない人

  • 現場の運用手順が欲しい
  • 売り切り型の商材のみ

著者について

ティエン・ツォ・ゲイブ・ワイザート

Zuora 創業者 / 元・セールスフォース初期メンバー

経歴
セールスフォース・ドットコムの初期メンバー → Zuoraを創業
実績
継続課金の事業を支える仕組みを提供する立場から、業界横断の変化を論じた

ダイヤモンド社 / 2018年10月

目的

月額課金のプランを作った。営業は売り方を変えた。だが開発も会計も以前のままで、あちこちで噛み合わない。

移行が中途半端なのではなく、変わる範囲を見誤っている。本書を読む目的は、何が一緒に変わるのかを把握することにある。

論点1 新規の数字だけ見ていると、傾きが寝ていることに気づけない

売り切り 毎期ゼロから積み直す 継続課金 前期の顧客の上に積まれる 解約が出た分だけ、積み上がりの傾きが寝る 新規獲得の数字だけ見ていると、傾きが寝ていることに気づけない
売り切りと継続課金で、売上の積み上がり方が違う。

売り切りは毎期ゼロから積み直す。継続課金は前期の顧客の上に積まれる。

だから解約が出た分だけ、積み上がりの傾きが寝る。新規獲得の件数だけを追っていると、この変化が見えない。

いちこ

いちこ

新規が目標どおりなら、問題ないように見えます。
シュン

シュン

見えるんだよね。でも解約で下から抜けてると、合計は増えないんだ。

論点2 変わるのは営業だけではない

営業 取ったら終わり → 取ってからが本番 開発 発売時点で完成 → 使われ方を見て直し続ける 会計 売上は受注時に立つ → 期間で按分される 課金の形を変えると、関わる全部の部門の前提が変わる 営業だけが「サブスクを売る」状態になると、社内で軋む
営業・開発・会計のそれぞれで前提が変わる。

本書が業界横断で描くのは、課金の形が変わると全部門の前提が変わることだ。

  • 営業 … 取ったら終わり → 取ってからが本番
  • 開発 … 発売時点で完成 → 使われ方を見て直し続ける
  • 会計 … 売上は受注時に立つ → 期間で按分される

営業だけが「サブスクを売る」状態になると、社内で軋む。

論点3 最初の契約を小さくできると、稟議の高さが下がる

小さく始める 1部署・10名 使われて広がる 3部署・80名 全社で使う 全社・400名 最初の契約を小さくできると、稟議の高さが下がる 入ってから広げる設計なら、初回の金額は交渉の焦点でなくなる
小さく始めて、使うほど増える価格設計。

1部署10名から始めて、使われて広がり、全社に至る。初回の金額が交渉の焦点でなくなる。

入ってから広げる設計にできるかどうかは、商材の作りに依存する。営業の工夫だけでは変えられない部分でもある。

いちこ

いちこ

小さく始めると、売上が小さくなりませんか。
シュン

シュン

初年度はね。ただ入れないと広げようもないから、入り口を低くするほうが総額は大きくなることが多いんだ。

この本の限界と、次に読む本

著者が関連サービスを提供する立場で、移行を勧める方向に寄っている。事例も成功例が中心になる。受注後の設計なら カスタマーサクセス、職種の実務なら カスタマーサクセス・プロフェッショナル が続く。

Amazonで見る Amazonのアソシエイトとして、SaleStats Lab は適格販売により収入を得ています。

カスタマーサクセスのほかの本