課金の形を変えただけのつもりが、社内が軋む。何が一緒に変わるのかを扱う論点を3つ紹介する。
✓お勧めする人
- 継続課金への移行を検討している
- 新規の数字は出ているが積み上がらない
- 他部門と前提が合わない
−おすすめしない人
- 現場の運用手順が欲しい
- 売り切り型の商材のみ
著者について
ティエン・ツォ・ゲイブ・ワイザート
Zuora 創業者 / 元・セールスフォース初期メンバー
- 経歴
- セールスフォース・ドットコムの初期メンバー → Zuoraを創業
- 実績
- 継続課金の事業を支える仕組みを提供する立場から、業界横断の変化を論じた
目的
月額課金のプランを作った。営業は売り方を変えた。だが開発も会計も以前のままで、あちこちで噛み合わない。
移行が中途半端なのではなく、変わる範囲を見誤っている。本書を読む目的は、何が一緒に変わるのかを把握することにある。
論点1 新規の数字だけ見ていると、傾きが寝ていることに気づけない
売り切りは毎期ゼロから積み直す。継続課金は前期の顧客の上に積まれる。
だから解約が出た分だけ、積み上がりの傾きが寝る。新規獲得の件数だけを追っていると、この変化が見えない。
いちこ
新規が目標どおりなら、問題ないように見えます。
シュン
見えるんだよね。でも解約で下から抜けてると、合計は増えないんだ。
論点2 変わるのは営業だけではない
本書が業界横断で描くのは、課金の形が変わると全部門の前提が変わることだ。
- 営業 … 取ったら終わり → 取ってからが本番
- 開発 … 発売時点で完成 → 使われ方を見て直し続ける
- 会計 … 売上は受注時に立つ → 期間で按分される
営業だけが「サブスクを売る」状態になると、社内で軋む。
論点3 最初の契約を小さくできると、稟議の高さが下がる
1部署10名から始めて、使われて広がり、全社に至る。初回の金額が交渉の焦点でなくなる。
入ってから広げる設計にできるかどうかは、商材の作りに依存する。営業の工夫だけでは変えられない部分でもある。
いちこ
小さく始めると、売上が小さくなりませんか。
シュン
初年度はね。ただ入れないと広げようもないから、入り口を低くするほうが総額は大きくなることが多いんだ。
この本の限界と、次に読む本
著者が関連サービスを提供する立場で、移行を勧める方向に寄っている。事例も成功例が中心になる。受注後の設計なら カスタマーサクセス、職種の実務なら カスタマーサクセス・プロフェッショナル が続く。
Amazonで見る Amazonのアソシエイトとして、SaleStats Lab は適格販売により収入を得ています。
カスタマーサクセスのほかの本
- カスタマーサクセス ニック・メータ・ダン・スタインマン・リンカーン・マーフィー
- カスタマーサクセスとは何か 弘子ラザヴィ
- カスタマーサクセス・プロフェッショナル アシュヴィン・ヴァイディアナサン・ルーベン・ラバゴ